今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年3月23日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 昨日朝方の日本に貿易収支発表をきっかけに、ドル円は円高方向に
    舵を切り、さらに中国や欧州の景気減速見通しから安全資産の円買いが
    活発となる。
  • ドル円は約1週間ぶりに83円を割り込み、NY市場では82円33銭まで
    円が急騰。本格的な「調整」入りした可能性が高い。
  • ドル安が進んだにも関わらず、ユーロドルは欧州の景気減速が重しとなり軟調な
    展開に。それでも円が急速に強含んだことでユーロにも買いが入り1.31台後半
    で引ける。ユーロ円は前日の111円台から108円台まで急落。
  • 豪ドルは中国の製造業PMIが予想を下回ったことから大幅に下落。
    対ドルでは節目の1.04台を割り込んだため1.03台前半まで売り込まれる
    場面も。
  • 株式市場は3日続落。中国や欧州の景気減速が嫌気されたことや、エネルギー価格が
    下落したことでダウは78ドル安の1万3000ドル台まで下押しされる。
  • 債券相場は3日続伸。3日続伸は約1ヵ月ぶりで、長期金利の上昇傾向に
    ややブレイキがかかり、10年債利回りは2.2%台まで低下。
  • 金は小幅に反落し、原油価格も世界的な景気減速懸念から大幅に下落。
  • 新規失業保険申請件数 → 34.8万件
  • 2月景気先行指数 → +0.7%





ドル/円82.33 〜 83.19
ユーロ/ドル1.3144 〜 1.3203
ユーロ/円108.48 〜 109.56
NYダウ−78.48 → 13,046.14ドル
GOLD−7.80 → 1,642.50ドル
WTI−1.92 → 105.35ドル
米10年国債−0.014→ 2.282%


本日の注目イベント

  • 米   2月新築住宅販売件数
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 加   カナダ2月消費者物価指数








前日の海外市場で84円10銭までドル高が進んだドル円は、昨日のNY市場では一転して円高が進み、


82円33銭までドルが売られました。


この欄でも何度か「調整」という言葉を使ってきましたが、ようやく本格的な「調整」が始まったと観られ、


今後ドルが上昇するには決してマイナスではないと考えています。


1日で約2円弱の円高は、これまでもドル急落場面では良くみられました。


相場は上昇より下落の方がはるかにスピードが速いことを、見せつけられた格好になりました。





きっかけは昨日の朝方の「2月の貿易収支」でした。


1月のような大幅な貿易赤字ではないにしても「1200億円程度の赤字」というのが市場の予想でしたが、蓋をあけてみたら


「320億円の黒字」だったことから、円買いドル売りが強まったことが背景です。


もっとも、市場はこのところのドル高でも84円台が徐々に重くなる一方、83円が何度もサポートされていてもみ合いが


続いていましたが、「ドルを売る理由」を探していたような雰囲気もあります。


決算月でもあり、水準的にも83円台ということで、もう一段のドル高をねらっていた実需筋もしびれを切らした、

と言ったところでしょうか。





82円台前半までドル安が進行したことで、「4時間足」までの短いチャートでは「遅行スパン」が逆転を見せ、下落を示唆しています。


ただ、82円33銭から現時点(朝7時)では30銭ほど値を戻しているため、短期的な動きを示すに「30分足」ではMACDが


ゴールデンクロスを見せてもいます。


ここからさらに下落して81円台に入るようだと「調整」も長引きそうですが、再び83円台に戻す力があるのかどうかが


試されそうです。





先月1日の76円02銭から3月15日の84円18銭まで急速にドル高が進み、この間8円16銭もの幅でドル高円安に振れた


わけですが、フィボナッチ・リトレースメントで「下落のメド」を確認すると、23.6%は82円25銭で、


38.2%は81円08銭という数字が導き出されます。


昨日のNYでの82円33銭は、上記23.6%のリトレースメントに近かったことから、テクニカル通りの動きだったとも


言えそうです。





また円買いの背景としては、株安から安全資産の債券に見直し買いが入り、米長期金利を押し下げており、さらに


金や原油なども売られていることから「リスク回避」の流れに変わったことが挙がられます。


この流れが定着するとも思えませんが、今後どの段階で再びドル高に転じるのかを判断するには、株式市場や


債券市場の動きにも目を配らなければなりません。





米経指標の中でも雇用の改善傾向は鮮明になっていますが、昨日発表の新規失業保険申請件数はさらにその傾向を


強めています。


申請件数34.8万件は約4年ぶりの低水準で、今年1月には平均で40万件ほどだった同指標は大きく改善をしています。


このままの傾向が続けば月間でも140万件を割り込む可能性が出てきて、いずれは雇用統計に好影響を与えることに


なりそうです。





本日の予想レンジですが、日経平均株価は1万円の大台を割り込みそうなことからドルの下値を探る展開になると予想します。


先ずはNYの下値である82円30銭前後と、上記フィボナッチ・リトレースメントの82円25銭あたりがサポートされると


思われます。


82円20銭−90銭が予想ですが、株価が予想外に下げ足を速めるともう少し下値があるかもしれません。


これまでドルを買えていない方には、「押し目を拾水準」を探ってもいいのではないかと思います。





四国では桜が開花したようです。


良い週末を・・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
2/29 バーナンキ・FRB議長 労働市場は「前向きな進展」が見られるが、「雇用市場は依然として正常な状態からは程遠い」半期に一度の議会証言で。 ドル円80円半ば → 81円台前半に
3/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「現在は米景気にとって状況が改善しているようであり、成り行きを静観する時期だ」追加緩和は不要との立場を示す。カナダのテレビ局とのインタビューで。 ----
3/14 バーナンキ・FRB議長 「米経済にはこのところ改善の兆候が見られるものの、景気回復はいらだたしいほど鈍い。」地域銀行の業界団体の会合で。 ------
3/16 エバンス・シカゴ連銀総裁 「より力強い景気拡大を促進するため追加の金融政策を講じること可能であり、そうすべきだ」と、追加緩和に前向きな姿勢を示す。 ----
3/21 バーナンキ・FRB議長 (燃料価格の高騰について)「少なくとも短期のインフレ圧力を生じさせる。その上、家計の購買力に対して税金のように作用し、消費支出を減少させる」下院での証言で。 ドル円84円前半 → 83円前半へ

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和