今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年8月22日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は79円台半ばから「ジリ安」となり79円台前半まで下落。
    ユーロドルで「ユーロ高ドル安」が急速に進んだことで、対円でも
    ドルが売られる。ドル円は79円20−30銭と、この日の安値圏で引ける。
  • ユーロが、対円、対ドルで約1ヵ月振りの高値を記録。
    スペインの短期債の入札が好調だったことから、同国の国債利回りが低下
    したことや、ドイツがギリシャ支援を巡り譲歩の姿勢を見せるなど、
    ユーロに対する楽観論が台頭し、ユーロ買いが加速。
    ユーロドルは7月初旬以来の1.24台後半まで買い戻しが進む。
  • 株式市場は反落。朝方は堅調に推移していた株価はアップル株などが
    下落に転じると、歩調を合わせ下落。ダウは68ドル安で取引を終える。
  • 債券相場は小幅に反発。株安から買い物を集め10年債利回りは
    小幅に低下し1.80%台に。
  • 金価格は大幅に続伸し1640ドル台を回復。原油も小幅ながら続伸。


    ドル/円79.23 〜 79.52
    ユーロ/ドル1.2421 〜 1.2488
    ユーロ/円98.71 〜 99.18
    NYダウ−68.06 → 13,203.58ドル
    GOLD+19.90 → 1,642.90ドル
    WTI +0.71 → 96.68ドル
    米10年国債−0.009→ 1.802%



    本日の注目イベント

    • 日   7月貿易統計
    • 米   FOMC議事録(7/31〜8/1日分)
    • 米   7月中古住宅販売件数
    • 加   カナダ6月小売売上高



      ユーロドルが約6週間ぶりに1.24台後半まで買い戻されています。


      これまで1.23台半ば辺りまでは上昇する場面はあったものの、ギリシャ問題やスペイン国債の不安定さ


      から、ユーロ買い戻しは限定的でした。


      根底には、「欧州危機はそう簡単には解決できない」といった「一種の安心感」のようなものがあり、


      あわててユーロを買い戻すような状況でないといったムードが支配的だったからです。





      基本的にその見かたは変わってはいないものの、昨日はスペイン国債の短期債入札が好調だったことや、


      メルケル政権与党の幹部がギリシャ支援を巡り、サマラス・ギリシャ首相が救済プログラムの主目標の達成に


      意欲を示す限り、救済に関する幾分の譲歩は可能だとの考えを示したことでユーロ買いが加速しました。


      ユーロドルは1.240辺りに「8時間足の200日移動平均線」があり、そこを抜けるとストップロスの


      ユーロ買いを巻き込む形で上昇し、NYでは1.2488までユーロ高が進みました。





      明日からは、独仏に加えギリシャ首相も含め首脳会談が予定されていることも、ユーロ買いに拍車をかけた格好に


      なったと思われます。


      ドイツでは中央銀行であるブンデスバンクが反対の姿勢を見せてはいるものの、ECBが9月の理事会では


      スペイン国債購入など、何らかの対策を打ち出してくるとの観測もあります。


      また、それを裏付けるかのように、ECBのアスムセン専務理事がドラギ総裁の南欧諸国の国債購入プランを


      支持すると語った、という報道もありました。


      昨日も述べたように、9月には欧州危機を巡る様々なイベントが予定されています。


      10月にはスペイン国債の大量償還を控えていることから、9月にはある程度欧州危機解決に向けた行動が取られる


      のではないかといった楽観論が急速に台頭したものと理解しています。





      独仏首脳会談でどのような話し合いがなされるのか、またギリシャの債務削減計画を巡る条件緩和が承認されるのか、


      さらに9月6日のECB理事会でどのような防衛策が打ち出されるのか、蓋を開けなければ分かりませんが、そろそろ


      時間稼ぎも限界で、具体的な行動をとる時期にも来ていると思われます。





      ドル円は79円台を維持しているものの、徐々に上値が重くなりつつあります。


      79円台半ばから80円にかけては実需のドル売りや、根強い円先高観に基づいたドル売りも並んでいる


      ように思います。


      昨日のユーロドルの様に、一気にドル買い戻しが進み、ストップロスのドル買いを巻き込むような展開になれば


      しっかり80円台に乗せて、80円台を維持するような流れになることも考えられますが、ユーロドルの様に


      投機的な「円買いドル売り」のポジションはそれ程積み上がってはいません。





      先週発表になったシカゴ先物市場の「円の建て玉」では、やや円買いが増えて3万枚を超えていました。


      ここから推測できるのは、投機筋はいずれ「円高ドル安に振れる」と予想しているということになります。


      従って、ドルがさらに上昇し80円台に乗せるような展開になれば、ストップロスの円売りドル買いが持ち込まれる


      ことになり、ドル円をさらに円安方向に持ち上げる要因になります。


      その可能性はありますが、ユーロに比べポジションの積み上がりは1/4程度しかなく、大きな波乱要因には


      なりにくい状況と言えます。


      裏を返せば、投機筋にとっても変動率(ボラティリティー)が低く、先を読みにくい円は「扱いにくい通貨」


      なのかも知れません。





      ドル円は8月16日に79円台に乗せて以来、ちょうど1週間79円台を維持しています。


      その意味では健闘していると言えなくもありませんが、どこまでこの水準を維持できるかどうかです。


      円は対ドルだけでは無く、ユーロなど他の主要通貨に対しても一時に比べ「円安傾向」が続いています。


      小康状態が続いている欧州危機に対して、ECBなどが臨戦態勢を敷いてきたことで「リスクオン」の


      状況になり、低金利の円が売られ易くなっていると考えられます。


      今後、ドル円が再び78円台前半に戻るのか、それとも79円台を固める動きになるのかは欧州情勢に大きく


      左右させられます。


      同時に忘れてはならないのが来週末に行われるジャクソンホールでの「バーナンキ講演」です。












      What's going on ?」とは・・・
      会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
      為替はさまざま事が原因で動きます。
      その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


      日時 発言者 内容 市場への影響
       8/7  ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「相当な規模の量的緩和プログラムを無制限に実施すべきだ」CNBCのインタビューに答えて。 ----
       8/8  フィッシャー・ダラス連銀総裁 「金融当局は役割を果たした。われわれは十分やった。単に追加緩和を講じるだけでは問題は解決しない」ブルームバーグのインタビューに答えて。 ----
       8/8  ショイブレー・独財務相 「われわれは新たな別のプログラムを作れない」「限度というものがある」ギリシャへの新たな支援について語った。 ----

      ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


      What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

      What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

      What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和