今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年3月7日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は81円台を割り込み、NYでは80円台半ばまで下落し、
    1日で約1円の大幅なドル安円高が進行。
  • 欧米の株価がが大きく下落し、これまでの「リスク選好」の流れが一変。
    ギリシャの債務削減交渉が難航していることが依然重しとなり、ユーロは対円、
    対ドルでも大幅に下落。
  • 豪ドルも大幅に下落。昨日RBAが政策金利引き下げの可能性に触れた
    ことが背景。対ドルでは1.07近辺から1.05台前半まで下落。
  • 株式市場はギリシャの債務問題が懸念され大幅に下落。ダウは203ドル安で
    1万2700ドル台と今年1月の水準まで売られる。
  • 株価が大幅に下落したことから安全資産の債券は買い進まれ金利は低下。
    10年債利回りは1.95%台と2%を挟んでもみ合いが続く。
  • 金価格も下落幅を拡大し、1月下旬以来となる1700ドル台を割り込む。
    原油も同様にリスク回避の流れから2ドルを超す下げを見せる。





ドル/円80.59 〜 81.12
ユーロ/ドル1.3103 〜 1.3155
ユーロ/円105.65 〜 106.67
NYダウ−203.66 → 12,759.15ドル
GOLD−31.80 → 1,672.10ドル
WTI−2.02 → 104.70ドル
米10年国債−0.056 → 1.951%


本日の注目イベント

  • 日   1月景気動向指数
  • 豪   豪第4四半期GDP
  • 英   ロンドン市場休場(国際婦人デー)
  • 米   2月ADP雇用者数
  • 加   カナダ1月住宅許可件数








NYダウが前日比203ドルの大幅安を演じ、豪ドルなど高金利通貨が売られ、低金利のドルと円が買われる典型的な


「リスク回避」の流れに一変しています。


リスク資産が売られたことで、金や原油など投機的な上昇を続けていた商品も売られ、米国債に資金が流れ、金利は低下しました。





ドルはユーロや豪ドルに対しては買われ、上昇しましたが、円はそのドルに対しても買われ「全面高」の様相を呈しています。


それにしても、一晩で「リスクオン」から「リスクオフ」に変わってしまう市場の動きの速さには目をみはるものがあります。


ただこの動きも、昨日の東京タイムから「変化の予兆」は感じ取れていました。





朝方プラスだった日経平均株価は昼にかけてマイナスに転じ、後場はマイナス幅が100円を超える場面もあり、「株価の調整」が


意識され始めていました。


ドル円は81円半ばが重くなり、徐々に値を下げ81円35銭辺りまで下落し、81円台を割り込む雰囲気もありました。


同時に豪ドル円などのクロス円も下げ足を速め、このところの上昇トレンドに変化も観測されていました。


全体的に観れば、円に資金が向かっているような動きと捉えることができたわけです。





この流れが欧州市場では、ギリシャの債務削減交渉の難航で、さらに加速したと観ることができます。


ギリシャ問題についてはすでに「過去の話」といった感もありましたが、先に民間金融団体との間で合意した削減計画に


どの位の機関投資家が参加するかが焦点でした。


ギリシャ政府はこの参加に十分な同意が得られなければ、ギリシャ法に基づく同国の国債保有者を対象に「集団行動条約」を


発動して債務交換への参加を義務付ける、と警告しています。


仮に参加率が70%程度とすると、既に合意している支援の枠組みそのものが変更される可能性もあり、今月20日に迫っている


同国国債の大量償還を乗り切れない懸念も出てくることから、これが昨日の欧米株価の大幅下落の引き金を弾いたようです。





ドル円は81円半ばから上値が重い展開が続いていました。


昨日もこの欄で述べましたが、82−83円に向かうには材料不足の感は否めず、米長期金利の上昇などの支援材料が必要


との見方を示しました。


NY株式市場が大幅な下落を見せたことで、再び安全通貨である円に「見直し買い」が入り、NY市場では80円59銭まで


下落しています。


この水準は一目均衡表(4時間足)の雲でサポートされていますが、80円46銭を下回ると下抜けします。





ドル円は短期的にはドル高に転じたと考えていますが、上記80円の半ばを割り込むと2月23日以来の80円割れも


見えてきそうです。


ドル円は「円高時」にはそのスピードも速く、しばしば「過剰反応」を見せる場合があることから、ここは冷静に対応して


行く必要があります。


今回の円安局面では、ドル円やユーロ円などで売り上がっている市場参加者も多く、大幅な調整もなかったことから、ショートで捕まって


苦しんでいる人もいそうです。


そういった人たちや、実需の輸入業者などがドルの買い場を探していることで、ドル円の下落は今のところ限定的だと観ています。


ただし、ギリシャの債務問題が最悪の事態にならないことが前提ですが・・・。


本日からは米国で雇用関連の指標が発表されます。


米雇用市場は明らかに改善してはいますが、改善傾向を示す数字が出ても、額面通りの動きをするかどうかは分かりません。


このあたりにも注意が必要です。


NYダウの大幅下落を受け、本日の日経平均株価もかなりの下げを見せそうです。


300円を超える下げを見せるようなら、80円半ばを試す展開が予想されます。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
2/29 バーナンキ・FRB議長 労働市場は「前向きな進展」が見られるが、「雇用市場は依然として正常な状態からは程遠い」半期に一度の議会証言で。 ドル円80円半ば → 81円台前半に
3/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「現在は米景気にとって状況が改善しているようであり、成り行きを静観する時期だ」追加緩和は不要との立場を示す。カナダのテレビ局とのインタビューで。 ----

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和