2012年9月27日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 欧州危機の拡大懸念から円とドルが買われ、ドル円は77円台半ば
から後半で推移。77円半ばがサポートされている一方、上値は限られ
緩やかな円高が続く。 - スペイン、ギリシャなどで大規模なデモが行われたことから、ユーロ
ドルは下落。1.28台前半まで下落し、対円でも100円を割り込む。
デモを受けスペイン国債が売られ、同国の10年債利回りが6%を超えたことも
ユーロ売りを加速。 - スペインでのデモを嫌気して株価は続落。ダウは前日比44ドル下落し
1万3400ドル台に。 - 債券相場は8日続伸し、10年債利回りは1.61%台まで低下。
欧州危機の拡大懸念から安全資産への需要が高まる。 - 金、原油はともに続落。原油価格は約2ヵ月ぶりに90ドルの大台を
割り込む。 - 8月新築住宅販売件数 → −0.3%
ドル/円 77.69 〜 77.91 ユーロ/ドル 1.2835 〜 1.2875 ユーロ/円 99.72 〜 100.09 NYダウ −44.04 →13,413.51ドル GOLD −12.80 →1,753.60ドル WTI −1.39 →89.98ドル 米10年国債 −0.061→1.610%
本日の注目イベント
- 中 中国8月工業利益
- 独 独9月雇用統計
- 欧 ユーロ圏8月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏9月消費者信頼感
- 欧 メルケル・独首相講演(ベルリン)
- 英 英4−6月GDP(確報値)
- 米 4−6月GDP(確報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 8月耐久財受注
- 米 8月中古住宅販売成約指数
ギリシャではサマラス現政権になって初となる大規模なデモが行われました。
首都アテネでは7万人規模にまで膨らみ、さらなる歳出削減策に抗議を行い、一部が暴徒化したようです。
EU、IMF、ECBのトロイカが財政状況を調査し、次の支援を行うかどうかの判断がされる状況での
今回のデモは、今後の追加支援を巡る動きに悪影響を与えることにも繋がりかねません。
さらにスペインでもデモが行われ逮捕者まで出ています。
このため欧州各国の株価が下落し、これまで5%台半ば近辺で安定していたスペインの長期債が再び売り圧力に
さらされ、6%を超える水準にまで金利が急騰(価格は下落)しています。
また、ドイツ、オランダ、フィンランドの財務相は、域内の救済基金は銀行の資本増強に関して役割が
限定されるべきだとの認識で一致し、「まず民間資本、次いで各国の公的資金を使い、ESMは最後の手段として
のみ活用するといった基本的な順序に従った手段で行われるべきだ」と指摘しています。
これらの出来事を総合すると、「ユーロ危機は依然収束しないのでは」といった見方が台頭し、再びユーロ
が売り込まれ、安全通貨であるドルと円が買われるといった典型的な「リスクオフ」の様相となってきました。
また米国では「ハト派」の代表格であるエバンス・シカゴ連銀総裁が講演で、「追加緩和」にさらに前向きな
発言をしています。
同総裁は「追加緩和」は20万人以上の雇用者の増加が数四半期続くまで継続すべきだ、と述べ「追加緩和」を継続する
際の基準を明確にしたとも言える発言を行いました。
先週、同じく「ハト派」の一人である、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁が「失業率が5%以下になるまで
追加緩和を継続すべきだ」と発言したことと併せて、基準が明確になったと言えます。(参照:下記What's going on)
今後の雇用統計を見る上で「失業率は5%以下、非農業部門雇用者数は20万人以上の増加」が、一つの基準と
して意識されることになりそうです。
このような発言はドル円での円買いに圧力に繋がり、ドル円の上値を抑える効果に繋がり易いと思われ、
米長期金利の低下傾向と相まって円高を長引かせることになります。
昨日の米10年債利回りは1.61%台まで低下し、約3週間ぶりの水準を記録しています。
こうなると、ユーロもドルも買えないということから円買いが活発になり、ドル円だけではなく、クロス円全般でも
円高傾向が強まります。
ドル円が77円台半ばであることから、さらに円高ドル安が進むと政府・日銀の介入も十分考えられますが、
懸念されるのは、上記状況が今後にも続くと、介入だけでは円買いの流れを変えることが難しくなってくるということです。
日銀がいくら円売りドル買いを行っても、欧州危機の収束が見られず、米労働市場の改善が確認されない限り、市場の流れは
変わらないということにもなります。
その意味で来週末の米雇用統計は今から注目されますが、もし改善傾向が遅れているようなら「QE4」という
言葉が議論される状況にもなりかねません。
日銀もさらに「追加緩和」を実施せざるを得ない状況に追い込まれる可能性もあります。
昨日、安倍元首相が第25代自民党総裁に選出されました。
安倍氏は、昨日の会見でも「追加緩和」をさらに積極的に行い、3%のインフレ率を目指すと述べていました。
これが実現すれば市場の流れは大きく転換することになりますが、その実現がそう簡単でないことは
衆目の一致するところです。
今後はそのための具体的政策についての考えを聞きたいと思いますが、どちらにしろ日銀に対するプレッシャーが高まる
ことは間違いありません。
ドル円の77円半ばと、その下の77円13銭をいつ試すのか目が離せませんが、ここからドル売りを仕掛ける方も
相当なリスクを覚悟しなければなりません。
ひょっとしたら、来週の雇用統計まで77円10銭〜78円50銭程度のレンジが続くのかもしれません。
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響 8/31 バーナンキ・FRB議長 「注意深く検討した場合、非伝統的な政策のコストは管理可能なようだ。それは経済状が正当化すればそのような政策を追加で実施する可能性を排除すべきでないことを意味する」ジャクソンホールでの講演で。 ドル円78円半ば→78円台前半に。 9/6 バイトマン・独連銀総裁 「市場介入の購入が、金融政策によってユーロ圏の物価安定を守る能力を脅かすことを許してはならない」ECBの国債購入に反対票を投じて。 ----- 9/13 バーナンキ・FRB議長 「緩和解除をいそがないだろう。景気はかなり底堅くなるのを時間をかけて確かめる」QE3決定後の記者会見で。 ドル円78円半ば→78円台前半に。 9/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「より緩和的は金融政策を提供するもので、米経済が回復力を獲得する上で役立つ」FOMCでの「QE3」実施について。 ----- 9/19 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「大規模な資産購入の有効性を疑問に思う」「われわれがやっていることは雇用に影響を与えていない」FOMCでの「QE3」実施について。 ----- 9/20 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 「FOMCが物価安定の責務を果たし続ける限り、失業率が5.5%を下回るまではFF(フェデラルファンド)金利誘導目標を異例の低水準に据え置くべきだ」講演で。 ----- 9/20 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁 「1ヵ月あたり400億ドルのMBSを購入するQE3は、米国経済に限定的な影響しかない可能性がある」講演で。 ----- 9/25 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「「追加の資産購入が経済成長や雇用に大きなプラスとなることはなさそうだ。そうした行動が労働市場や景気回復ペースに実質的な効果をもたらすという考え方を広めるのは、金融当局の信頼性をリスクにさらす」講演で。 -----
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)
What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)
What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)



