2011年10月27日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州市場で75円71銭を記録。連日の円最高値更新となる。
介入警戒感はあるものの、実際に介入が実施されていないことや、依然、欧州
債務問題で協議の難航が予想されることなどから円買い意欲も旺盛。 - NYでも75円台後半まで円高が進んだものの、27日の日銀金融政策決定会合
で円高対策が打ち出されるとの観測や、米長期金利の上昇などから76円台に乗せて
引ける。 - ユーロドルはEU首脳会議の行方を睨みながら荒っぽい値動きに。
一時1.38台割れまで下落したが、銀行の資本増強で合意したとの報道を受け
1.39台後半まで反発する。 - EU首脳は欧州銀行の自己資本比率を資産査定の基準より高めの9%に
することで合意。資本不足に陥った銀行は賞与と配当に制限を受けることにも
合意。 - NY株式市場はEUが銀行の資本増強で合意したことを受け大幅に反発。
ダウは162ドル高で前日の下落分を埋めた格好に。 - 債券相場は小幅に反落。EUの一部合意を受け、リスク資産への資金拡大
から売られた。5年債入札が好調だったものの下げを埋めきれず、価格は
小幅に下落し、10年債利回りは小幅に上昇。 - 金は4日続伸。原油は予想以上に在庫が膨らんでいたことから大幅に反落し
90ドル台で引ける。 - 9月耐久財受注 → −0.8%
- 9月新築住宅販売 → 31.3万件
| ドル/円 | 75.82 〜 76.33 |
| ユーロ/ドル | 1.3798 〜 1.3976 |
| ユーロ/円 | 104.75 〜 106.16 |
| NYダウ | +162.42 → 11,869.04ドル |
| GOLD | +23.10 → 1,723.50 |
| WTI | −2.97 → 90.20ドル |
| 米10年国債 | +0.093 → 2.207% |
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合
- 中 中国9月工業利益
- 独 独10月消費者物価指数(CPI)
- 欧 ユーロ圏9月マネーサプライ
- 米 7−9月期GDP
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 仮契約住宅販売指数
- 加 カーニー・カナダ中銀総講演
ドル円は連日の最高値更新です。
欧州市場で75円71銭まで下落し、前日記録した最高値をわずか2銭ですが更新しています。
先週末に約2ヵ月ぶりに最高値を更新しましたが、特徴的なのは「更新幅」がわずかなことと、
そのスピードも緩やかだと言うことです。
さらに、ここ3回の高値更新は全て海外市場で記録され、そして全て76円台に戻して引けていることです。
このことから、円の先高観は根強いものの、相当な警戒感もあり投機筋の利ザヤも小幅に売買されていることが推測されます。
市場には「ドル円は70円を目指す、いや長期的には50円もある」といった、円対するに強気な意見も散見されますが、
「そろそろいい水準に来た」と観て、新規のドル買いを入れる人や、ショートポジションをクローズする人がいることも事実で、
このあたりの相場観や介入警戒感が相場の動きを緩やかにしているようです。
特に海外が引けて、東京市場でもし介入が実施されれば、2〜3円くらい持っていかれる可能性もあり、75円台で
ショートポジションを維持するリスクはかなり高いものと思われます。
ただ、昨日の東京市場でも76円前後の相場は確認されており、それでも市場介入が実施されなかったことから、
市場の介入警戒感はやや薄れています。
一部には「介入は行われないのではないか」との観測も出てきております。
本欄でもたびたび「過度の介入期待感は禁物です」と記述してきましたので、この水準で介入が実施されないことは「想定内」です。
ただし、介入警戒感は引き続き非常に高いと考えます。
政府・日銀としても介入の効果を最大限高めるため、そのタイミングを狙っているものと思われます。
為替が大きく変動するイベントが控えており、その前に動きにくいこともあります。
今朝方まで続いているEUの首脳会議を観たいとの雰囲気もあります。また、来週にはFOMCがあり、追加緩和が実施される
可能性もあり、実施されたらドル安が進むことも考えられ、FOMC前に動くことは得策ではないとの見方もできます。
