今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年11月29日(火)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

欧州/NY市場

  • 欧州財務相会合では何らかの対策が打ち出されるとの観測強まり
    欧米株式市場が軒並み大幅に反発。そのためリスク回避の流れが後退し、
    円とドルが売られる展開に。
  • ドル円は78円台に乗せ、一時78円24銭まで上昇。約3週間ぶりの
    水準まで円安が進む。
  • ユーロドルも底固い動きから、独経済指標の好転などを材料に1.34目前まで
    上昇。しかし、その後IMFはイタリア紙が報じた同国への資金支援を否定したことから
    ユーロ売りが加速し、100ポイントの下落を見せ安値圏で引ける。
  • 円安が進んだことで、豪ドル円などのクロス円は総じて上昇。豪ドル円は約10日ぶりに
    77円台まで反発。
  • 株式市場は大幅に反発。NYダウは8日ぶりに上昇し全面高の展開に。
    「ブラック・フライデー」での小売売上高が最高だったことや、欧州危機が一旦後退する
    との観測からダウは291ドル高で引ける。
  • 債券相場は小幅に下落し、10年債利回りはやや上昇。欧州首脳陣による取り組みを
    見極めたいとの雰囲気が優勢に。
  • 金、原油は大幅に続伸。金価格は1700ドル台を回復。
  • 10月新築住宅販件数 → 30.7万件



ドル/円77.72 〜 78.24
ユーロ/ドル1.3294 1.3396
ユーロ/円103.68 〜 104.50
NYダウ+291.23 → 11,523.01ドル
GOLD+25.10 → 1,710.80
WTI+1.44 → 98.21ドル
米10年国債+0.002 → 1.972%


本日の注目イベント

  • 日   10月失業率
  • 欧   ユーロ圏財務相会合
  • 欧   ファンロンパイ・EU大統領、傳中国外務次官講演
  • 欧   11月ユーロ圏景況感指数
  • 独   10月独小売売上高
  • 米   9月ケース・シラー住宅価格指数
  • 米   11月消費者信頼感指数
  • 米   イエレン・FRB副議長講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演








