今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年5月31日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • スペインの金融システム不安の拡大を背景に、株式市場が総崩れ。
    米長期金利が大幅に低下したことを受け、ドル円は2月17日以来となる
    78円87銭まで下落。円は主要通貨全てに対して大幅に上昇。その後は
    ドルの買い戻しが入り79円台前半まで反落して引ける。
  • ユーロドルは大幅に続落し、連日大台替えを行いながら1.23台半ば
    まで下落し、約2年ぶりの安値を記録。スペインの長期国債の利回りが6.7%に
    近づいたこと加え、イタリア国債の入札不調やユーロ圏の景況感の悪化も
    ユーロ売り材料に。
  • ユーロは対円でも97円台まで下落し、今年1月の97円03銭が視野に。
    円はさらに対豪ドルでも76円70銭近辺まで買われ「独歩高」の様相。
  • 株式市場は大幅に反落。欧州問題の拡大懸念を嫌気するとともに、米経済指標
    の悪化も加わり、ダウは160ドル安。
  • 債権相場は急反発し10年債利回りは過去最低の1.619%で引ける。
    世界的な株安と景気の悪化懸念から安全資産への資金が急拡大。
  • 金は反発するも原油価格は大幅下落。世界景気の悪化から原油への需要が
    減少するとの見方や、在庫が増加しているとの見方が背景。前日比3ドル近い下げで
    約7ヵ月ぶりとなる87ドル台後半に。
  • 4月中古住宅販売成約 → −5.5%





ドル/円78.87 〜 79.13
ユーロ/ドル1.2362 〜 1.2452
ユーロ/円97.75 〜 98.48
NYダウ−160.83 → 12,419.86ドル
GOLD+17.00 → 1,565.70ドル
WTI−2.94 → 87.82ドル
米10年国債−0.130 → 1.619%



本日の注目イベント

  • 豪   豪4月住宅建設許可件数
  • 日   5月鉱工業生産
  • 欧   ユーロ圏5月消費者物価指数
  • 独   独5月失業率
  • 欧   レーン欧州委員、バローゾ・欧州委員長、モンティ伊首相講演
  • 米   5月ADP雇用者数
  • 米   1−3月GDP(改定値)
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   5月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米   4月個人所得
  • 米   4月個人支出
  • 米   4月PCEコア・デフレーター
  • 米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演








ユ−ロが連日対ドル、対円で「大台替え」を行いつつ安値を更新しています。


昨日は欧州市場に入ると、ユーロ圏の景況感が予想以上に悪化していたことでユーロが売られ、さらに


スペインでも危機が拡大するとの見方から同国の国債が売られ、10年債利回りは「危険水域」とされる


7%に近付いてきたことや、スペイン国債を保障するCDSスプレッドが571bp(ベーシス・ポイント)と


急上昇するなど、「リスク回避」の流れが加速しユーロ売りが強まりました。





またこの日行われたイタリア国債の入札も不調に終わり、「問題はギリシャだけではない」との見方が急浮上しています。


この状況は今年1月の状況に良く似ており、「火の下ギリシャ」が注目されその後やや下火になると周辺国への「疑惑」が


頭をもたげ、みんながそちらに移動することで「本丸はこっちだ」といった状況になっています。


ギリシャでは来月17日の再選挙までは決定的な材料は出にくいことから、周辺国の中でも特にスペインの銀行の不良債権問題


がクルーズアップされています。





スペインの最大の問題は住宅バブルの崩壊に伴う不良債権処理が終わっていないことにあります。


この問題を解決しないまま今日まで来たことが銀行の資本不足に繋がっており、金融システム不安を引き起こしています。


ギリシャのユーロ圏からの離脱も大きな問題ですが、スペインが資金支援を申請するような事態になればその比ではありません。


今後もスペインの動向から目が離せません。





このように欧州から伝えられる情報はユーロに取って悪材料ばかりです。


1.25台を大きく割り込んだユーロドルはなかなか下値のメドが見つからない状況です。


「心理的な節目」と言う意味で1.20が意識される程度です。


また、ユーロ円もついに97円台に突入し、今年1月に記録した97円前後が強く意識されます。


この水準を割り込むとテクニカルではどこまで下げるのか推測することが難しい状況になります。


今日で5月も終わりますが、ギリシャの再選挙やEU首脳会議が予定されている6月が、ユーロに取って「正念場」に


なろうかと思います。





ユーロドルが大きく下落する一方、ドル円も下落したことでユーロ円が一段と円高方向に進みました。


ユーロ円の売りが相当市場に持ち込まれていると思われますが、ユーロの先安を見込んだユーロ円ショートも


結構積み上がっているのではないかと考えられます。


ドル円が今年2月14日の日銀による追加緩和をきっかけに上昇し、84円18銭を記録して以来の78円台まで


下落したこともユーロ円を押し下げています。


もっとも、ユーロ円の下落がドル円の「円高ドル安」を誘発していると言った方が正確かもしません。


一部に日銀の市場介入への期待もあるようですが、水準的にはさらに円高方向に振れないかぎり実施されないと観ています。





注意したいのは昨日の野田総理と小沢元代表との会談が物別れに終わったことです。


野田総理はどうやら自民党への協力を仰ぎそうな気配で、そうなると民主党が分裂する可能性も高まってきます。


自民党と組めば消費税増税法案の成立にメドが付きそうですが、「党議」に反対した小沢元代表の処遇をきっかけに


政党再編の動きが加速し、政治的混迷も避けられない状況にもなりそうです。


円が今後もガンガン買われるとは思えませんが、政治的混迷はある意味日本の専売特許のようなものですから円への影響は


ないのかもしれませんが・・・。





ドル円の戻りは依然限定的と思われます。


79円を割り込んでどこまで円買いが進むのかが焦点です。


「1時間足」では79円45−50銭あたりにレジスタンス・ポイントが集中していることから、せいぜい戻ってもその水準が


いっぱいいっぱいかと思われます。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/1 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「追加の金融刺激を実施しても成長の後押しにはほとんどならず、インフレをあおるリスクがある。」ワシントンでの講演で。 ----
5/1 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「追加の債券購入は正当化されない」講演で。 ----
5/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「高止まりしている失業率が主に基本的な要因を反映しているのであれば、刺激策は失業にほとんど影響を与えず、インフレ押し上げのリスクを高めるだけだ」講演で。 ----
5/9 ファンロンパイ・EU大統領 「(世界は今)EUの歴史にとって重大な瞬間、危機の瞬間を目撃しつつある」ギリシャの政局混迷で。 ----
5/15 ジョイブレ・独財務相 「ギリシャがユーロ圏に留まりたいならば、条件を受け入れなければならない。これは大多数の総意だ」財務相会合後の記者会見で。 ----
5/21 メルケル・独首相 「重要なのは賢明な解決策を見出すことだ。(意見の違いがあっても)それが私のやり方であり、オランド大統領からもそのような感触を得ている」EU首脳会議を前に。 ----
5/21 ツィプラス党首 「選挙の争点はユーロ対ドラクマではない。引き続き災難への道を進むのか、よりよい将来に向けて希望をつかむかの選択だ」パリで記者団に。 ----
5/25 ダラーラ・国際金融協会専務理事 (ギリシャがユーロ圏を離脱すればそのコストは)「手に負えないほど膨らみ、協会がこれまで予想していた1兆ユーロ(約100兆円)を上回る公算が大きい」インタビューに答えて。 ----

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和