今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年12月19日(月)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 週末を控えユーロ買い戻しの流れが強かったものの、格付け会社
    フィッチがイタリアやスペインなどの格付け見通しをネガティブに
    引き下げ、さらにフランスの格下げ見通しも発表されたことでユーロは反落。
    一時1.30台を割り込んだ後、1.30台前半で引ける。
  • ドル円も朝方はユーロドルが上昇したことに合わせやや円が買い戻される
    展開に。ただ値動きは小幅で77円半ばから後半で限定的。
  • 株式市場はフィッチが欧州各国の格付け見通しを引き下げたことで
    上値の重い展開だったものの、商品株が堅調でダウは小幅にマイナス、
    S&P500とナスダックは小幅に上昇。
  • 債券相場は反発。欧州国債の格下げ見通しを背景に米国債への需要が高まり
    10年債利回りは過去最低水準まで低下。
  • 金相場は前日の大幅下げの反動もあり反発。原油相場は小幅ながら続落。
  • 米上院では、給与税減税延長などを盛り込んだ法案を可決。下院でも可決
    される見通しから、同法案は2ヵ月延長される模様。
  • 11月消費者物価指数(CPI) → ±0.0%



ドル/円77.62 〜 77.90
ユーロ/ドル1.2995〜 1.3084
ユーロ/円101.12 〜 101.79
NYダウ−2.42 → 11,866.39ドル
GOLD+20.70 → 1,597.90
WTI−0.34 → 93.53ドル
米10年国債−0.058 → 1.850%


本日の注目イベント

  • 欧   ユーロ圏10月経常収支
  • 欧   ラホイ・スペイン次期首相議会で演説
  • 欧   フランス短期国債入札(計70億ユ−ロ)
  • 欧   ドラギ・ECB総裁欧州議会で証言
  • 米   12月NAHB住宅市場指数
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演








市場はいよいよクリスマス休暇に入ります。


欧州では依然として債務危機問題が解決されないまま、高債務国の債券相場の行方に一喜一憂している状況です。


先週末もイギリスの格付け会社「フィッチ」が、イタリアやスペインの格付け見通しを引き下げ、さらに「AAA」(トリプルA)


を保有しているフランスの格付けも「安定的」から「ネガティブ」に変更したことを材料に、ユーロ売りが加速する場面もありました。


市場は依然欧州からの情報には敏感で、S&PなどがEU首脳会議の結果を見て欧州15ヵ国を格下げするかどうか判断する、と警告を


発したことに注目しています。


格下げが発表されれば、ユーロは対ドル対円で急落すると予想され、ユーロのショートポジションはなかなか解消されない理由の


一つになっています。





一方ドル円は10月31日に75円32銭の最高値を記録した後、政府・日銀による8兆円にも及ぶ大規模介入で79円台半ばまで


押し上げられたにも関わらず、上値の重い展開が約2ヵ月続いています。


さすがに76円台では介入警戒感もあり円を積極的に買う状況ではないものの、上値も79円台はおろか、78円台も徐々に


重くなりつつあります。


このところ米国経済指標の改善傾向が目に見えてきており、ややドルが安定的になってはいますが、対円では上述のような相場観が


占めており、ドル円が大きく反転する可能性は今のところありません。





FRBは2013年半ばまで現行の低金利政策を継続すると宣言しており、多少景気回復傾向が見えてきても「利上げには繋がらない」


と観られることがドルが半発しない大きな原因の一つといえます。


さらに追加緩和第3弾(QE3)の可能性もくすぶっています。


もし来年の早い時期に実施されれば、米長期金利の急落から日米金利が縮小し、ドル安円高が加速するのはだれもが予想する展開です。


また、欧州危機がさらに拡大すれば「安全通貨」の円が買われることにもなり、これらが総合的に絡み合いドルの上値を抑えているようです。





ドル円はこのまま行けば77−79円でのレンジ内で越年する可能性が高まってきています。


取引の中心はあくまでユーロであって円ではありません。これはシカゴ先物市場の通貨の建て玉を観てもも明らかです。


それでも、欧州各国の一斉格下げのリスクが残る以上、ドル円が79円台を抜ける可能性より、77円台を抜ける可能性の方が高いと言えます。


債券市場では、一時売り圧力の強かった日本国債も足もとでは1%前後で安定しています。


日本国債の急落が始まり、円の金利が急騰し、為替市場では円売りが加速する「Xデー」の議論も、このところ新聞や雑誌で活発です。


遠い先の話ではないとしても、その予兆は未だ観られません。


2012年にはおそらく何らかの変化も観られるのではないかと思われます。





今週のアジア市場はよほどのニュースでもない限り動きそうもありません。


逆にニュースがあれば値動きの振幅が大きくなることは十分考えられます。


無理なポジションメイクは避けたいものです。


10銭を取りに行って、20銭やられる、ということにもなりかねません。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
12/1 キング・イングランド銀行総裁 「根底にある原因を解決せず、銀行や国に流動性を供給するような処置で危機に取り組んでも、短期的な安心しか得られない」日米欧6中銀によるドル資金供給策に対して。     ----   
12/1 ブラード・セントルイス連銀総裁 「最近発表された経済指標は経済成長のペースの加速を示しており、FOMCは追加緩和を急ぐべきではない」講演で。     ----   
12/2 レーン・欧州委員 「欧州経済がリセッション入りしていることを、至るところで感じられるようになることは明白で、そのことはユーロ圏の現在の形での存続を危うくする可能性がある」講演で。     ----   
12/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「インフレ率が中期的に3%を超えない限りは、失業率が低下するまで政策金利を異例な低水準に据え置くとの方針をFOMCが表明すべきだ」講演で。     ----   
12/5 メルケル・独首相 「われわれは木・金両日にユーロ圏にとって重要で避けることのできない決断を下す」サルコジ仏大統領との会談後に。     ----   
12/14 バイトマン・ドイル連銀行総裁 「(イタリアは)7%超の金利で何年も生き延びられる。取るべき道はECBが国債を買い支えることではなく、イタリアが必要な財政措置を実行できると証明する機会を与えることだ」講演で。     ----   
12/15 ダドリー・NY連銀行総裁 「現時点では、欧州から米国に波及し得る影響に対応するためFRBが追加措置を取ることは想定していないが、状況を引き続き注意ぶかく見守る」講演で。     ----   

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

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What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和