ドル円が底堅い動きを見せています。


昨日の海外市場では、節目の77円80銭を完全に抜け、78円24銭までドル高がすすみました。


欧米の株価が大幅に反発したことで「リスク回避」の流れが後退、これまで売りこまれていた株式に資金が流れ


市場全体に「円売り、ドル売り」が起き、先週までの動きの巻き戻しがでたことが背景のようです。





約3週間ぶりに78円台に乗せたドル円はNY引値でも78円台前後でした。昨日も書いたように、「日足」では既に


雲を上抜けし、昨日の上昇で「120日移動平均線」も抜けています。注目されるのはこの先「200日移動平均線」を


抜くことができるかどうかに移ります。


現在「200日移動平均線」は79円35銭辺りにあるため、この水準からさらに1円以上の上昇が必要です。


しかも、この水準は10月31日に政府・日銀が大規模介入を実施し、ドルを力づくで押し上げた際の高値にも


近いことから、そう簡単に抜けるとも思えません。


また、78円から79円にかけては実需のドル売りも出易い水準です。


今後円の先高観が急速に後退し、「ドル高傾向」が確認されるような状況になれば、輸出企業などはドル売りを急ぐ必要も無くなり、


むしろ反対に、輸入企業が早めにドル買いを実施する「リーズ・アンド・ラッグズ」が起こることも考えられますが、現時点では


そのような状況ではありません。





一方、ドルの下値も固まってきつつあります。


市場介入以外で、いわば自然な流れとして78円台に乗せたことは今後の展開にやや期待がもて、円の先高観も後退しつつあります。


今後も欧州での財務相会合、週末の米雇用統計やそれに絡む追加緩和観測など、波乱要因は残っています。


ここは、ある程度利益が出るものは利益を確定し、次の展開を見極めることが重要かと思います。


下値のメドは77円60−70銭辺りと見ていますが、上値は日経平均株価の上昇を材料にどこまでドル買いが進むかに


注目です。特にNY市場でのドル高値である、78円20−25銭が抜けるかどうかに関心が集まります。





ユーロドルは昨日のアジア市場では「窓開け」を見せながら上昇し、欧州市場では1.34台迫る水準までユーロ買い戻しが


進みました。しかしIMFは、イタリア紙が伝えた「IMFがイタリアに6000億ユーロ(約62兆円)の資金支援を検討している」との


報道について「協議は行ってない」と否定したことで、再び下落しています。


ただ、IMFがEUと歩調を合わせ何らかの行動を取る可能性は十分考えらえます。


本日行われるユーロ圏財務相会合に向けて、メルケル首相の報道官は「ドイツは条約改正について、意欲的なスケジュールで


作業をしている。欧州は永遠に待っていることはできないし、一部から見れば驚きのスピードで限られた変更を実現することは


可能はなずだ。」と語っており、ショイブレ独財務相も「重要なシグナルを市場に送ることになる」とのコメントを残しています。


(ブルームバーグ)





このため、市場ではユーロ危機を封じ込めるための行動を取るとの観測が高まっており、これが昨日の欧州各国の国債安定化に


寄与したようです。


それでも昨日のイタリア国債の入札では、発行額は目標上限の7億5千万ユーロを下回り、利回りは7.3%でした。


昨日の入札は、2023年9月償還の「インフレ連動債」でしたが、前回の「インフレ連動債」の入札は2010年3月で、当時の


利回りは2.19%だったことを考えると、調達コストは大幅に上昇しています。今後財政再建に向けた緊縮予算を進める上で


「金利負担」が大幅に増えることは明白です。





イタリアでは今夜も10年債と3年債で最大80億ユーロ(約8300億円)の入札を控えています。


ユーロ圏財務相会合での具体的な対応策の内容と、


イタリア国債の入札結果を睨みながらユーロが神経質な動きをすることが予想されます。


基本的には戻りを売るスタンスでいいと思いますが、1.34台半ばから1.35台半ばでは「4時間足」の雲が位置していることから、


大きく値を戻した場合でも、このあたりがショートメイクのゾーンと考えています。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/2 バーナンキ・FRB議長 「失業率は高すぎる。経済は望まれるような進展を見せていないとの見解に心から賛同する」FOMCで追加緩和を見送った後での記者会見で。     ----   
11/2 メルケル・独首相 「国民投票はまさにギリシャがユーロ圏に留まりたいかどうかをイエスかノーで問うものだ」記者団に。     ----   
11/11 イエレン・FRB副議長 欧州の債務危機を鎮静化させるためには「欧州指導者の力強い行動が必要」講演で。     ----   
11/11 シュタルク・ECB理事 「政策金利がゼロ%に近い米国や英国、スイスの中央銀行と比べてECBには政策金利を動かす余地がなお残されている」スイス紙とのインタビューで。     ----   
11/14 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「われわれが向かっている方向は明るい」「一段の緩和を予想しないことにさらに違和感が無くなっている」講演で。     ----   
11/16 メルケル・独首相 「ドイツはユーロが維持、防衛されることを市場と世界に示す必要性を認識しており、国家主権の一部を移譲する用意がある」ベルリンの共同記者会見で。     ----   
11/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「金利は既に低水準にあるため、さらなる政策行動は経済に全く影響を及ぼさない、というのはよくある思い違いだ。実際に、統計分析ではその逆が示されている」講演で。     ----   
11/17 ダドリー・NY連銀総裁 「仮に追加的な資産購入が適切な措置ということになれば、その多くをMBSを通じて実行することは理にかなっている」」講演で。     ----   
11/24 メルケル・独首相 「金利のかい離を無視することは、全く誤ったシグナルとなる。金利差はどこで一段の取り組みが必要かを示す指標だからだ」独仏伊トップ会談後の記者会見で。     ----   

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和