今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年6月13日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ギリシャの再選挙を控え動きにくい展開が続く。
    ドル円は79円台半ばを挟み、もみ合い。方向感のない展開に取引も閑散。
  • ユーロドルはスペイン国債の利回りが過去最高水準まで上昇(価格は下落)
    したことを受け下落。一時1.24台半ばまで下落したものの、その後は
    ショートカバーが入り1.25台に乗せて引ける。
  • 株式市場は大幅に反発。シカゴ連銀総裁が追加緩和に前向きな発言を
    したことなどを好感し、ダウは162ドル高と前日も下落分を埋める。
  • 株価の上昇を受け債券相場は軟調な展開となり、10年債利回りは
    1.66%台に上昇。
  • 金価格は3日続伸し1600台を回復。原油も小幅ながら反発。


    ドル/円79.37 〜 79.61
    ユーロ/ドル1.2443 〜 1.2519
    ユーロ/円98.85 〜 99.61
    NYダウ+162.57 → 12,573.80ドル
    GOLD+17.00 → 1,613.80ドル
    WTI+0.62 → 83.32ドル
    米10年国債+0.078 → 1.664%



    本日の注目イベント

    • 日   白川日銀総裁講演
    • 独   独5月消費者物価指数(確報値)
    • 独   独国債入札
    • 欧   ユーロ圏4月鉱工業生産
    • 独   メルケル・独首相講演
    • 米   5月生産者物価指数
    • 米   5月小売売上高







      昨日の昼過ぎ、リプトン・IMF筆頭専務理事の「円は中長期的な観点では過大評価されている」といった


      発言と、日本の為替介入について「介入は無秩序な市場の回避で活用可能だ」といった内容が報道され、ドル円は


      79円60銭近辺まで円が売られる局面がありました。


      しかしそれでもギリシャの再選挙を控えていることで、どちらにも動きにくく、明確な方向感も見いだせない展開では


      円売りの勢いも限定的となり80円には届いていません。





      ユーロはそれでもある程度の値動きが見られますが、ドル円は79円台半ばが「居心地」がいいのか動きが見られません。


      17日のギリシャの選挙結果次第で「リスクオン」にも「リスクオフ」にもなり、値動きもかなり荒っぽくなると


      考えられることから、積極的にはポジションを取れない状況です。


      スペイン国債が売られ、利回りがユーロ導入以来最高水準まで上昇するなど、欧州危機が一向に収まる気配を見せない


      ことから、安全通貨の円に資金が集まり易い傾向があるものの介入警戒感もあり、市場は一段の円買いには慎重です。





      円に比べユーロは材料が豊富な上、ポジションもネット売り持ちに大きく片寄っていることから値が飛びます。


      先週末にはスペインに1000億ユーロの資金援助を行う見通しが立ちましたが、その効果もわずか1日しかもたず、


      ユーロは下落しています。


      昨日はスペイン国債が売られ、10年債利回りは6.83%まで上昇し、「危険水域」とされる7%に近付いています。


      格付け会社フィッチは「スペインの今年と来年の財政赤字は政府目標から大きく外れる」との見方を示しています。


      国内の銀行の資本不足を政府自らが支援できずに、EUに資金要請を行わざるを得ないスペインの財政不安が市場の標的に


      なってユーロの下落に繋がっている状態です。





      それでも注意したいのはユーロの売り持ちが過去最大規模に積み上がっていることです。


      先週末に発表されたシカゴの通貨先物市場では、ユーロのネット売り持ちポジションがさらに膨らんで


      21万3千枚を超えています。


      このポジションの偏りが、今週月曜日の朝方のように「欧州危機」の収束に繋がるような情報には敏感に反応し「窓開け」を


      示現する動きになります。


      ドル円が方向感もなく動きにくい展開が続いていることから、ユーロ円はほぼ「ユーロドル」の影響を受け、「ユーロドル」


      そのものの動きと連動します。


      「ユーロドル」が上昇すればユーロ円も上昇し、売られれば一緒に下がるといった具合です。


      従ってユ−ロ円のポジションを保有している方は、「ユーロドル」の値動きに注意が必要です。





      17日のギリシャの選挙結果が全てですが、明日14日からは日銀金融政策決定会合が開かれます。


      「日銀はギリシャの選挙結果を見る前には動けない」といった見方が優勢で、今回の会合では追加緩和が見送られると思われます。


      そうなるとドル円もやや円高方向に振れる可能性がありますが、その際に円高と株安が急速に進むようなら「臨時会合」を


      招集し、追加緩和を決定するとの見立てもあり、ギリシャの選挙結果を受けた来週の金融市場の動きが注目されます。


      そして19−20日にはFOMCが控えていることから、「来週が最大のヤマ場」となります。





      そう考えると、今週は動かないというより「動けません」。


      欧州からのニュースがない限り値動きは限定的と予想されることから、予想レンジは79円30銭〜79円80銭にセットしたいと


      思います。












      What's going on ?」とは・・・
      会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
      為替はさまざま事が原因で動きます。
      その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


      日時 発言者 内容 市場への影響
      6/4 サイベル・独報道官 欧州共同債の発行について、「現時点では全く不適当な措置」ベルリンで記者団に。 ----
      6/6 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「1日の雇用統計が示すように、景気回復の足取りは依然たどたどしく、弱々しい面がある」講演で。 ----
      6/6 ドラギ・ECB総裁 「われわれはあらゆる展開を注視しており、行動する準備は整っている」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ----
      6/6 イエレン・FRB副議長 米経済は「依然ぜい弱で後退し易い」とした上で「FOMCには、追加の緩和策を実施する余地が依然あると確信している」ボストンでの講演で。 ドル円79.35 → 79.20に下落
      6/7 バーナンキ・FRB議長 欧州危機が拡大したら「行動を起こす用意がある」議会証言で。  ---- 
      6/12 リプトン・IMF筆頭副専務理事 日本の「介入は無秩序な為替市場の回避に活用可能だ」対日4条協議終了後に発表。。 ドル円79円40銭 → 79円60銭に。

      ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


      What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

      What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

      What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和