2011年12月9日(金)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ECBは政策金利を0.25%引き下げ1.0%にすることを決定。
一方、域内高債務国の国債の購入には否定的だったことでユーロは急落。 - ユーロドルは1.33台を割り込み、1.32台後半まで下落。
対円でも103円まで売られ、欧州債務問題が長引くとの市場の見方を反映。 - ドル円も下落し一時、約2週間ぶりに77円台前半まで下落したが、
ユーロドルで「ドル高」が進んだことから、ドル円でもドル買い戻しが入り
77円半ばで引ける。 - 株式市場は大幅に反落。ECBのドラギ総裁が国債購入には否定的な見解
を示したことで、欧州問題の不透明さが深まりダウは198ドル安と、
1万2000ドルを割り込む。 - 債券相場は続伸。欧州各国の国債が売られ、米国債への需要拡大期待もあり
価格は上昇。長期金利は1.97%台に。 - 金、原油も欧州問題収束の見通しが後退したことで大幅下落。原油価格は
100ドルの大台を大きく割り込む。 - 週間失業保険申請件数 → 38.1万人
| ドル/円 | 77.13 〜 77.79 |
| ユーロ/ドル | 1.3289〜 1.3460 |
| ユーロ/円 | 103.00 〜 103.90 |
| NYダウ | −198.67 → 11,997.70ドル |
| GOLD | −31.40 → 1,713.40 |
| WTI | −2.15 → 98.34ドル |
| 米10年国債 | −0.061 → 1.972% |
本日の注目イベント
- 日 7−9月期GDP(速報値)
- 日 マネーストック
- 中 中国11月消費者物価指数(CPI)
- 中 中国11月生産物価指数(PPI)
- 中 中国11月鉱工業生産
- 中 中国11月小売売上高
- 独 独11月消費者物価指数(確報)
- 独 独10月貿易収支
- 欧 ギリシャ9月GDP(確報値)
- 米 10月貿易収支
- 米 12月ミシガン大学消費者信頼感指数
市場予想通り、ECBは理事会で政策金利の0.25%の引き下げを決め、今年4月以前の1.0%に戻しました。
域内の景気後退が鮮明になるなか、2ヵ月連続の利下げで景気の下支えを図る姿勢を明確に示したものです。
公表された12月時点での経済成長見通しも0.3%に下方修正し、9月時点の1.3%から大幅に鈍化するとの
認識も示されました。
一方、市場で期待された域内の国債購入についてはドラギECB総裁が、購入拡大をまったく示唆しなかったことから
市場に大きな動揺を与える結果になりました。
ECBは銀行への資金供給期間を最長3年にすることも決定し、銀行への流動性供給拡大に繋がる政策には動きましたが、
ドラギ総裁は、市場が(ECBが)国債購入を拡大するとの期待を持っていたことについて「ある意味驚いた」と、記者会見の席で
述べています。
この発言の内容に市場は大きく反応し、ユーロドルは150ポイント以上の下落を見せ、欧米の株式市場は急落、さらに
欧州各国の債券は売られ、米国債が買われています。
また影響は商品市場にも及び、原油価格や金価格も大幅に下落しています。
ドラギ総裁の会見と同じころ、フランスのマルセイユで演説していたメルケル・独首相は、政府への投資家の期待が高まり過ぎることにも
釘をさし、欧州の苦境を一挙に解決できる「ビッグバン」は無いと言明しており、今夜のブリュッセルでの首脳会議は危機収束に向けた
「1つの通過点」だと語っています。(ブルームバーグ)
今回のECBの決定は、欧州債務問題では中央銀行が関与できることは限定的で
各国の政策が最も重要であることを認識させられました。
これにより、昨日から行われている欧州首脳会議の役割がさらに注目されることになり、
その合意内容によっては再び市場が混乱することになりそうです。
欧州債務問題の収束に関して、少なくとも市場は以前より懐疑的な見方に支配されてきた様に見受けられますが、
サルコジ・仏大統領の「欧州にとってチャンスは二度とない」とのコメントが象徴的です。
市場は欧州発のニュースに非常に神経質になっており、
ネガティブな情報にはユーロ売り、ポジィティブな情報にはユーロ買いで反応し、
ドル円への影響も判断しにくい状況になっています。
昨日も、欧州債務危機収束への対策が遅れると見るや、「安全通貨」の円買いが進み、一方でユーロドルが大幅に下落し「ドル高」が
加速したことから「ドル高円安」に振れる場面もありました。
リスク回避的な動きが強まれば「ドルと円が買われる」流れとなり、ユーロ円などクロス円は総じて下落基調になり易いと思われます。
今夜の首脳会議では、独仏両首脳が合意に向けた説得を続ける様ですが、EU27ヵ国全てでの合意が困難な場合には、
ユーロ圏17ヵ国での合意を目指すとの発言も伝えられています。
財政規律の厳格化を図るための条約改正や、欧州版IMFの設立などでは合意が見られそうですが、
いずれも現状の債務危機解決への即効性はなく、
ユーロ共同債の発行やEFSFの機能を大幅に拡充して
欧州債の下落に歯止めをかける案などで合意に至れるのかどうかは不透明です。
欧州首脳会議の結果が判明するのは日本時間では今夜の夜中を過ぎるころかと思いますが、
NY市場の後場までに会議の全容が織り込まれていない場合には
来週月曜日早朝のオセアニア市場に影響を与えることも考えられます。
レートが大きくかい離して「窓開け」を見せることも予想されることから、ポジションの管理には注意が必要です。
欧州からの寒波は来週も続きそうです。
よい週末を・・・・。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 12/1 | キング・イングランド銀行総裁 | 「根底にある原因を解決せず、銀行や国に流動性を供給するような処置で危機に取り組んでも、短期的な安心しか得られない」日米欧6中銀によるドル資金供給策に対して。 | ---- |
| 12/1 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「最近発表された経済指標は経済成長のペースの加速を示しており、FOMCは追加緩和を急ぐべきではない」講演で。 | ---- |
| 12/2 | レーン・欧州委員 | 「欧州経済がリセッション入りしていることを、至るところで感じられるようになることは明白で、そのことはユーロ圏の現在の形での存続を危うくする可能性がある」講演で。 | ---- |
| 12/5 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「インフレ率が中期的に3%を超えない限りは、失業率が低下するまで政策金利を異例な低水準に据え置くとの方針をFOMCが表明すべきだ」講演で。 | ---- |
| 12/5 | メルケル・独首相 | 「われわれは木・金両日にユーロ圏にとって重要で避けることのできない決断を下す」サルコジ仏大統領との会談後に。 | ---- |
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