今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年11月9日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は大幅に下落。依然として財政の崖問題が意識されたことに加え、
    EU財務相らがギリシャ向け支援の支払いを「数週間」先送りする方針を
    示したことから、「リスクオフ」が一段と加速。ドル円はNY市場で
    79円32銭まで下落し、その他主要通貨に対しても全面高。
  • ユーロドルもギリシャ情勢を睨みながら神経質な展開が続く。ギリシャへの
    支援の遅れを材料に、一時1.2713までユーロ安が進むが、その後は
    1.27台前半から半ばでもみ合う展開に。
  • 株式は大幅に続落。財政の崖と、欧州危機の拡大懸念が重しとなり、ダウは
    前日の大幅な下げに続き121ドル安。引け値でも7月以来となる1万2800ドル台まで
    下落する。アップル株の下落が止まらず、市場全体の雰囲気を悪くしているとの声もある。
  • 債券相場は続伸。株価の大幅下落と、30年債入札が好調だったことから債券への
    需要が拡大。10年債利回りは1.61%台まで低下。
  • 金と原油は前日の急落の反動もあり小幅に反発。
  • 新規失業保険申請件数 → 35.5万件
  • 9月貿易収支 → 415億ドルの赤字



ドル/円79.32 〜 79.94
ユーロ/ドル1.2717 〜 1.2759
ユーロ/円101.03 〜 101.92
NYダウ−121.41 →12,811.32ドル
GOLD+12.00→1,726.00ドル
WTI+0.65 →85.09ドル
米10年国債−0.031 →1.610%



本日の注目イベント

  • 豪   RBA四半期金融政策報告
  • 日   10月マネーストック
  • 中   中国10月消費者物価指数
  • 中   中国10月生産者物価指数
  • 中   中国10月鉱工業生産
  • 中   中国10月小売売上高
  • 独   独10月消費者物価指数(確定値)
  • 米   11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)





ここしばらくドル円では緩やかな「ドル高円安」傾向が続くのではないかと予想しています。


円安要因が顕在化し、ドル円の動きそのものが、これまでの動きとは異なってきたと感じていることが


背景ですが、同時にここが「正念場」であるとも指摘してきました。


80円台が定着するか、あるいは再び77円に向けて円高方向に戻ってしまうのか「分水嶺」でもあると


述べてきました。





それは依然として「二つの円高材料」が懸念されたからです。


一つは、ご承知のように「財政の崖問題」です。


オバマ大統領は再選が決まり、勝利演説を行った足でホワイトハウスに向かい、すぐさま「2期目」の


執務に移りました。


翌日には共和党が多数を占める下院のベイナー議長に電話を入れ、「財政の崖問題」解決に向けて妥協点を探り


ました。


同議長はオバマ大統領の言葉に前向きの返事をしながらも、譲れない部分を主張することも忘れてはいませんでした。





同議長は昨日の演説でも、富裕層に対する減税を止め、中間層と低所得層に対してのみ減税を継続したいとする


大統領の政策に対して、富裕層を含め全てを所得者に対して減税を継続することに言及しています。


市場はこのような状況を敏感に読み取り「財政の崖問題」の解決は困難との見方から連日株式を売却し、


安全資産である債券を購入し、その結果長期金利が低下し、ドル安円高に振れてる状況になっています。





二つ目は欧州危機の再燃懸念です。


ギリシャでは緊縮財政法案が議会で可決されたことで、同国に対する支援融資がスムーズに行われると思われていましたが、


昨日の報道では、ユーロ圏財務相らは12日の会合ではギリシャ向け支援資金の支払いを承認しないと伝えられ、ユーロが


大きく値を下げています。「リスク回避」の流れが加速したため、安全通貨である円が対ドルやユーロなどで買い戻され、


円全面高の展開になっています。





ドル円は昨日のNY市場で節目と見られていた79円60銭を割り込み、ストップのドル売りも巻き込み79円32銭まで


下落しています。


重要な節目を割り込んだことで、再びドルの上値が重くなりつつあります。


テクニカルでは次の重要な節目は「週足」の52週線から読み取れる79円14銭です。


この水準を割り込み、さらに79円台を割るようなことになると、さすがに円先安感は大きく後退すると思われます。


懸念された二つの円高材料が一気に表舞台に出されたことで、ドル円の先行きが混沌として来ました。





ユ−ロ円も約3週間ぶりに101円台前半まで下落し、堅調に推移していた豪ドル円もさすがに値を下げています。


そんな中でも救いは米経済指標の改善傾向ですが、ここでリセッションを示す内容に変化するようだと、ドル円は


「元の鞘」に戻る可能性が急速に高まります。


FRBが「QE4」に言及するシーンが現実味を帯びてくるからです。







長期間にわたった大統領選が終わりました。


今回の選挙で分かったことの一つに、メディアの報道が日米で大きく異なることです。


本来メディアは事実を伝えることが使命で、中立と思っていましたが、


多くの米メディアは「自社はオバマ支持」とか「ロムニー支持」を


打ち出していました。


日本ではなかなか考えられないことです。


街頭でのインタビューでも支持者名をはっきりと言う人がほとんどです。


物をはっきりと言う米国の文化はこのあたりから来ているのでしょうか・・・。


良い週末を・・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「FRBは失業率が7.25%に低下するまでMBS購入を継続し、失業率が6.5%に下がるまでFF金利の誘導目標をゼロ近くに維持すべきだ」講演で。 -----
11/5 レーン・欧州委員 「12日にブリュッセルで開催されるユーロ圏財務相会合でギリシャに関する決定を行う必要がある」G20後の記者会見で。 -----
11/6 ラホイ・スペイン首相 「支援要請でスペイン国債の利回りがどれだけ下がるか知る必要がある」スペインのラジオ局で。 -----
11/7 ドラギ・ECB総裁 「最新のデータは他国での展開がドイツ経済に影響し始めていることを示唆している」フランクフルトの会議で。 ユーロドル1.28台前半から→1.27台半ばに

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和