今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年1月17日(火)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

欧州市場

  • S&Pは前日の欧州9ヵ国の格下げに続き、欧州金融安定化基金(EFSF)の
    格下げを発表。「AAA」から「AA+」に1ノッチ引き下げた。
  • NY市場が休場のこともあり、ユーロドルの下げは一服。昨日の早朝の
    アジア市場では1.2617まで売られたユーロドルはその後底堅く推移し、
    欧州時間には1.26台後半まで反発。
  • ユーロが売られドルがやや反発したことを受け、ドル円も円買いが優勢な展開となり、
    76円70銭までドル安が進むが値動きは依然として限定的。
  • ユーロ円も昨日早朝には97円04銭まで下落したものの、97円台割れは
    回避され97円台前半で推移。依然として上値の重い展開が続く。
  • EFSFの格下げはあったものの、フランス国債の入札では発行予定額に近い
    85億9千万ユ−ロ(約1840億円)の発行に成功。落札利回りも低下し、まずまずの
    入札結果だった。
  • フランス国債入札が好調だったことで、欧州各国の株式市場は堅調に推移。





ドル/円76.70 〜 76.81
ユーロ/ドル1.2643 〜 1.2681
ユーロ/円97.10 〜 97.34
NYダウ ---- → 12,422.06ドル
GOLD ---- → 1,630.80
WTI --- → 98.70ドル
米10年国債 ---- → 1.860%


本日の注目イベント

  • 中   中国10−12月GDP
  • 独   独1月ZEW景況感調査
  • 欧   ユーロ圏12月景況感調査
  • 欧   ユーロ圏12月消費者物価指数(確報)
  • 欧   スペイン国債入札
  • 英   英12月消費者物価指数(CPI)
  • 米   1月NY連銀製造業景気指数
  • 加   BOC(カナダ中銀)政策委員会








格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先週フランスなど欧州9カ国の格下げに続き、今度は


欧州金融安定化基金(EFSF)の格付けを最上級の「AAA」(トリプルA)から、「AA+」(ダブルAプラス)に


引き下げました。


同社は昨年12月にも、EFSFを保証する国のうち1ヵ国でも「AAA」格付けを失ったら、EFSFの格下げに繋がる


可能性を表明してこともあり「意外性」はありませんが、立て続けに格下げに踏み切った同社と、フランスを「AAA」に据え置いた


ムーディーズとの判断の違いには戸惑いを感じます。





今回のS&Pの格下げの発表を受けて、EFSFのレグリング・CEOは「EFSFは欧州安定化メカニズム(ESM)が今年7月


に発足するまでの間、現行及び今後調整もあり得るプログラムの下で、その使命を全うするのに十分な力を有している」と、格下げによって


融資の能力が損なわれることはないとの見方を示しています。(ブルームバーグ)





それにしても、こうも欧州からのネガティブな情報が次々に届くと、ユーロを売りたくなる気持ちもよく分かります。


少なくともショートポジションを買い戻す「きっかけ」は見つけにくい状況です。


フランス、オーストリアなど9ヵ国の格下げ、ギリシャの債務減免交渉の中断、さらにEFSFの格下げが続き、20日に予定


されている独仏伊首脳会談が延期され、今月末に行われるEU首脳会議後に開催されるとの情報も入ってきています。


延期の理由はサルコジ・仏大統領のスケジュールが合わないことと説明されていますが、同大統領も3ヵ月後には大統領選を控えており、


「内憂外患こもごも至る」といったところでしょうか。


しかも、この状況下でもドイツ首脳の態度は変わらず、ショイブレ・独財務相は、EFSFの資金拡大には否定的な意見を繰り反しています。


メルケル首相も否定的な発言を繰り返しています。





この中でも最も懸念されるのはギリシャの債務減免問題です。


昨日もこの欄で述べましたが、国債の額面を50%程度に減免し、その国債を新たに発行する国債と交換するわけですが、その際の金利(ク−ポン)


をどのように設定するのかで折り合いがついていません。


一部には明日にも交渉が再開されるとの見通しもあるようですが、依然予断は許しません。


この交渉が決裂するようなことになれば、3月にも期限の来る大量償還を乗り切ることができなくなりギリシャの「デフォルト」が現実味を


帯びてくるからです。





交渉は債権者である金融機関にとってはネガティブなものばかりです。


すでに額面を半分にすることについては合意されていますが、仮にクーポンを5%以上にするなら、さらに額面を減免し40%にする


などの妥協案もあり得そうです。


ユーロドルはやや下げ足を止め、昨日の欧州では買い戻しが優勢の展開でしたが、それでも1.26台後半で上昇を止められています。


今週は悪材料もかなり出尽くした感もあり、さらに上記交渉の行方なども気になるところです。


1.26台でのもみ合いになる可能性が高いと予想しますが、交渉がまとまれば昨日の高値を抜け1.27台抜けもあり得そうです。


再三指摘していますが、ショートの巻き戻しはいつ入ってもおかしくありません。















What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
1/4 ユンケル・ユーログループ議長 「ギリシャならびにユ−ロ圏全体にとって、ドラクマへの回帰は選択肢にない。ギリシャ政府はこうしたシナリオを真剣に検討していないことを昨日確認した」ドイツのラジオ局に対して。     ----   
1/5 ブラード・セントルイス連銀総裁 「米国ではインフレ目標の導入が非常に近いと考えている。FOMCの全員が一丸となって取り組む良い機会となるだろう」ブルームバーグラジオで。     ----   
1/11 メルケル・ドイツ首相 「他のメンバー国にもその準備があるなら、ドイツは場合によってESM発足時より多くの資本を拠出する用意がある」独伊首脳会談後に。     ----   
1/16 ドラギ・ECB総裁 「情勢は極めて深刻であり、この事実から逃げ腰になってはならない」欧州議会で。     ----   

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和