今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年3月14日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 昨日の日銀金融政策決定会合では追加緩和は無く、金融政策も現状維持を決定。
    成長分野への融資2兆円を拡大するなど、デフレ脱却への取り組みがドル高円安を加速。
  • ドル円は会合の決定を受け一時82円を割り込む場面もあったが、そこから一気に
    ドル高円安が加速し、NY市場では83円08銭までドル買いが進む。
  • ユーロドルは小動き。材料難から活発な値動きは観られず、1.30台半ばから
    1.31台前半でのもみ合いに。
  • FRBは米大手金融機関のストレステストで、19行中4行が資本不足だと発表。
  • 株式市場は大幅に続伸。ダウは前日比217ドル高の高値引けで、1万3000ドルの
    大台を大きく超える。
  • 債券相場は続落。株価の大幅上昇と、小売売上高が好調だったことなどから価格は下落
    し、利回りは上昇。
  • 金価格は小幅に反落。一方原油は小幅に上昇。
  • 2月小売売上高 → +1.1%





ドル/円82.65 〜 83.08
ユーロ/ドル1.3052 〜 1.3123
ユーロ/円107.96 〜 108.59
NYダウ+217.97 → 13,177.68ドル
GOLD−5.60 → 1,694.20ドル
WTI+0.37 → 106.71ドル
米10年国債+0.090 → 2.126%


本日の注目イベント

  • 日   1月鉱工業生産(確報)
  • 欧   ユーロ圏2月消費者物価指数(CPI)
  • 英   英2月失業率
  • 米   10−12月経常収支
  • 米   バーナンキ・FRB議長講演








ドル円は日銀の金融政策を巡り乱高下しながらも「ドル高円安」傾向を依然継続しています。


昨日の東京市場の昼過ぎには、ドル円は82円40銭を超える水準までドル高が進む場面がありました。


日経平均株価が1万円の大台を超え、前日比122円高まで上昇したことで「追加緩和」期待が一気に高まった


ことが背景でした。





しかしその後「金融政策の変更はなし」との情報が伝わると、ドル円は一気に下落し、一時82円を割り込む水準まで


円買いが進み、日経平均株価もマイナスに転じるなど「緩和期待」が修正された動きになりました。


そこまでは、「やはりドル円の82円台から上値は重い」といった認識が裏付けされた格好でしたが、夕方から始まった


日銀総裁の会見直後からはドルが急速に値を上げ、82円80銭まで急騰しています。


デフレ脱却を目指しさらに最善の努力をするといった内容でしたが、市場は「今後も緩和期待が維持された」との見方から


ドル買いが優勢となり、先週NY市場でのドル高値を抜き、82円台後半まで「ドル高円安」が進行しました。





NY市場ではさらにこの流れが加速し、昨年4月以来となる83円台前半までドルが買い進まれました。


注目のFOMCの声明文では、前回よりも景気判断を引き上げたことで、「QE3」実施の可能性が後退しドル高へ


振れています。


ドル円は83円08銭まで買われ、いよいよ83円台が示現しています。


ドル高円安に振れた背景には、NYダウが大きく買われ「リスク選好」が一段と高まったことも挙げられます。


1万3000ドルの大台を前に足踏みをしていたダウは、この日発表された小売売上高や、銀行のストレステストの


結果を受けて急伸。


結局、高値引けで前日比217ドル高と、一気に1万3100ドル台まで上昇しています。


株高はドル高に繋がり易く、本日の日経平均株価も「引け値で1万円の大台」を回復するものと予想しています。





また、ドル高に振れながらも「QE3」という足かせがあるため長期金利に下落圧力がかかっていましたが、昨日は10債利回りも


債券が売られたことから、今年最も高い水準となる2.1%台まで上昇し、ドル高を後押しする格好になってきました。


本格的なドルへの移行は、同金利水準が3%台に載せることが不可欠だと考えていますが、「2.1%の壁」を抜いてきたことは


評価できます。





昨日のFOMCは開催日が1日だけだったことで、会合終了後のバーナンキ議長の会見はありませんでしたが、今日はFOMCとは


関係なく議長の講演があり注目されそうです。


昨日の声明文では、景気認識を上方修正していますが、議長の口から直接そのあたりの微妙な認識が確認できるかもしれません。


「米景気は緩やかに回復しているが、欧州と原油価格の上昇が依然として大きなリスクだ」と言った言い回しになると予想していますが、


先週末発表された雇用統計で、雇用者数の改善が大きく進んでいることに関して、どのような認識を持っているのかも注目されます。





さて今日のドル円の動きですが、正直ドルは予想以上の力強さで上昇しています。


昨日のコメントでは、82円台の半ばから上では一旦利益を確定しておくべきだと書きました。


夕方まではその通りの動きだったと言えますが、市場は日銀総裁の会見に大きく反応しています。特に時間帯からして


海外筋のドル買いが活発だったと思われます。


日経平均株価は順調に推移すると観られることから、ドル円も83円台に載せてくると思われます。


メドとしては83円30銭と、その上の83円50銭が重要です。





特に83円50銭は「週足」の120日移動平均線が抵抗を見せることから、そこそこ強力だと予想しています。


もちろん、これまでのようにその水準さえ一気に抜ける可能性がありますが、ここはこれまでのように「一旦は利益を確定する」


という姿勢を維持したいと思います。


ここまでは大きな深押しもなく、このドル反発の流れにうまく乗れていない方も多いのではないかと思います。


これはやはり長い間「円高局面に慣らされてきた」ことによるものです。


われわれの思考回路が「円高」を好む状況にセットされているとも言えます。


ある意味私自身、その一人かもしれません。


「短期的にはドルの底値を確認した」ことは、これまでにも何度か述べてきましたが、85円の大台を明確に抜けたら


「中長期的にも底値を確認」といった相場観が必要と考えています。















What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
2/29 バーナンキ・FRB議長 労働市場は「前向きな進展」が見られるが、「雇用市場は依然として正常な状態からは程遠い」半期に一度の議会証言で。 ドル円80円半ば → 81円台前半に
3/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「現在は米景気にとって状況が改善しているようであり、成り行きを静観する時期だ」追加緩和は不要との立場を示す。カナダのテレビ局とのインタビューで。 ----

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和