今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年11月22日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 円は主要通貨に対してさらに下落。ドル円は欧州市場で82円台に乗せた後、
    NY市場では82円56銭まで円売りが進む。日本の貿易収支の赤字幅拡大や、
    根強い緩和期待が円売りを主導しているが、急ピッチな円安にやや警戒感も
    台頭。
  • ユーロ圏財務相会合ではギリシャ支援を巡る結論は出ず、ユーロドルは
    一旦1.28台前半から1.27台前半まで急落したが、その後急速に切り返し
    元の値位置に戻す。
  • 株式市場は反発。ギリシャ支援問題では悪材料だったものの、イスラエルと
    ハマスの停戦を好感しダウは48ドル高。
  • 債券相場は続落。ギリシャ支援では合意に至らなかったものの、依然見通しは
    楽観的。10年債利回りはほぼ2週間ぶりに1.68%台に。
  • 金、原油はともに小幅ながら反発。
  • 新規失業保険申請件数 → 41.0万件
  • 11月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値) → 82.7
  • 10月景気先行指数 → +0.2%



ドル/円82.28 〜 82.56
ユーロ/ドル1.2801 〜 1.2834
ユーロ/円105.41 〜 105.83
NYダウ+48.38 →12,836.89ドル
GOLD+4.60 →1,728.20ドル
WTI+0.63 →87.38ドル
米10年国債+0.015 →1.683%



本日の注目イベント

  • 中   中国 11月HSBC製造業PMI
  • 独   独11月製造業PMI
  • 独   独11月サービス業PMI
  • 欧   EU首脳会議(23日まで)
  • 欧   ユーロ圏11月製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏11月サービス業PMI
  • 欧   ユーロ圏11月消費者信頼感指数(速報値)
  • 欧   スペイン長期債入札
  • 米   NY市場休場(サンクス・ギビング・デー)
  • 加   カナダ9月小売売上高





円の下落は止まらず、海外市場では82円台半ばまでドル円は上昇しました。


日米共に祝日を控え、ドルの上昇も急ピッチであることから、そろそろ「調整」の動きも予想されましたが、


昨日のこの欄で指摘したように「海外主導の円売り」に、円は対ドルだけではなく、対ユーロや豪ドル、あるいは


ポンドに対しても弱含んでいます。





昨日朝方に発表された日本の10月貿易収支では、赤字幅が市場予想を上回っていたことからドル円は81円台半ば


から81円台後半まで円売りが加速しました。


そして、昼過ぎにはユーロ圏財務相会合ではギリシャ支援で合意に達しなかった、とのニュースが飛び込んでくると


ユーロドル、ユーロ円が急落しましたが、その後の切り返しもまた急でした。


円売りの流れは海外市場ではさらに加速し、ついに82円56銭まで円売りが進み、今年4月6日以来の


円安水準を記録しています。





これは今のところ、フィボナッチ・リトリースメントの76.4%にあたる82円52銭とほぼ一致しており、


もしここを頭に「調整」が始まれば「黄金比率」が機能したことになります。


(詳細は11/21付け今日のアナリストレポートを参照)


それにしても今週に入ってからの円売りの早さにはややとまどいもあります。


再三指摘している様に、テクニカル上では「週足」でも完全に上抜けしていることから、ドルがさらに上昇することを


示唆していますが、海外勢はこのテクニカルを中心にトレードを行っていることから、円に対する相場観を


転換させているものと思われます。





思い出されるのは今年の2月から3月にかけての急速な「ドル高円安」の動きです。


2月14日に実施された予想外の日銀による「追加緩和」に、ドル円は77円台から84円台まで、わずか一月足らずで


上昇しました。


84円台まで上昇した際には、「円は90円まで下落する」との見方も急速に台頭し、4年程続いた円高の流れが転換した


といった相場観も多く見られました。


その後、ドル円は緩やかでしたが徐々に下落していったことはご承知の通りです。


雇用を中心に米経済指標の急激な悪化に、FOMCメンバーの中のハト派が「QE3」への言及を開始し


米長期金利の低下を促し、その後大規模な緩和に踏み切ったことが背景でした。





足元の米景気はその当時とは異なり堅調ですが、一方でバーナンキ議長は慎重姿勢を崩してはいません。


FOMCメンバーの発言を総合すると、FRBが「出口戦略」を開始するメドは、失業率で5.5%〜7%、


雇用者数では、少なくとも半年以上の間20万人以上の増加が続くことが「必須条件」になっていると読むことも


可能です。また、現在の「ゼロ金利政策」を2015年半ばまで継続することも公言しています。


そのため、米長期金利は今でも1.68%台と、歴史的に見ても低水準に留まっているわけです。





このように考えると、テクニカル的には「ドル高への転換」の兆しを見せてはいるものの、ここからさらに無条件で

ドルを買っていいのか、迷う要因でもあります。


今回のドル高の勢いは、2月〜3月にかけてのそれとは異なっているのかもしれませんが、もうしばらく


慎重姿勢を維持したいと思います。


ただそれでも言えることは、「円高の終わり」は既に始まっているということです。





市場は「円安材料」には敏感で、それ以外には反応しない「イビツ」な状況になっています。


ここは冷静に対処したい水準かと思います。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「FRBは失業率が7.25%に低下するまでMBS購入を継続し、失業率が6.5%に下がるまでFF金利の誘導目標をゼロ近くに維持すべきだ」講演で。 -----
11/5 レーン・欧州委員 「12日にブリュッセルで開催されるユーロ圏財務相会合でギリシャに関する決定を行う必要がある」G20後の記者会見で。 -----
11/6 ラホイ・スペイン首相 「支援要請でスペイン国債の利回りがどれだけ下がるか知る必要がある」スペインのラジオ局で。 -----
11/7 ドラギ・ECB総裁 「最新のデータは他国での展開がドイツ経済に影響し始めていることを示唆している」フランクフルトの会議で。 ユーロドル1.28台前半から→1.27台半ばに
11/8 ドラギ・ECB総裁 「決定は完全にスペインとスペイン政府次第だ。ECBは事前にいかなる保証もできない」スペインの支援要請に関して。  ----- 
11/12 サマラス・ギリシャ首相 「われわれは一層の団結力を発揮し、決定的な2歩目を記した。これからわれわれが目にするのは回復と成長だ」2013年予想案を可決して。  ----- 
11/12 ユンケル・ユーロ圏議長 「ギリシャは行うべき事柄の多くを実行し、実現した野心的な改革プログラムと、2013年予算は印象的だ」ブリュッセルで記者団に。  ----- 
11/13 オランド・仏・大統領 「(ユーロ圏やIMFは)支援を加速すべきだ」ギリシャ支援について記者会見で。  ----- 
11/13 イエレン・FRB副議長 「ゼロ金利政策を2016年初めまで継続する可能性もある」カリフォルニア州バークリーでの講演で。  ----- 
11/19 白川・日銀総裁 建設国債を日銀が買い取る案に対して「IMFが発展途上国に助言をする際に、やってはいけないことのリストの最上位だ」記者会見で。  ----- 

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和