今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年11月29日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は、アジア市場で82円台から81円台後半に下落した流れを受け、
    81円68銭までドル安が進む。新築住宅販売件数が伸び悩んでいたことも
    円買いに繋がったが、「財政の崖」を巡る問題では楽観論が優勢だったことで
    ドルが反発し、82円台に乗せて引ける。
  • ユーロドルは4日振りに1.28台後半まで売られたものの、米株高
    などから「リスクオン」の流れに、1.29台半ばまで買い戻される。
  • 株式市場は大幅に反発。住宅関連指標の下振れで株価は下落して
    始まったものの、オバマ大統領とベイナー下院議長が財政協議での
    楽観的な見方を示したことが好感され、ダウは106ドル高。
  • 債券相場は3日続伸。5年債入札が好調だったことで、株価が
    上昇した影響も消化し価格は上昇。10年債利回りは1.63%に低下。
  • 金は大幅に続落し2週間ぶりの安値に。原油価格も3日続落。
  • 10月新築住宅販売件数 → 36.8万件



ドル/円81.68 〜 82.09
ユーロ/ドル1.2880 〜 1.2955
ユーロ/円105.27 〜 106.32
NYダウ+106.98→12,985.11ドル
GOLD−25.80 →1,716.50ドル
WTI−0.69 →86.49ドル
米10年国債−0.009 →1.630%



本日の注目イベント

  • 独   独11月雇用統計
  • 欧   ユーロ圏11月消費者信頼感(確報値)
  • 欧   プラート・ECB理事講演
  • 欧   アスムセン・ECB理事講演
  • 欧   イタリア・中長期債入札
  • 米   7−9月GDP(確報値)
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   10月中古住宅販売成約指数
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演(フランクフルト)





ギリシャの財政懸念を巡る問題は、ユーロ圏財務相が融資を行うことで合意したことを受け、一旦落ち着きを


取り戻した格好になっていますが、もう一つの懸念材料である米「財政の崖」問題では楽観、悲観、の両方の見方が


錯綜しており、依然予断を許さない状況が続いています。





オバマ大統領はホワイトハウスで、国会議員にメールやツイッターなどを通じて減税を延長する行動を起こすよう


国民に訴えました。


また、大統領は米ブラック・ロックなど、大手資産運用会社の経営者などとも非公式に会談を行った、と


ブルーム・バーグは伝えています。


一方ベイナー下院議長は、「財政の崖」を比較的早く回避できることを楽観視していると述べています。





このように「財政の崖」は回避できるとの楽観的な見方がある一方、クリントン政権で大統領首席補佐官を務めた


経験もあるボウルズ氏は、「本当に心配している。崖から落ちることもあり得ると考えている」と述べ、


オバマ大統領と議会が年末までに合意する確率を3分の1と予想しています。(ブルーム・バーグ)





市場関係者の多くも「最終的には崖を回避できる」との意見で一致しており、これが株高やドル高の背景になっている


と観られます。


ドル円は昨日のNY市場で81円68銭まで下落し、その後再び82円台に戻して引けています。


先週の高値である82円84銭から、1円を超える下落を見せたことで「調整を完了」した可能性もあります。


円は対ドルだけではなく、対ユ−ロなどのクロス円でも調整と観られる下落を終えたことで、再びスタート地点に戻った


と思われます。


今後は株価の動向や、上記「財政の崖」回避への進展などを見極めながら一進一退の展開になろうかと予想しています。


81円台半ばから下値が底堅い一方、82円台も半ばから上値では「しこり玉」も残っていそうで、上抜けするには


それなりのパワーが必要かと思われます。





国内では各メディアが、来月の衆院選に関する「世論調査」の結果を発表しています。


共通することは自民党の躍進と、民主党の凋落という構図です。


恐らくこの状態のまま来月16日の選挙に突入することになりそうですが、安倍総理誕生もいよいよ現実的に


なってきそうです。


安倍自民党総裁は自らの発言がドル高円安に繋がっていることで、舌の調子もますますなめらかになっています。


今朝の報道でも、「次元の違う新しい強力なデフレ脱却策をする」と述べており、市場もやや円安に反応しています。


これまで積極的に発言してきた様々な政策については、その実現性を疑問視する声も多くありますが、少なくても


本気で「円高を止める」という姿勢が感じられるのは、私だけではないと思います。





ただ、それでも仮に「世論調査」通り自民党が政権を奪回したら、さらに円安が進むかどうかについては何とも言えません。


既に相場には相当織り込まれている上、12月16日前後にドル円がどの水準で取引されているかにもよります。


市場は安倍総理誕生後に、これまで発して来たトーンが後退するようだとポジションの巻き戻しが起こる「Abe Risk」


も徐々に意識し始めています。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「FRBは失業率が7.25%に低下するまでMBS購入を継続し、失業率が6.5%に下がるまでFF金利の誘導目標をゼロ近くに維持すべきだ」講演で。 -----
11/5 レーン・欧州委員 「12日にブリュッセルで開催されるユーロ圏財務相会合でギリシャに関する決定を行う必要がある」G20後の記者会見で。 -----
11/6 ラホイ・スペイン首相 「支援要請でスペイン国債の利回りがどれだけ下がるか知る必要がある」スペインのラジオ局で。 -----
11/7 ドラギ・ECB総裁 「最新のデータは他国での展開がドイツ経済に影響し始めていることを示唆している」フランクフルトの会議で。 ユーロドル1.28台前半から→1.27台半ばに
11/8 ドラギ・ECB総裁 「決定は完全にスペインとスペイン政府次第だ。ECBは事前にいかなる保証もできない」スペインの支援要請に関して。  ----- 
11/12 サマラス・ギリシャ首相 「われわれは一層の団結力を発揮し、決定的な2歩目を記した。これからわれわれが目にするのは回復と成長だ」2013年予想案を可決して。  ----- 
11/12 ユンケル・ユーロ圏議長 「ギリシャは行うべき事柄の多くを実行し、実現した野心的な改革プログラムと、2013年予算は印象的だ」ブリュッセルで記者団に。  ----- 
11/13 オランド・仏・大統領 「(ユーロ圏やIMFは)支援を加速すべきだ」ギリシャ支援について記者会見で。  ----- 
11/13 イエレン・FRB副議長 「ゼロ金利政策を2016年初めまで継続する可能性もある」カリフォルニア州バークリーでの講演で。  ----- 
11/19 白川・日銀総裁 建設国債を日銀が買い取る案に対して「IMFが発展途上国に助言をする際に、やってはいけないことのリストの最上位だ」記者会見で。  ----- 
11/27 ユンケル・ユーロ圏議長 「きょう決定された全ての措置により、ギリシャの公的債務が持続可能な道筋に乗るは明らかだ。これは非常に難しい合意だった」ブリュッセルで記者団に。  ----- 
11/27 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「無制限の量的緩和などありえない。MBS購入の第一弾には支持したが、今はもう十分だ」フランクフルトの講演で。  ----- 

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和