今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年11月1日(火)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は昨日の午前中に政府・日銀が市場介入に踏み切ったことで
    一時79円53銭まで下落。一気に4円以上「ドル高円安」に振れる。
  • 海外市場に入ると再び円を買う動きが活発となり、円はジリ高に。
    海外市場でも介入を継続するのではないかとの見方もあったが、その形跡
    もなかったことで、欧州市場では77円半ばまでドル安に振れたが、
    NYでは78円を挟みを小動き。
  • ユーロドルは介入でドル高が進んだこともあり、急落。アジアでは1.40
    台を挟む動きだったものの、ユーロ圏の失業率の悪化と、米大手金融MFグローバル
    の破たんを材料に1.38台前半まで大幅に下落。
  • 米株式市場は大幅に下落。大手金融会社のMFグローバルの破たんや、ギリシャの
    パパンドレウ首相が、新たな融資計画を国民投票で問うべきだとの認識を示したことが
    嫌気され、ダウは276ドルの大幅安に。
  • 債券相場は株価の下落に伴い大幅に買われる。米経済指標も市場予想より悪化しており
    逃避先として債券に資金が還流。10年債利回りは2.1%台まで低下。
  • 金、原油はともに続落。ただ、原油価格の下落幅は小幅で、依然として93ドル台を
    維持。
  • 10月シカゴ購買部協会景気指数 → 58.4



ドル/円77.88 〜 78.35
ユーロ/ドル1.3830 〜 1.4028
ユーロ/円108.11 〜 109.77
NYダウ−276.10 → 11,955.01ドル
GOLD−22.00 → 1,725.20
WTI−0.13 → 93.19ドル
米10年国債−0.210→ 2.112%


本日の注目イベント

  • 日   日銀金融政策決定会合議事録要旨(10/6.7日分)
  • 豪   豪第3四半期住宅価格指数
  • 豪   RBAキャッシュターゲット
  • 中   中国10月製造業PMI
  • 中   中国10月HSBC製造業PMI
  • 欧   ドラギ氏第3代ECB総裁に就任
  • 英   英10月製造業PMI
  • 英   英7−9月期GDP
  • 米   10月ISM製造業景況指数
  • 米   10月自動車販売








