今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年11月28日(月)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

欧州/NY市場

  • イタリア国債の入札不調やベルギー国債の格下げを材料に、ユーロドルは
    下げ足を速め、一時1.3213まで下落。前日の安値から100ポイント
    以上の下落を記録。
  • 「ユーロ安ドル高」が進んだことに加え、東京市場で日本の国債が売られ、
    長期金利が上昇したことで円売りを誘発。ドル円は一時77円79銭まで下落し
    円の安値圏で引ける。
  • IMFがイタリアの債務危機が悪化した場合に備え、6000億ユーロ
    (約62兆円)の支援を準備していると、イタリアのスタンパ紙が伝えたことで
    今朝のオセアニア市場ではユ−ロが大きく上昇して始まり、「窓開け」が示現。
  • 米国株は欧州債務懸念から7日続落。ダウは前日比25ドル安の1万1200ドル
    台と約1ヵ月半ぶりの安値に。
  • 債券相場は反落。前日までに金利が大幅に低下(価格は上昇)していたことから、
    利益確定の売りに押された格好。
    価格は下落し、10年債利回りは1.96%台に。
  • 金価格は小幅に続落し、原油は小反発。



ドル/円77.52 〜 77.79
ユーロ/ドル1.3213 〜 1.3298
ユーロ/円102.53 〜 103.18
NYダウ−25.77 → 11,231.78ドル
GOLD−10.20 → 1,685.70
WTI+0.60 → 96.77ドル
米10年国債+0.079 → 1.960%


本日の注目イベント

  • 欧   ユーロ圏10月M3
  • 欧   ファンロンパイ・EU大統領、バローゾ欧州委員長、オバマ大統領と会談
  • 独   独12月GFK消費者信頼感指数
  • 独   独11月消費者物価指数(確報値)
  • 米   10月新築住宅販件数








イタリアのスタンパ紙が、IMFはイタリアの債務危機が悪化した場合に備えて、6000億ユーロ(約62兆円)の


支援を準備しているとの報道に、早朝のオセアニア市場ではユーロドルが先週末のNYクローズから約100ポイントも


上昇しています。


同紙によれば、モンティ首相は計画している財政緊縮措置で同国債務への憶測をおさえることができなければ、資金を利用する


可能性があると伝えており、その際の金利は4−5%で、4000億ー6000億ユーロになる公算があるとも伝えています。


この報道を受け、ユーロドルは朝方1.3340近辺まで買い戻され「窓あけ」を実現させています。





イタリアでは先週末、国債入札が不調に終わり、6ヵ月債が6.5%、2年債が7.8%と、いずれもユーロ導入後の最高値を


記録し、今後の財政運営では益々厳しさを増すと予想されます。


このため、ユーロドルは節目の1.33台を大きく割り込み1.32台前半まで下落しました。





また欧州危機はユーロ圏内だけに留まらず、ハンガリーでは格下げをきっかけに通貨が大幅安となり、国債利回りは10%に近い水準


まで売られてことで、同政府はIMFに資金支援を要請しています。


欧州債務問題の深刻化でユーロ圏をけん引するドイツ国債までも売られ、さらに周辺国の国債の格下げも相次ぐなど、いよいよ最終章に


入った感があります。


機関投資家や銀行などが欧州債券を保有しているだけで評価損が膨らむ状況に、一斉に欧州債を手放していることも債券価格の下落に


拍車をかけていると言えます。





そんな状況の中で非常に厳しい状況に陥っているのが、イタリアとスペインです。


イタリアの10年債利回りは既に7.3%に近い水準で、スペインも6.6%台と高止まりしています。


イタリアでは週明けの本日と明日にも3年債や10年債の入札があり、スペインでも12月1日には3年債の入札が控えており、


両国国債価格の行方がユーロに大きな影響を与えるため、「今週の最大のイベントの一つ」と考えられます。


仮に入札が不調に終わると、さらに債券が売られ、ユーロの下落に繋がります。


IMFの資金援助の可能性も決してないとは言えない状況です。





先週末のNY市場では、ドル円が77円79銭まで上昇しました。この水準はちょうど「日足」の120日移動平均線にぶつかり


頭を押さえられた格好になりましたが、120日移動平均線をテストすること自体、10月末の介入後初めてのことになります。


介入後3−4日は78円前後で推移していましたが、この時は上値が重く「どこまで下落するのかをテスト」している状況でしたが、


今回は「上値がどこまであるのかをテスト」する動きと観られます。


先週末の債券市場で日本の国債が売られ、10年利回りが1.03%まで上昇(価格は下落)したことで、「日本売り」の連想が働いたことが


きっかけだったようです。


ただ、日本の国債は欧州債のように海外の投資家の保有額は少なく、海外の投資家が積極的に売りに走るという様な事態は考えにくいと


思います。


問題は格下げになった場合、大量の国債を保有する日本の大手銀行が売りに回った時には利回りが大きく跳ね上がり、ドル円でも円安が


加速すると観られますが、少なくとも足元ではそのような状況ではありません。





先週半ばあたりから「77円台が定着」してきたドル円ですが、まだ下落のリスクはあると思います。


78円台にしっかり乗せ、79円半ばを抜けるようなら「日足」でも200日移動平均線を上抜けし、市場介入以外では


今年に入ってほとんど抜けていない「雲」も抜けることになり、「ドル安反転」の第一歩となる可能性はありますが、道のりは


まだ遠いと思われます。ドル反転には先ずは77円台キープが重要な要件となり、ここはしっかりと見極める必要があります。















What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/2 バーナンキ・FRB議長 「失業率は高すぎる。経済は望まれるような進展を見せていないとの見解に心から賛同する」FOMCで追加緩和を見送った後での記者会見で。     ----   
11/2 メルケル・独首相 「国民投票はまさにギリシャがユーロ圏に留まりたいかどうかをイエスかノーで問うものだ」記者団に。     ----   
11/11 イエレン・FRB副議長 欧州の債務危機を鎮静化させるためには「欧州指導者の力強い行動が必要」講演で。     ----   
11/11 シュタルク・ECB理事 「政策金利がゼロ%に近い米国や英国、スイスの中央銀行と比べてECBには政策金利を動かす余地がなお残されている」スイス紙とのインタビューで。     ----   
11/14 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「われわれが向かっている方向は明るい」「一段の緩和を予想しないことにさらに違和感が無くなっている」講演で。     ----   
11/16 メルケル・独首相 「ドイツはユーロが維持、防衛されることを市場と世界に示す必要性を認識しており、国家主権の一部を移譲する用意がある」ベルリンの共同記者会見で。     ----   
11/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「金利は既に低水準にあるため、さらなる政策行動は経済に全く影響を及ぼさない、というのはよくある思い違いだ。実際に、統計分析ではその逆が示されている」講演で。     ----   
11/17 ダドリー・NY連銀総裁 「仮に追加的な資産購入が適切な措置ということになれば、その多くをMBSを通じて実行することは理にかなっている」」講演で。     ----   
11/24 メルケル・独首相 「金利のかい離を無視することは、全く誤ったシグナルとなる。金利差はどこで一段の取り組みが必要かを示す指標だからだ」独仏伊トップ会談後の記者会見で。     ----   

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和