今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年5月21日(月)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米株式市場の下落が続き、依然リスク回避の流れが継続され
    ドル円では円買いが優勢に。円は79円01銭まで買われ、79円割れ
    目前までドル安が進む。
  • ユーロドルはこのところ急激な下落と、週末の「G8」が意識され
    買い戻しが優勢となり、1.27台前半から1.27台後半まで値を戻す。
  • 米キャンプ・デービッドでおこなわれた「G8」では、ギリシャの
    ユーロ圏への残留を求めるとともに、各国の成長押し上げを支持。
  • 株式市場は6日続落。欧州危機への懸念が払拭されず下落圧力の強い中、
    この日上場されたフェイスブックも寄りつき後上昇する場面もあったが、
    結局下落。ダウは73ドル安の1万2300ドル台に。
  • 債権相場は反落。高値警戒感と今週の入札を控え「利益確定」の売り
    が優勢に。10年債利回りは1.7%台に上昇。
  • 金価格は続伸。原油は景気懸念から続落し、約半年ぶりとなる91ドル台
    まで売られる。





ドル/円79.01 〜 79.37
ユーロ/ドル1.2703 〜 1.2795
ユーロ/円100.47 〜 101.04
NYダウ−73.11 → 12,369.38ドル
GOLD+17.00 → 1,591.90ドル
WTI−1.08 → 91.48ドル
米10年国債+0.030 → 1.720%



本日の注目イベント

  • 日   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演(東京)
  • 日   3月傾向動向指数(改定値)
  • 英   ロンドン市場休場(ビクトリアデー)








ギリシャの政局不安を中心とする欧州危機への懸念から「リスク回避」の流れが続き、ドル円はさらに円高が


進み、NY市場では79円01銭まで円買いが進みました。


スピードは遅いものの、じりじりと円が買われ、重要なレベルである78円台が手の届くところまでドル売り円買いが


進行しています。


NY株式市場では株価の下落が止まらず、先週1週間だけで451ドルの下落幅を記録しています。


連続下落日も6日となり、5月に入っての上昇は今のとことわずか「1日間」だけです。


これは1974年以来、約38年ぶりの現象だそうです。


米株式市場には有名な格言として「sell in  may」という言葉がありますが、正に今月はこの言葉通りの


展開になっています。





株価の下落は「投資家のリスク許容度の低下」に繋がり、為替市場ではユーロや豪ドルなどの通貨が売られ、円やドルなど


安全通貨が買われる展開です。


さすがに先週末は、このところのユーロ下落のスピードが速かったことから「ポジション調整」と観られる、買い戻しが入り


ユーロは若干反発していますが、それでも戻りは限定的と観られます。





先週末には「G8」が開催されましたが、結局欧州危機への具体的な対策などは打ち出されず、事前予想尾通りの結果でした。


象徴的だったのは、ロシアのプーチン大統領は欠席し、メドベージェフ首相が参加していたことです。


議長国であるオバマ大統領も「リーマンショック後米国は素早く動いたことで危機の拡大を防ぐことができた」ことを強調し、


欧州にも早期の対応を迫る場面もあったようですが、「G20」に比べ存在感を失い「社交の場」と言われているように


足元の欧州危機に対するが対策はありませんでした。





ギリシャの再選挙が最大の焦点ですが、今のところ緊縮財政反対派の勢いが勝っている様です。


緊縮財政反対の急進左派連合がどの程度支持を集めるのかがポイントですが、同時に緊縮財政を推し進めている独メルケル首相の


言動もポイントになろうかと思います。


先週のオランド仏新大統領との会談では、これまでの態度をやや軟化させていたようにも見受けられました。


今週23日にベルギーのブリュッセルで行われる「EU首脳会議」では、メルケル首相の対応も確認できると思われます。





独仏としても「甘い顔」をすれば、財政規律が反故(ほご)にされ、ギリシャの財政再建が遅れることになる一方、


「強い態度」にでれば、デフォルトの可能性も高まり、ギリシャのユーロ圏からの離脱にも繋がり、結局ユーロ圏諸国にもその影響が


及び、それは決して小さいものではありません。


ギリシャに対する「資金支援条件の緩和」など、ある程度の妥協案が話し合われるのではないかと予想しています。


EUとすれば、こちらも譲歩するから新政権にも「緊縮財政反対」を叫ぶだけではなく歩み寄りを求めてくるのでないでしょうか。


多くのギリシャ国民がユーロ圏からの離脱を望まないという調査結果が出ている以上、EU首脳も冷酷に追い払うわけにはいきません。


何らかの妥協案が議論されるものと観られます。





懸念されるのは「ドイツの孤立」です。


メルケル首相がこれまでの持論を押し通すと、フランスとの協調も乱れ孤立感が強まります。


先週末の「G8」でも、オバマ大統領を囲んだ円卓会議では、大統領の右側にはオランド仏大統領が座り、記念写真の際にも


右側に立ち、オバマ氏と冗談を言い合っている映像が流されていました。



「財政規律と成長」をどのようにバランスを取っていくのかが問われているようです。





ドル円は79円台前半で推移していますが、これまで述べてきたように「52週移動平均線」のある78円68銭


(円高に推移しているため、先週より9銭下方へ移動しています)と、「200日移動平均線」がある78円51銭が重要な


サポートポイントです。


引き続き欧州情勢と株式市場の行方に注目したいと思います。


レンジは78円90銭〜79円40銭と予想します。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/1 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「追加の金融刺激を実施しても成長の後押しにはほとんどならず、インフレをあおるリスクがある。」ワシントンでの講演で。 ----
5/1 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「追加の債券購入は正当化されない」講演で。 ----
5/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「高止まりしている失業率が主に基本的な要因を反映しているのであれば、刺激策は失業にほとんど影響を与えず、インフレ押し上げのリスクを高めるだけだ」講演で。 ----
5/9 ファンロンパイ・EU大統領 「(世界は今)EUの歴史にとって重大な瞬間、危機の瞬間を目撃しつつある」ギリシャの政局混迷で。 ----
5/15 ジョイブレ・独財務相 「ギリシャがユーロ圏に留まりたいならば、条件を受け入れなければならない。これは大多数の総意だ」財務相会合後の記者会見で。 ----

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和