今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年5月8日(火)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • アジア市場の早朝に79円65銭まで円高が進んだドル円は、欧州、
    NY市場では小動きに終わる。フランスとギリシャの選挙結果に反応し
    円買いとドル買いが進行したが、やや過剰反応だった模様。
    NYでのレンジは79円85銭から80円に収まる。
  • ユ−ロドルも昨日の朝方は急落し、1.29台半ばまでユーロ安が
    進んだもののその後は緩やかに反発し、1.30での取引が中心に。
  • メルケル独首相は財政協定の再交渉には応じないとの姿勢を示し、
    ギリシャの選挙で緊縮財政反対派が躍進したことに「釘」を刺した格好に。
  • 株式市場は4日続落。欧州債務危機の再燃懸念から、一時は1万3000ドル
    の大台を割り込む場面も見られたが、引けは29ドル安で大台割れは回避。
  • 債券相場は小幅ながら4日続伸し、10年債利回りは1.87%まで低下。
  • 金は反落。原油価格は続落し97ドル台に。
  • 3月消費者信用残高 → +213.6億ドル





ドル/円79.85 〜 80.00
ユーロ/ドル1.3022 〜 1.3066
ユーロ/円104.07 〜 104.44
NYダウ−29.74→ 13,008.53ドル
GOLD−6.10 → 1,639.10ドル
WTI−0.55 → 97.94ドル
米10年国債−0.005 → 1.873%



本日の注目イベント

  • 豪   豪3月貿易収支
  • 独   独3月鉱工業生産
  • 欧   ドラギ・ECB総裁講演
  • 加   カナダ4月住宅着工件数
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演








フランス大統領選で「サルコジ氏敗れる」との報に、昨日のオセアニア市場では「円買い・ドル買い」が急激に進み、


ドル円では79円65銭、ユーロドルでは1.30の大台を割り込み、1.29台半ばまでユーロ安が進み、その結果


ユーロ円は103円23銭まで急落しました。


そのほか豪ドル円でも80円台半ばまで売られ、「ユーロ危機が再燃するのではないか」との懸念から、典型的な「リスク回避」


の流れが加速しましたが、その後の海外市場では「予想外に静か」で、やや拍子抜けした一日でした。





しかし、フランス大統領選では第一次投票の結果で既に「オランド氏有利」の観測が主流であったことから、サルコジ氏の


敗北はある程度予測されていました。


それでもユーロが大幅に売られた背景は、「メルコジ」と評されている独仏の蜜月に亀裂が入り、ユーロ圏再生が進まなくなる


のでは無いかとの懸念が強かったものと思われます。


確かにオランド氏は緊縮財政一辺倒だけではなく、景気刺激策も必要と訴えており、教員を6万人増やすことや、警察関係でも5千人


増やすことを明らかにしています。


そして、その財源は富裕層への課税の強化で賄(まかな)うというものです。





果たしてこれがフランスの財政再建に繋がるかどうかは非常に不透明です。


少なくとも現行の独・メルケル路線とは異なっていることから、今後間もなく実現する両首脳会談での歩み寄りが注目されます。


財政規律では明らかに「南欧」に近いフランスがドイツに歩み寄る可能性が高いと見ていますが、どうでしょうか・・・。





懸念されるのはギリシャです。


緊縮財政を進める与党に対して「NO」という判断を国民が下した意味は大きいと思います。


今後仮に第3次金融支援の必要性が出てきた際には、さすがにドイツやEUも「NO」と言うはずです。


緊縮財政に反対ということは、「財政赤字は解消できなくてもいい」という風に私には聞こえますが、それは言いかえれば


「ユーロ圏に留まる必要はない」とも同義語です。


米シティー・グループは7日のリポートで「ギリシャが1年−1年半以内にユーロを離脱する確率は50−75%」との見方を示しています。


従来は50%と見ていた、とブルームバーグは伝えています。


ドル円は80円を割り込んでからは値動きが乏しい展開が続いています。


雇用に不透明感が出てきた米国と債務危機の再燃が懸念される欧州との間に挟まれて、円が買われ易い状況ではあると思います。


NYダウなど株価の低迷で資金が国債に向かい米金利の低下に繋がっており、これがドル円の上値を重くしている側面もあります。


また、昨年も米景気は春先をピークに鈍化傾向を見せたことから「今年もか」といった想像を掻き立てています。


しかし、長い間続いたドル安の効果で米製造業は着実に回復してきていることを忘れるわけには行きません。


ドル円が79円台を割り込む可能性は否定できませんが、今年1月頃の様に「とにかく円を買えばいい」という状況ではありません。





昨日も述べたように、52週移動平均線が示す78円77銭が重要な分岐点になりそうです。


79円近辺ではドル買い意欲も強いように思われますが、一方で上記水準を割り込むとドルロングの投げも出てくるものと思われます。


また一部には市場介入の可能性も噂されていますが、さすがに79円台での介入は考えにくく、上記水準を割り込み77円台が覗けるような


状況になれば可能性が一気に高まると考えています。





本日のドル円のレンジは79円60銭〜80円20銭を予想しています。


上値が重い展開が続いていますが、株価の反発を材料にどこまでドルが買われるのかが焦点になりそうです。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/1 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「追加の金融刺激を実施しても成長の後押しにはほとんどならず、インフレをあおるリスクがある。」ワシントンでの講演で。 ----
5/1 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「追加の債券購入は正当化されない」講演で。 ----

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和