昨日の朝10時25分、政府・日銀は市場介入に踏み切りました。


ドル円は75円60銭近辺から一気に78円台まで急上昇し、一旦は77円台に戻す場面もありましたが、そこから


昼にかけては79円50銭まで「力」でドルを押し上げる格好で迫力十分でした。


約4円の円安水準への介入は政府・日銀の本気度も感じ取れる、大規模な市場介入だったようです。


安住財務大臣は会見で「納得いくまで介入させてもらう」とまで言いきっており、この言葉が海外市場でも継続的に


介入するのではないかとの観測に繋がったと思われます。





後場に入るとドル円は79円20銭で張り付いたまま全く動かず、日銀が79円20銭で「ビッド」を置き、その水準から


「円高方向に行かせない」という意思を市場に示した格好でした。


介入規模も後場は「固定相場」だったことで膨らんではいないと思われますが、前場では相当な規模に上った模様です。





しかし、海外市場に入るとドル円はジリジリと値を下げ、「これまでの介入と同様、効果は限定的」との見方も出て、ドル円は78円を


割り込む水準まで下落、77円半ばまで円が買われました。


この水準は、昨日の介入で持ち上げられた値幅の「半値戻し」の水準であると同時に、


これまでドルの反発局面で何度も試して抜けなかった重要なポイントでもあります。


海外市場ではドルが再び下落したとは言え、この「水準を維持できた」ことで今回の介入には一定の効果があったと言えます。





ドル円は先週まで何度も最高値を更新し、「いつ介入してもおかしくない」状況でした。


しかし、それでも動かない当局に対して市場ではややあきらめムードも広がっていたように思います。


そんな中、介入に踏み切らせたのは昨日の早朝の円急騰劇でした。


ドル円は市場参加者の少ない時間帯を狙って、一時75円32銭まで急騰しました。


これまでは5ー10銭の値幅で最高値を更新していたものが、一気に30銭以上も円高に振れ、75円の「重要な節目」が見えてきた


ことが「当局を突き動かした」とも言えそうです。





今年3度目の介入は近いと観ていましたが、あるとすれば当局はサプライズを伴った介入を模索しているのでは、と考えていました。


昨日の介入ではサプライズはありませんでしたが、投機筋のポジションの偏りもかなり膨らんでいたという点では、


絶好のタイミングだったように思えます。


間もなく、米国ではFOMC、欧州では政策委員会が開催され、さらに円高が進む可能性が取り沙汰されていました。


一旦円高に振れ75円台を割り込んだらさらに円高が急速に進む可能性があったことから、


政府・日銀は「先制攻撃」をかけたとも言えそうです。





問題はここからの相場展開です。


これまでのように、安易に円を買えばいいというわけにはいかないのではないかと思います。


政府・日銀が引き続き円高局面では介入するのかどうかが最大の焦点になります。


その意味では上記77円50銭が重要なポイントになりそうです。この水準を割り込むと再び介入してくる可能性がありそうです。


個人的には、今回の介入スタンスはこれまでの3回の介入とは異なるものと考えています。


それはドル円の水準です。繰り返しになりますが75円というレベルは非常に重要なレベルで、通貨当局もここは死守したいと考えている


のではないかと思えるからです。


このままドルが大きく反転する可能性は極めて少ないとは思いますが、米経済指標の改善傾向なども考えると、今後しばらくもみ合って


ドル反発の「一つのきっかけ」であったと振り返る日がくるのではないでしょうか。


いずれにしても当局の介入姿勢を見極めて、同時に市場の反応も注意深く観たいと思います。





ユーロドルが予想通り下落してきました。


しかも、下落の理由も「欧州景気の悪化」と想定内の動きです。


ユーロ圏10月の消費者物価指数(CPI)は低下予想に反して9月と同じ3%でした。また9月の失業率は10.2%と、


11ヵ月ぶりの高水準です。スペインの失業率に至っては22.6%まで上昇しています。


今後緊縮財政を余儀なくされている欧州の景気後退は、さらに拡大していく可能性が高いと思われます。


ユーロドルは先週の高値からすでに400ポイント下落し1.38台前半です。


1.38台を割り込むと1.3760、さらに1.3675(4時間足)あたりまで下落が見込まれそうです。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
10/3 ミヒヤエル・フック 独キリスト教民主同盟(CDU)の幹部 「ギリシャが債務を全額返済できる可能性があるとは思わない」アイルランドの公共放送とのインタビューで。     ----   
10/4 バーナンキ・FRB議長 「景気回復は現在、腰折れに近い状態にある。われわれは景気後退に逆戻りしないようにする必要がある。また、確実に失業率の低下が続くようにしなければならない」議会で。 株価が急反発。ユーロドル1.32台から→1.33台半ばに
10/9 サルコジ・仏大統領 「銀行の資本増強では、ドイツと完全に一致している」独仏首脳会談後の記者会見で。 ユーロドル1.34台後半から→1.36台後半に
10/12 バローゾ・欧州委員会委員長 「最も質の高い資本で構成する自己資本比率の相当大きな引き上げをしなければならない」欧州議会で。 ユーロドル1.36台から1.38台への急伸に拍車。
10/17 メルケル・独首相 「月曜日には全てが完了しているという夢物語がまたしても根を張りつつあるが、その夢の実現は不可能だ」との見方を首席報道官が記者会見で。 ユーロドル1.38半ば台から1.37台半ばへ下落。
10/20 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁 「われわれが現在抱える失業問題でとくに厄介な点は、多くの個人の失業状態の長期化だ」「高失業率の最も大きな理由は、消費者と企業、政府の支出がなお低迷していることだ」     ----    
10/21 イエレン・FRB副議長 「失業と金融混乱の悪影響を受ける米景気の浮揚に必要なら、量的緩和第3弾(QE3)が正当化されるかもしれない」デンバーでの講演で。 株価が急反発。ドル円75円78銭の最高値を記録。ユーロドル1.37台から→1.39に

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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和