2012年1月16日(月)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は
欧州9ヵ国の格付けを一斉に引き下げた。 - フランは最上級格付けの「AAA」を失い、イタリアは2ノッチ
引け下げられ、ドイツ・オランダなどは最上級を維持した。 - この発表を受けユーロが再び大きく売られ、対ドルではこれまでサポート
されてきた1.26台半ばを割り込み、1.2624まで下落。対円でも97円20銭
と、約11年ぶりの安値を記録。 - ユーロドルでドル高が進んだことで、ドル円でもドル買い円売りが優勢に。
円は77円ちょうど水準まで売られ、この日の安値圏で引ける。 - 欧州各国の格下げを受けて株式市場も軟調に推移。米金融機関の決算内容が悪かった
こともあり、ダウは48ドル安で取引を終える。 - 債券相場は急伸。欧州の信用不安がさらに深刻化するとの見通しから
安全資産である米国債への需要が高まり、10年利回りは1.86%台まで急低下。 - 金は反落。原油は小幅ながら3日続落。
| ドル/円 | 76.73 〜 77,01 |
| ユーロ/ドル | 1.2624 〜 1.2791 |
| ユーロ/円 | 97.20 〜 98.13 |
| NYダウ | −48.96 → 12,422.06ドル |
| GOLD | −16.90 → 1,630.80 |
| WTI | −0.40 → 98.70ドル |
| 米10年国債 | −0.065 → 1.860% |
本日の注目イベント
- 日 日銀支店長会議
- 米 NY市場休場(キング牧師誕生日)
格付け会社S&Pが欧州各国の格付けを引き下げたことでユーロは対ドル、対円ともに直近安値を更新しています。
S&Pは格付け見直しについては、昨年末に「EU首脳会議の結果踏まえて判断する」との声明を発表していました。
そのため、発表はいつあってもおかしくない状況だったことと、EU首脳会では財政規律の厳格化では合意しましたが、欧州債務問題
解決への糸口がつかめず、根本的な対策が出されないまま終わっていたことで、「格下げの可能性」は十分想定されていました。
その意味では意外感はありませんでんしたが、市場は「フランス、オーストリアが最上級格付けを失う」という事態に反応し、
ユーロ全面安の展開となりました。
特に対ドルでこれまで2回サポートされて来た1.26台半ばを割り込んできたことで、1.25台もしくは、その水準を割り込む
可能性も出てきました。
また対円でも97円20銭まで売られ、今朝のオセアニア市場ではその水準を下回るレートもありました。
今回のS&Pの格下げでドイツは「AAA」(トリプルA)を維持していますが、オランダやフィンランド、ルクセンブルクは
最上級を維持しながらも見通しは「ネガティブ」で、今後2年以内に1/3の確率で引き下げが行われる可能性があるとしています。
問題は、フランスなどユーロ圏中核国の格付けが引き下げられたことで、今後の債務問題解決に向けた資金拠出に支障がでてくる
可能性があるということです。
また、日米欧の金融機関はフランス国債など欧州主要国の国債を大量に保有しているため、国債の値が下がり20日までに
期限が決められている「資本増強」にも支障がでてくることも大きな懸念材料です。
今回の決定を受け、フランスのフィヨン首相は「フランスは投資家が信頼でき、現に信頼している安全な国だ」と述べ、「われわれが
講じてきた財政措置は現時点で十分だ」との認識も示しており、このあたりの認識が今回の格下げに繋がったことを理解しているのかどうか
不安視されます。
今後ムーディーズなど他の格付け会社も追随する可能性が高いと思われますが、これはこれまでも指摘されてきたように、ドイツを中心とした
ユーロ圏のリ−ダー国が適切な対応と取らず「時間稼ぎ」に終始してきた結果と言えます。
ユーロ共同債の発行や、ECBによる無制限の国債購入、あるいはEFSFの資金の拡大など、問題はあるとしても、市場に対して
ユーロ圏の国債は安全であるという「安心感」を与えることがまず優先されます。
今週は17日と19日にスペインの国債入札が予定されていますが、ここで失敗に終わると今月末に予定されているイタリア国債の入札にも
影響がでて、さらにユーロ売りが加速することも考えられます。
さらに忘れてはならないのが「火元であるギリシャ」です。
ギリシャは債務減免について国際金融協会(IIF)との交渉を先週13日に中断しています。
銀行など民間金融機関が保有するギリシャ国債の額面をどこまで減額するのかという点と、仮に50%減額で合意した場合、その国債と
引き換えに受け取る国債の金利をどのようにするのかで紛糾しているようです。
ギリシャは4%台を主張しているようですが、債権者にとってその金利水準は、流通利回りから考えてとても飲める相談ではないようです。
債権者にとって債券価格が半分になり、さらに利回りは市場水準より低く、場合によってはそれさえ「さらに半分」になる可能性があるとしたら
厳しい状況に変わりはありません。
ギリシャのベニゼロス財務相は「われわれは民間部門関与の手順を2月6−10日あたりに公表できることを望む」との
発表をしているようですが、予断は許しません。
財務再建が計画通りに進んでいないギリシャが今後どのようか「行動」にでるのか、同国に対する第7弾にの融資が実行されるかどうかが
焦点になります。
先週、メルケル首相とラガルドIMF専務理事の会談では主としてこの問題が話し合われたのではないかと思われます。
ユーロは依然として戻り売りのスタンスを維持することでいいと思います。
これまでの反発は1.28台半ばでしたが、足元ではさらに上値のメドが下がっていると観られます。
先ずは「ボリンジャー・バンド1シグマ」の1.2680前後と、その上の移動平均線がある1.27台半ばが重要になろうかと思います。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 1/4 | ユンケル・ユーログループ議長 | 「ギリシャならびにユ−ロ圏全体にとって、ドラクマへの回帰は選択肢にない。ギリシャ政府はこうしたシナリオを真剣に検討していないことを昨日確認した」ドイツのラジオ局に対して。 | ---- |
| 1/5 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「米国ではインフレ目標の導入が非常に近いと考えている。FOMCの全員が一丸となって取り組む良い機会となるだろう」ブルームバーグラジオで。 | ---- |
| 1/11 | メルケル・ドイツ首相 | 「他のメンバー国にもその準備があるなら、ドイツは場合によってESM発足時より多くの資本を拠出する用意がある」独伊首脳会談後に。 | ---- |
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