さらにそのすぐ後には「G20」首脳会議も開催されることになっています。
これらに加え、上述のように円高へのスピードが緩やかです。「過度の相場変動には」との趣旨には合致していません。
短時間で一気に円高に振れるような展開があれば、介入が実施されることになろうかと思いますが、
一方で、「口先介入」にもそろそろ限界がでてきています。
「断固たる措置を」との文言もやや色あせてきており、発せられた後の市場の反応も徐々に鈍くなっています。
市場の円先高観が強い中、先週まで続いていた77円を挟む展開が、今度は76円を挟む展開に変わった可能性があります。
米追加緩和期待が高まっていることから、FOMCメンバーからの発言が非常に注目されますが、75−76円の相場に目が慣らされる
ことに警戒したいと思います。
注目のEU首脳会議ではひとまず、欧州銀行への資本増強では合意に達しました。
しかし、まだ欧州金融安定基金(EFSF)の規模拡大と資金調達の方法、それにギリシャ国債の評価にともなう民間銀行の
負担割合については合意に至っていません。
ユンケルEU議長は「ある程度まとめる必要がある」と記者団に語っているようですが、今朝のブルームバーグでは
独仏首脳とIMFのラガルド専務理事、ファンロンパイEU大統領、がギリシャの債務減免を巡って国際金融協会のダラーラ専務理事と
協議をするためユーロ圏首脳会議を抜けたと報じています。
民間金融機関が加盟する国際金融協会の責任者との協議に臨んだことは、負担割合いを巡る最終合意が近いことを連想させます。
ユーロドルはEU首脳会議では解決策合意への期待を背景に底堅い動きを続けています。
しかし、1.39台半ばから1.40の水準が壁になっており抜けきれません。
この水準を抜け、しっかり1.40台に乗せてくれば一段の上昇も望めそうですが、域内銀行の資本増強に伴う「貸し渋り」などで
景気への悪化も想定されます。
債務問題以外にもユーロ売り材料が控えていることから、ユーロの下落リスクは頭に入れておきたいと思います。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 10/3 | ミヒヤエル・フック 独キリスト教民主同盟(CDU)の幹部 | 「ギリシャが債務を全額返済できる可能性があるとは思わない」アイルランドの公共放送とのインタビューで。 | ---- |
| 10/4 | バーナンキ・FRB議長 | 「景気回復は現在、腰折れに近い状態にある。われわれは景気後退に逆戻りしないようにする必要がある。また、確実に失業率の低下が続くようにしなければならない」議会で。 | 株価が急反発。ユーロドル1.32台から→1.33台半ばに |
| 10/9 | サルコジ・仏大統領 | 「銀行の資本増強では、ドイツと完全に一致している」独仏首脳会談後の記者会見で。 | ユーロドル1.34台後半から→1.36台後半に |
| 10/12 | バローゾ・欧州委員会委員長 | 「最も質の高い資本で構成する自己資本比率の相当大きな引き上げをしなければならない」欧州議会で。 | ユーロドル1.36台から1.38台への急伸に拍車。 |
| 10/17 | メルケル・独首相 | 「月曜日には全てが完了しているという夢物語がまたしても根を張りつつあるが、その夢の実現は不可能だ」との見方を首席報道官が記者会見で。 | ユーロドル1.38半ば台から1.37台半ばへ下落。 |
| 10/20 | ピアナルト・クリーブランド連銀総裁 | 「われわれが現在抱える失業問題でとくに厄介な点は、多くの個人の失業状態の長期化だ」「高失業率の最も大きな理由は、消費者と企業、政府の支出がなお低迷していることだ」 | ---- |
| 10/21 | イエレン・FRB副議長 | 「失業と金融混乱の悪影響を受ける米景気の浮揚に必要なら、量的緩和第3弾(QE3)が正当化されるかもしれない」デンバーでの講演で。 | 株価が急反発。ドル円75円78銭の最高値を記録。ユーロドル1.37台から→1.39に |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)
What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)
What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)



