2012年5月17日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はユーロ円など「クロス円」の買い戻しもあり
2週間ぶりに80円台半ばを上抜けしましたが、勢いも無く
米金利の低下に引っ張られる形で再び下落し、80円30−40銭で
取引を終える。 - ユーロドルは4ヵ月振りに1.26台まで売られた後反発したものの、
ECBがギリシャの銀行への資金供給は各行の資本増強が完了
するまでギリシャ中銀に委ねる、と発表したことから再び下落。1.27台
前半でもみ合う。 - FOMC議事録では、前回に比べ「必要な際には追加緩和はすべき」との
意見を持ったメンバーが増えていたことが判明。また、FRBは2014年1月
まで全てのFOMCを「2日間の日程で開催」することを発表。 - 株式市場は4日続落。ギリシャの政局不安が株式離れを加速させ、ダウは
33ドル安で1万2600ドル台も割り込む。 - 債券は続伸し長期金利はついに1.76%台を割り込む。
- 主要通貨に対してドル高が進んだ流れから金、原油はともに下落。
商品市場でも安全志向から資金が流出。 - 4月住宅着工件数 → 71.7万件
- 4月建設許可件数 → 71.5万件
- 4月鉱工業生産 → +1.1%
- 4月設備稼働率 → 79.2%
| ドル/円 | 80.20 〜 80.56 |
| ユーロ/ドル | 1.2688 〜 1.2759 |
| ユーロ/円 | 102.00 〜 102.70 |
| NYダウ | −33.45 → 12,598.55ドル |
| GOLD | −20.50 → 1,536.60ドル |
| WTI | −1.17 → 92.81ドル |
| 米10年国債 | −0.012 → 1.759% |
本日の注目イベント
- 日 1−3月GDP(速報値)
- 日 3月鉱工業生産
- 欧 スペイン長期債入札
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 4月景気先行指数
- 米 5月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
NYダウは4日続落し、株価の下落が止まりません。
ダウは5月に入り下げ足を速めていますが、正直なところ、ギリシャの政局不安がここまで株価を押し下げる
とは予想外でした。
ダウは昨日までで、5月の営業日12日中で10日下げており、上昇したのはわずか2日だけです。
世界の主要株式市場も似たり寄ったりで、「ギリシャ悲劇」が世界の株式市場の時価総額を急激に減少させている
と言う状況です。
株式はリスク資産の代表です。
株価の下落は個人法人を問わず、世界の投資家がリスクを取れなくなることを意味し、安全志向が急速に高まります。
その結果日米独など安全国の国債が買われ、金利の低下に繋がっています。
日本の国債も一部では「バブルの再来」との指摘もある中、資金流入が止まらず、10年債の利回りは昨日1年7ヵ月ぶりとなる
0.82%まで金利が低下(価格は上昇)しています。
ギリシャ不安はさらに金や原油など商品価格の下落にも繋がっています。
金価格は昨日一時1520ドル台まで下落し、昨年12月29日以来の安値を記録しました。
同じように原油価格は年初来安値です。
ギリシャの再選挙が6月17日に決まったことで、今後1ヵ月は少なくともギリシャに関する「悪材料」は出にくい状況
かとは思いますが、再選挙では急進左派連合が第1党に躍進するとの見方がもっぱらで、焦点は仮にそうなった場合に
ツィプラス党首があくまでも緊縮財政に徹底して反対するのかどうかという点です。
国民の緊縮財政反対に推挙された左派連合ですが、その国民の多くは「緊縮財政には反対でもユーロ圏には残りたい」と
希望しているからです。
財政再建の中断は、EU、IMFからの資金供給が止まることを意味し、ユーロ圏からの離脱の可能性が極めて濃厚になります。
ツィプラス党首も支持者の多くがユーロ圏からの離脱を望まない以上、そう簡単にこれまでの緊縮財政政策を反故(ほご)にすることは
できないのではないかと思います。
そのあたりに、歩み寄りの余地があるのではないでしょうか。
一方資金供給者側のEU、IMFにしても「緊縮財政が唯一の資金供給の条件」とは言っていましたが、そう簡単に資金を
ストップさせるような強硬手段には訴えにくいところもあります。
メルケル独首相は「ギリシャの成長支援に応じる用意がある」と柔軟な姿勢を見せているのもその一例です。
またドラギ・ECB総裁も昨日、ECBが原理原則を曲げてまでギリシャのユーロ圏離脱を止める意思はないことを示唆しながらも
ギリシの残留を「強く選考する」と述べています。
一部には、ギリシャ側が歩み寄ってくるのであれば、財政削減期間の延長などの「猶予」を考慮するとの意見もあるようです。
来週23日には緊急のEU首脳会合が開催されます。この会議である程度の妥協案が議論されるのではないかと思われますが、
「ギリシャのユーロ圏からの離脱」といった最悪のシナリオの可能性も否定できません。
そのシナリオはギリシャにとってはもちろん、他のユーロ諸国に取っても「大きな痛み」であるはずです。
ドル円は昨日のNY市場で80円半ばを超えましたが、予想通り上値が重く再び80円50銭以下に押し戻されています。
現状ではドル円単体での明確な方向感は出ていません。
ユーロが売られドルが買われていることや、ユーロ円など「クロス円」の上げ下げによって動かされている状況です。
チャートでは「4時間足」までの短期的なテクニカルではややドル上昇を示唆し始めていますが、まだ完成されてはいません。
本日は日本のGDP速報値と米国からの失業保険申請件数を睨む展開になりそうです。
レンジは80円15銭〜80円60銭と予想します。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 5/1 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「追加の金融刺激を実施しても成長の後押しにはほとんどならず、インフレをあおるリスクがある。」ワシントンでの講演で。 | ---- |
| 5/1 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「追加の債券購入は正当化されない」講演で。 | ---- |
| 5/7 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「高止まりしている失業率が主に基本的な要因を反映しているのであれば、刺激策は失業にほとんど影響を与えず、インフレ押し上げのリスクを高めるだけだ」講演で。 | ---- |
| 5/9 | ファンロンパイ・EU大統領 | 「(世界は今)EUの歴史にとって重大な瞬間、危機の瞬間を目撃しつつある」ギリシャの政局混迷で。 | ---- |
| 5/15 | ジョイブレ・独財務相 | 「ギリシャがユーロ圏に留まりたいならば、条件を受け入れなければならない。これは大多数の総意だ」財務相会合後の記者会見で。 | ---- |
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