今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年7月13日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 日銀の決定会合で実質的な追加緩和が見送られたことや、米長期金利の
    急低下などで円買いが優勢となり、ドル円は79円18銭まで下落。
    その後、失業保険申請件数の改善を手掛かりにやや反発し、79円20−30で
    取引を終える。
  • ユーロは続落。欧州の株価下落などを受け、ユーロドルは6月の1.22台
    を割り込み1.2166まで売られる。対円でも96円台半ばまでユーロ安が進行し、
    節目の1.20、95円割れが視野に。
  • 株式市場は6日続落。欧州危機への懸念が払拭されないことに加え、前日発表された
    FOMC議事録で追加緩和への期待がやや削がれたことが背景。ダウは31ドル安と、
    ここ1週間で370ドルの大幅下落となる。
  • 株価の下落が続きリスク回避の流れが継続されていることから、債券相場は
    堅調に推移。10年債利回りは節目の1.50%台を割り込み1.478%で引ける。
    この日実施された30年債入札では過去最低の落札利回りを記録。
  • 金は続落し、原油は小幅ながら続伸。
  • 6月財政収支 → −597億ドル
  • 新規失業保険申請件数 → 35.0万人


    ドル/円79.18 〜 79.40
    ユーロ/ドル1.2166 〜 1.2211
    ユーロ/円96.42 〜 96.83
    NYダウ−31.26 → 12,573.27ドル
    GOLD−10.40 → 1,565.30ドル
    WTI+0.27 → 86.08ドル
    米10年国債−0.037 → 1.478%



    本日の注目イベント

    • 日   5月鉱工業生産(確報値)
    • 中   中国4−6月GDP
    • 中   中国6月小売売上高
    • 米   6月生産者物価指数
    • 米   7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
    • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
    • 米   企業決算 → JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ
    • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演



      前日のNY市場からようやく「値動き」のでてきたドル円でしたが、昨日の昼過ぎの日銀金融政策決定会合


      の結果が発表されると、一転して「乱高下」の相場展開を見せ、結局円高の流れに落ち着きました。


      ブルームバーグなど有力メディアの「日銀5兆円の追加緩和は決定」との一報に、それまで79円45−50銭


      で推移していたドル円が一気に、79円96銭まで円売りが加速しました。





      しかし、決定会合の内容は「固定オペによる買い入れ額を5兆円減額し、代わりに短期国債の買い入れを5兆円


      増額する」というもので、結局、数字合わせで「追加緩和は見送られた」ということでした。


      ドル円は80円手前から今度は79円半ばまで売られ、この間数分程の出来事でした。


      市場のコンセンサスは「追加緩和はなし」で一致していましたが、ニュースの「見出し」に踊らされた格好に


      なりました。


      市場には2月14日の「バレンタインギフト」の強烈な印象が残っており、再びあのサプライズを想起した


      ことで混乱が生じたものと思われます。





      昨日この欄でも注意を促しましたが、その後の日銀総裁の記者会見辺りからじりじりと円が買われる展開となり、


      欧州市場では79円前半まで円が円高に振れています。


      一方ユーロドルは1.22台を割り込み、1.21台半ばまで売り込まれました。


      ユーロドルのこれまでの展開を見ると、悪材料が出て一気に下落し、下落が止まると買い戻しがでて
      やや水準を押し上げますが、その動きが止むと大台を変えて下落し「安値を更新」する展開が続いています。


      そのため、売る水準さえ大きく間違わない限り利益を取れる展開です。


      投機筋のユーロ売りポジションが依然高水準なのも、こうした背景と無関係ではないと思われます。





      ユーロドルで1.21台半ば、ユーロ円で96円半ばまで下落したことで、市場の関心はいよいよ「1.20割れと


      95円割れ」に集まってきました。


      欧州の現在の状況が続く限り、「大台割れ」は時間の問題かと思います。


      その理由は欧州の直面している問題だけではなく、世界的な景気減速懸念が強まってきたことも挙げることができます。





      世界的な景気減速懸念の震源地は欧州ですが、景気減速を避けるため、ユーロ圏、イギリス、中国に加え、

      昨日は韓国とブラジルでも政策金利の引き下げが行われ、正に世界中で「追加緩和競争」が進んでいる状況です。


      日米ではとうの昔に政策金利は「ゼロ」に近いことから、利下げ余地はありません。


      そのため市場に潤沢な資金を供給し、金利低下を狙った「資産買い入れ」を大規模に行っています。


      その結果、日米の長期金利は記録的な水準にまで低下しています。


      米長期金利は6週間ぶりに1.478%まで低下し、日本のそれは約9年ぶりの水準となる0.765%まで


      低下して来ました。


      世界的に「安全志向」が強まってきたことが、株価の下落に繋がりさらに長期金利押し下げる効果を生んでいます。


      もっとも、だぶついた資金は「商品市場」や「穀物市場」へ流れ込み、価格を急騰させるという副作用も生んでいます。





      本来金利の低下は景気を刺激したり、株価の上昇に繋がりますが、株式市場は「笛吹けど踊らず」といった状況が


      続いています。


      日本の3大証券によるインサイダー問題、欧州ではバークレイズを中心とするLIBOR金利の操作問題、さらに米国では


      大手米銀のデリバティブによる巨額損出と、本来金融市場をリードしていかなければならない「主役」たちによる


      混乱が続いています。


      「リスクオフ」の状況がしばらく続くと見られることから、円とドルが買われ易い地合いはしばらく変わらいと


      考えられます。






      梅雨もあと2週間程度で終わろうかと思いますが、九州地方は未曾有の豪雨に被害が拡大しています。


      昨日、大分、熊本で降った雨量が関東地方を襲ったらどのような被害になるのか考えたらぞっとします。


      自然の力はわれわれが想像するより遥かに強力だということを、災害が起こるたびに思い知らされます。


      良い週末を・・・・。












      What's going on ?」とは・・・
      会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
      為替はさまざま事が原因で動きます。
      その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


      日時 発言者 内容 市場への影響
      7/4 ラガルド・IMF専務理事 (米景気について)「状況が悪化した場合、FOMCによるさらなる緩和策が必要になるかもしれない」ワシントンで。 ----
      7/7 ラガルド・IMF専務理事 (日本の単独市場介入について)「状況次第だ」と述べ、一定の条件で容認できるとの認識を示す。(日経新聞とのインタビューで) ----

      ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


      What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

      What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

      What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和