今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年9月7日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ADP雇用者数が市場予想を大きく上回ったことからドル円は
    上昇、2週間ぶりに79円台に乗せる場面も。さらにECBが事前予想通り
    国債の無制限買い取りを決めたことで、リスクオンの流れが加速。
    ユ−ロ円など「クロス円」が買われ円を押し下げた。
  • ECBは無制限の国債購入を決めたが、既に織り込まれていたことから
    ユーロドルは1.26台前半から1.25台半ばまで下落。その後欧米の
    株価が急騰したことからリスクオンの流れに添って再び1.26台前半まで
    買われて引ける。
  • 株式市場は大幅に続伸。欧州危機拡大にブレイキがかかるとの見方に加え、
    ADP雇用者数など米経済指標が軒並み好転したことを好感し全面高の様相に。
    ダウは前日比244ドル上昇し、引け値でもリーマンショック後の高値を更新。
  • リスクオンの流れと、株価の急騰から安全資産の債券は売られる。
    10年債利回りは大幅に上昇し1.67%台に。
  • 金は反発し、引け値でも1700ドルを回復。原油価格は小幅に続伸。
  • 8月ADP雇用者数 → 20.1万人
  • 8月ISM非製造業景況指数 → 53.7
  • 新規失業保険申請件数 → 36.5万件


    ドル/円78.47 〜 79.04
    ユーロ/ドル1.2561 〜 1.2652
    ユーロ/円99.08 〜 99.80
    NYダウ+244.52 →13,292.00ドル
    GOLD+11.60 →1,705.60ドル
    WTI+0.17 →95.53ドル
    米10年国債+0.080 →1.676%



    本日の注目イベント

    • 豪   豪7月貿易収支 (市場予想 → −3億豪ドル)
    • 日   7月景気動向指数 
    • 独   独7月貿易統計 (市場予想 → −+153億ユ−ロ)
    • 独   独7月鉱工業生産(市場予想 → 0.0%)
    • 欧   ギリシャ4−6月期GDP(改定値)
    • 欧   コンスタンシオ・ECB副総裁講演
    • 英   英7月鉱工業生産(市場予想 → 1.8%)
    • 英   英8月生産者物価指数(市場予想 → 1.2%)
    • 米   8月雇用統計(市場予想 → 失業率 8.3%、非農業部門雇用者数 12.7万人)
    • 加   カナダ8月失業率(市場予想 → 7.3%)



      大方の予想通り、ECBはスペインなどの国債を「無制限で購入」することを理事会で決定しました。


      ドラギ総裁は決定後の記者会見で、「国債購入の対象は償還までの期間が1−3年の国債で、既発債で


      残存期間がこれに当てはまるものも含まれる。購入後は不胎化措置を実施し、通貨供給量への影響を完全になくす。


      ECBは購入した債券について優先債権者とはならない」と説明していました。





      結局理事会で反対票を投じたのは、ドイツ連銀のバイトマン総裁だけだったようです。


      理事会の審議事項についての投票権は、ユーロ圏最大の経済規模を誇るドイツ連銀でも1票です。


      オランダやフィンランドなども反対に回る可能性があると思っていましたが、ドラギ総裁の根回しや、説得が


      効を奏したようで、これまでに何度か市場に流れてきた「対応策」で決まってしまい、特に「サプライズ」は


      ありませんでした。





      そのため、ユーロドルは1.2651を記録した後、決定内容が発表されると多少の「失望感」を伴って


      1.25台半ばまで約100ポイントも下落しています。


      その後は欧米株価の急上昇を背景に再び1.26台前半まで値を上げていますが、これまで何度を述べてきた


      「週足」のトレンドラインである1.263−50のレベルを完全に抜けてはいません。


      今後の注目はスペインが支援を要請するのかどうかに焦点が移ります。またその際に国債を購入する「条件」


      がどのような厳しい内容になるのかも注目されます。


      申請国の国債を購入することで、その国の国債の価格が安定し、市場からの資金調達を容易にさせてやることが


      できますが、ECBが購入した国債は最優先の順位が保証されていないことから、もしその国がデフォルトに


      陥った場合、ECBに与える影響も少なくなく、中央銀行の健全性が懸念されます。


      市場がこのあたりを読んでいることから、足元ではユーロドルの上昇が抑えられているように思えます。





      昨日の一連のイベントの中でむしろ「サプライズ」であったのはADP雇用者数でした。


      市場の予想を大きく上回る20万1千人の増加でした。


      この内容に、本日の「雇用統計でもひょっとしたら?」との観測をうみ、「追加緩和」期待が急速に後退したことで


      ドル買い円売りに繋がっています。


      ドル円はここ2週間、78円台前半から半ばの狭いレンジでほとんど動いていませんでした。


      ADP雇用者数だけではなく、昨日はISM非製造業景況指数など他の経済指標も好調だったことで


      株価の急騰、債券価格の下落に伴い長期金利が下落、そしてドル円ではドル高に振れています。





      問題は今夜の「8月雇用統計」です。


      昨日の流れからすると「市場予想を上回る」可能性の方がやや分がありますが、安心はできません。


      今夜の数字が15万人を超えるようだと、もう一段ドル高円安に振れるかもしれません。


      ただ、個人的には仮に今夜の雇用統計の内容が良くても、来週のFOMCでは何らかの景気対策に動くのではないか


      と予想しています。


      仮に今回の内容が15万人を超えていても「雇用の一定以上の増加が定着」したわけではないからです。


      これまで1−3月が好調で、4−6月が悪化、そして7月が好調だったわけですが、今回良い数字がでても


      「2ヵ月連続」になりますが、「トレンド」と判断するには早すぎます。


      好調な数字に踊らされ、今回対策を見送った場合には政治日程的にも今後動けなくなります。


      後で後悔をしないためにも、FRBは「QE3」を見送っても、ゼロ金利政策の延長など、何らかのアクションを取る


      のではないかと予想しています。





      ドル円の上値のポイントは79円05−30銭辺りです。


      「日足」では一目均衡表の「雲」と、「200日移動平均線」があります。


      さらに79円66銭には「120日移動平均線」もあり、ここを明確に抜けると「MACD」もゼロの軸を超え、


      上昇に弾みがつく可能性もあります。


      まだまだ超えなければならない「ハードル」がありそうです。







      民主、自民ともに代表選に向けて候補者が「雨後の竹の子」のように出てきました。


      昨日までの味方が、明日は敵になりそうな険悪な状況も生まれつつあります。


      「政治の世界は一寸先は闇だ」とうまいことを言った政治家もいましたが、


      毎度の事ながら「国民のために・・」という言葉が連呼されます。


      この言葉の賞味期限の短さを多くを国民が知っています。


      良い週末を・・・・。












      What's going on ?」とは・・・
      会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
      為替はさまざま事が原因で動きます。
      その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


      日時 発言者 内容 市場への影響
       8/31  バーナンキ・FRB議長 「注意深く検討した場合、非伝統的な政策のコストは管理可能なようだ。それは経済状が正当化すればそのような政策を追加で実施する可能性を排除すべきでないことを意味する」ジャクソンホールでの講演で。 ドル円78円半ば→78円台前半に。
       9/6  バイトマン・独連銀総裁 「市場介入の購入が、金融政策によってユーロ圏の物価安定を守る能力を脅かすことを許してはならない」ECBの国債購入に反対票を投じて。    -----   

      ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


      What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

      What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

      What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和