今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年12月6日(火)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ユーロドルは独仏首脳会談への期待感から買われ1.34台後半まで
    上昇したものの、格付け会社S&Pがユーロ圏各国の格付けを引き下げる方向で
    見直すと発表したことを受け急落。一時1.33台後半まで売られるなど、
    荒っぽい展開が続く。
  • ドル円は78円台が重い展開から、77円台後半での取引に終始し動かず。
  • 独仏首脳はパリで会談し、財政規律強化などを含む案を共同でファンロンパイ
    EU大統領に提出することで合意。
  • 株式市場は続伸。ユーロ圏各国の格下げの可能性があるとの報道にも
    かかわらず株価は堅調。欧州債務危機が縮小に向かうとの楽観的な見方から
    ダウは78ドル高と、この日の高値圏で引ける。
  • 債券は小幅に反落。独仏会談後に大きく売られたが、その後に買い戻しも入り
    前日比小幅安。長期金利は2.04%台に。
  • 金は反落。原油は前日とほぼ同水準の101ドル近辺。
  • 11月ISM非製造業景況感指数 → 52.0



ドル/円77.70 〜 78.00
ユーロ/ドル1.3375〜 1.3486
ユーロ/円104.00 〜 104.98
NYダウ+78.41 → 12,097.83ドル
GOLD−16.80 → 1,734.50
WTI+0.03 → 100.99ドル
米10年国債+0.009 → 2.042%


本日の注目イベント

  • 豪   RBAキャッシュターゲット
  • 欧   ユーロ圏7−9月期GDP(改定値)
  • 米   タルーロ・FRB理事証言
  • 加   カナダ中銀政策委員会
  • 加   カナダ10月住宅建設許可








週後半に開催されるEU首脳会談に先立ち、欧州の大国であるドイツとフランスのトップによる話し合いが行われましたが、


欧州債務危機問題を根本的に解決する「妙案」には至りませんでした。


会談では、独仏が財政赤字規則に抵触するメンバー国への自動制裁を支持し、債務上限をユーロ圏諸国の憲法に盛り込むことを


共同で提案しています。


財政問題で揺れている国に対する支援では、独仏両国の負担が大きいことは理解できても、一国の憲法にまで踏み込もうとする


今回の合意に、はたして域内の国々がすんなり賛成するのかどうか不透明です。





また、今回の共同提案では財政規律の厳格化に重点はおかれたものの、ユーロ共同債の発行などの債務問題の抜本的な解決策には


触れていません。


そのため市場では「時間稼ぎの域を出ていない」との印象が強く、ユーロの下落圧力は取り除かれてはおらず、


ユーロドルが1.34台後半から100ポイント下落する一つのきっかけにもなったようです。


独仏共同での会見では、サルコジ大統領がメルケル首相に説得された印象を受けました。


サルコジ大統領は「フランスとドイツはユーロ共同債に完全に反対だ。なぜならばそれはこの危機の解決策にならないからだ」と


コメントしており、ドイツサイドに歩み寄った感は否めません。





財政問題が長引いていることから、格付け会社のS&Pはユーロ圏15ヵ国の格付けを引き下げ方向で見直し、ドイツとフランスも


「AAA」(トリプルA)格付けを失う可能性があると発表しています。


ユーロ圏諸国の一斉格下げの可能性は、イギリスのフィナンシャル・タイムズ(FT)が、先に報道していたため、市場への影響は限定的


でしたが、S&Pは9日のEU首脳会議の結果次第では格下げする可能性があると説明してます。





8−9日に行われるEU首脳会議での内容がさらに重要になってきました。


財政規律の厳格化が承認されないとなると、上述のように格下げのリスクが高まり欧州から「AAA」の国が消えることになります。


その結果、欧州問題はさらに深刻さを増すことから、EU首脳会議での独仏の説得がカギになりそうです。





FOMCのメンバーの中で「ハト派」の代表格であるシカゴ連銀のエバンス総裁は、昨日の講演で「追加緩和は不可欠」との


考えを改めて強調しました。


同総裁は「インフレ率が中期的に3%を超えない限りは、


失業率が低下するまで政策金利を異例な低水準に据え置くとの方針をFOMCが


表明すべきだ」と語っており、先のブラード・セントルイス連銀総裁の考えに真っ向から反対の立場取っています。


来週には今年最後のFOMCが開催されます。このところの米経済指標の好転を考えると政策変更はないと予想しますが、


「ハト派」が主流を占めるFOMCでは追加緩和(QE3)の可能性は常にくすぶり続けます。





ドル円は78円を挟み膠着しそうな気配です。


78円台では売り買いとも動意をみせず、ユーロの動きに影響を受け若干上下している状況です。


来週いっぱいまでこのような状況が続くと、海外市場はクリスマス休暇入りしてしまうため、この水準で「越年」する可能性もあります。


77円50銭−78円50銭のどちらも抜けない相場展開が続きそうです。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
12/1 キング・イングランド銀行総裁 「根底にある原因を解決せず、銀行や国に流動性を供給するような処置で危機に取り組んでも、短期的な安心しか得られない」日米欧6中銀によるドル資金供給策に対して。     ----   
12/1 ブラード・セントルイス連銀総裁 「最近発表された経済指標は経済成長のペースの加速を示しており、FOMCは追加緩和を急ぐべきではない」講演で。     ----   
12/2 レーン・欧州委員 「欧州経済がリセッション入りしていることを、至るところで感じられるようになることは明白で、そのことはユーロ圏の現在の形での存続を危うくする可能性がある」講演で。     ----   
12/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「インフレ率が中期的に3%を超えない限りは、失業率が低下するまで政策金利を異例な低水準に据え置くとの方針をFOMCが表明すべきだ」講演で。     ----   

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和