2011年11月17日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 上値の重い展開が続くドル円は76円台後半まで下落するものの、
結局77円台に押し戻され一進一退。 - ユーロドルは欧州各国の国債価格の行方を反映し荒っぽい展開が続く。
欧州時間の朝方はイタリア国債などが反発したことを受けユーロ買い戻しが優勢。
一時1.35台半ばまで上昇したものの、フランス国債などが下落に転じると
再びユーロ売りが強まり1.34台半ばまで下落。欧州債務危機の拡大懸念が
徐々に強まる展開に。 - 株式市場は大幅に反落。引けにかけて格付け会社フィチが、欧州債務危機の
さらなる拡大は米銀のリスクになるとの見解を示したことが嫌気された。
ダウは190ドル下げ1万2千ドル台を割り込む。 - 債券相場は小幅に反発。欧州債務問題が拡大する気配を見せていることから
米国債への需要が高まった。 - イタリアではモンティ新内閣が発足。閣僚全員が政治家以外から選ばれ
財政問題に取り組む姿勢はみせたものの、その成果は不透明。 - 独メルケル首相は、EUの関係機関を強化し財政規律引き締めを監視する必要が
あるとの認識を示す。 - 金は反落、原油価格は大幅に続伸し、一気に102ドル台に乗せ
高値で引ける。原油在庫が先週比減少していたことなどが背景。 - 10月消費者物価指数(CPI) → −0.1%
- 10月鉱工業生産 → +0.7%
- 10月設備稼働率 → 77.8
- 11月NAHB住宅市場指数 → 20
| ドル/円 | 76.92 〜 77.08 |
| ユーロ/ドル | 1.3452 〜 1.3553 |
| ユーロ/円 | 103.63 〜 104.37 |
| NYダウ | −190.57 → 11,905.59ドル |
| GOLD | −7.90 → 1,774.30 |
| WTI | +3.22 → 102.59ドル |
| 米10年国債 | −0.045 → 2.004% |
本日の注目イベント
- 豪 スティーブンス・RBA総裁講演
- 独 ショイブレ・独財務相講演
- 米 10月建設許可件数
- 米 10月住宅着工件数
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 11月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
引き続きユーロドルが欧州のソブリンリスクを意識しながら神経質な展開を見せています。
アジア時間に1.34台まで下落し上値の重い展開を見せていたユーロドルは、欧州時間に入ると一転して上昇し、
1.35台半ばまで買い戻されました。
スペイン、イタリアなどの国債が買い戻され(金利は低下)、最も安全なドイツ国債が売られたことで「リスク回避」の流れがやや後退
したことに反応したものでした。
しかし、その後ユーロの買いが一巡し、上記国債に加え、フランス、オランダなど「AAA」(トリプルA)格を保有する国の国債も
下落に転じたことから再びユーロ売りが再燃し、あっさり1.35台を割り込む展開でした。
足元ではユーロドル、ユーロ円はもとより、ほぼその他の主要通貨も欧州債務問題の行方に左右される展開です。
すなわち、イタリア、スペインなどの国債が売られるとユーロドルが売られ、ユーロ円も下落します。
すべての為替ディーラーが欧州国債の動きを睨んで売り買いしているという状況です。
あるいはもっと大げさに言えば、全ての金融市場が欧州国債の影響を受けていると言ってもいいかもしれません。
昨日の日銀総裁の記者会見でも「最大のリスクは欧州債務問題だ」という発言にも表れていました。
その欧州債務問題は収束の兆しを見せるどころか、むしろ拡大する気配を見せています。
イタリア、スペインに加え、昨日はフランス、オランダ、オーストリアなどの比較的安全な国債までも売られ、さらに域内債務国への
セーフティーネットである欧州金融安定基金(EFSF)が発行する債券までも「標的」にされています。
ギリシャから始まった債務問題はこれまで抜本的な解決策を講じず、
「時間稼ぎ」に終始してきたツケがここにきて一気に回ってきた感じもします。
欧州債務問題は、これまでで最も危機的状況になってきたともいえます。
この状況ではさすがに欧州の盟主であるドイツのメルケル首相は、
「ドイツはユーロが維持、防衛されることを市場と世界に示す必要性を認識しており、国家主権の一部を移譲する用意がある」と、
ベルリンの共同記者会見で述べています。
一向に収まらない債務危機に業を煮やし、EFSFなど関係機関により強固な権限を与え、
多債務国の財政を監視させようというものです。
また、これに歩調を合わせるようにバローゾ欧州委員長も、
そういった機関に該当国の予算を監視できる権限を与えるべきとの認識を示しています。
ユーロドルは一旦1.34台半ばで下げ止まってはいるものの、既に「日足」では一目均衡表の「逆転」は完成し、
「雲」の下限を下抜けしています。
現在「週足」の雲にサポートされている状況ですが、この水準を下抜けすると一段と下落が加速すると観ています。
1.34台を維持できるかどうかが目先のポイントになろうと思います。
仮に1.34台を割り込んだ場合には1.3320前後までの下落が予想されます。
ここには「月足」の100日移動平均線があり、今年1月のユーロ急落時以来の水準となります。
ユーロ円はほぼユーロドルの動きを反映しているため、
ユーロドルがもう一段下落すると101円台程度の水準が観られるのではないかと思われます。
欧州にとっても現在の状況は正念場ですが、通貨ユーロにとっても正念場となりそうです。
本日もフランスとスペインでは国債の入札が予定されています。
従って、欧州時間に入ったら再びユーロの荒っぽい展開が予想されます。
資金管理には万全の注意が必要なことは言うまでもありません。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 11/2 | バーナンキ・FRB議長 | 「失業率は高すぎる。経済は望まれるような進展を見せていないとの見解に心から賛同する」FOMCで追加緩和を見送った後での記者会見で。 | ---- |
| 11/2 | メルケル・独首相 | 「国民投票はまさにギリシャがユーロ圏に留まりたいかどうかをイエスかノーで問うものだ」記者団に。 | ---- |
| 11/11 | イエレン・FRB副議長 | 欧州の債務危機を鎮静化させるためには「欧州指導者の力強い行動が必要」講演で。 | ---- |
| 11/11 | シュタルク・ECB理事 | 「政策金利がゼロ%に近い米国や英国、スイスの中央銀行と比べてECBには政策金利を動かす余地がなお残されている」スイス紙とのインタビューで。 | ---- |
| 11/14 | フィッシャー・ダラス連銀総裁 | 「われわれが向かっている方向は明るい」「一段の緩和を予想しないことにさらに違和感が無くなっている」講演で。 | ---- |
| 11/16 | メルケル・独首相 | 「ドイツはユーロが維持、防衛されることを市場と世界に示す必要性を認識しており、国家主権の一部を移譲する用意がある」ベルリンの共同記者会見で。 | ---- |
| 11/16 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「金利は既に低水準にあるため、さらなる政策行動は経済に全く影響を及ぼさない、というのはよくある思い違いだ。実際に、統計分析ではその逆が示されている」講演で。 | ---- |
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