今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年11月12日(月)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米財政の崖問題と、ギリシャを巡る支援融資の不透明感から
    円が買われ、ドル円はNYで79円10銭、欧州市場でも
    79円07銭まで円高ドル安が進む。米経済指標の改善を手掛かりに
    引け値では79円台半ばまでドルが反発して越週。
  • 「リスク回避」の流れが収まらず、ユーロは引き続き上値の重い展開が
    続き、対ドルでは1.26台後半まで下落し、9月7日以来約2ヵ月振りの
    ユーロ安水準を示現。ユーロは対円でも一時100円台半ばまで下落。
  • 米株式市場は3日振りの小幅反発。消費者マインドが5年ぶりの高水準
    だったことを好感してダウは4ドル高。
  • 債券相場は3日続伸。財政の崖問題を懸念して引き続き需要が好調。
    10年債利回りは1.60%台まで低下。
  • 金、原油価格はともに続伸。金は直近底値から50ドルを超える
    反発。
  • 11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 84.9



ドル/円79.10 〜 79.53
ユーロ/ドル1.2690 〜 1.2727
ユーロ/円100.43 〜 101.19
NYダウ+4.07 →12,815.39ドル
GOLD+4.90→1,730.90ドル
WTI+0.98 →86.07ドル
米10年国債−0.010 →1.600%



本日の注目イベント

  • 日   7−9月GDP(速報値)
  • 中   中国10月マネーサプライ(10/15までに発表)
  • 欧   ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
  • 欧   クノット・オランダ中銀総裁講演
  • 欧   デギンドス・スペイン財務相、欧州議会委員会に出席
  • 米   ベテランズデー(債券市場は休場)





引き続き「財政の崖」問題とギリシャへの支援融資を巡る不透明さから、株式市場を中心に「リスク回避」の


流れが継続され、為替ではドルと円が買われています。


円はドルだけではなく主要通貨全般に対しても買われ、ドルは対ユーロなどでは続伸しています。





「財政の崖」問題では、オバマ大統領は富裕層への減税は打ち切り、中間、低所得層への減税は継続したいと


主張しているのに対し、共和党のベイナー下院議長は全ての所得層の減税継続を主張しており、両者の主張には


隔たりがあります。


しかし、9日両氏はそれぞれ別々に会見し、現行の税率を維持する一方で、歳入増加のため富裕層向けの

税優遇措置を限定することで合意する可能性が浮上したと、ブルームバーグは伝えています。





オバマ大統領にとっては富裕層への増税要求を可能にするものであると同時に、ベイナー議長にとっては、自らが


「容認できない」とする税率引き上げを回避できる方策になるのではないかとの期待もあり、今後の大きな


焦点になりそうです。


米国の「財政の崖」問題は早くから指摘されており、大きな懸念材料と見られていましたが、一方で多くの


市場関係者はそれが「実際に起こる可能性は極めて低い」と考えているようです。


「財政の崖」が実際に起きれば、米景気の急激な後退が世界中の景気に影響を与え、最も悲観的な識者は

「最悪のケースでは1929年の世界恐慌の再来になる」と指摘する人もいます。





先週のNY株式市場の大幅下落を見ると、確かに恐怖感を覚えますが、当時とはIMFなど安全網の態勢や


中央銀行同士の結びつきなどが大きく異なり、現実的ではないと考えます。


上記両首脳も、お互いの主張が「恐慌」に繋がることを望むわけもありません。


どこかで妥協点を探ってくるものと思われます。





もう一方の懸念材料であるギリシャ問題についても、ブルームバーグは「ギリシャ議会は12日、2013年予算案


の採決を開始し、賛成票が可決に十分な151票に達した」と報じるとともに、「ギリシャ財務当局者は、11月末


までに次回の融資が実行されると予想」といった内容の報道を行っています。


ただし、これはあくまでもギリシャ側の希望であって、実際に融資するかどうかは、いわゆる「トロイカ側」が決定する


ことになるわけで、これについては10日付の独紙が「ショイブレ独財務相は、ユーロ圏財務相が12日の会合で


ギリシャへの融資実行を決定できないだろうとの見通しを明らかにした」と伝えています。





このように、ギリシャを巡る問題は依然不透明です。


ギリシャは今週末にも資金が枯渇すると見られており、同国財務省は短期国債を発行してこの危機を「しのぐ」と


見られています。





今後の為替相場を予想する上で、上記2つの懸念材料の行方が全てを決定します。


ハードランディングになるのか、ソフトランディングに落ち着くのかで円がさら強含むのか、再び80円台に


向かうのかが決まってきます。


今週はその意味で注目材料の発表が多くあります。


明日のEU財務相会合を始め、スペイン、ギリシャなどのGDPの発表も控えており、特にユーロが神経質な動きに


なるのではないかと予想しています。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「FRBは失業率が7.25%に低下するまでMBS購入を継続し、失業率が6.5%に下がるまでFF金利の誘導目標をゼロ近くに維持すべきだ」講演で。 -----
11/5 レーン・欧州委員 「12日にブリュッセルで開催されるユーロ圏財務相会合でギリシャに関する決定を行う必要がある」G20後の記者会見で。 -----
11/6 ラホイ・スペイン首相 「支援要請でスペイン国債の利回りがどれだけ下がるか知る必要がある」スペインのラジオ局で。 -----
11/7 ドラギ・ECB総裁 「最新のデータは他国での展開がドイツ経済に影響し始めていることを示唆している」フランクフルトの会議で。 ユーロドル1.28台前半から→1.27台半ばに
11/8 ドラギ・ECB総裁 「決定は完全にスペインとスペイン政府次第だ。ECBは事前にいかなる保証もできない」スペインの支援要請に関して。  ----- 

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和