今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年12月3日(月)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はアジア市場で再び82円台半ばを超えた流れから
    円売りが続き、一時82円71銭まで上昇。しかし、先週記録した
    82円84銭を超えることはできず、週末のポジション調整もあり、
    やや押し戻され82円40銭前後で引ける。
  • ユーロドルはドイツ連邦議会が最新のギリシャ救済パッケージを
    承認したことを受け、約1ヵ月振りに1.3023まで続伸。
    ユーロ円も一時107円67銭まで続伸するなど円売りが優勢。
  • 株式市場は先行き不透明な「財政の崖」問題を背景に一進一退。
    前日比マイナス圏で推移していたダウは引けにかけて小幅にプラスに。
  • 債券相場も一進一退。10年債利回りは週間を通じて下落し、
    1.61%台で越週。
  • 金は大幅に反落し1710ドル台に。原油は続伸し88ドル台後半に。
  • 10月個人所得 → 0.0%
  • 10月個人支出 → −0.2%
  • 10月PCEコア・デフレーター → +1.6%
  • 11月シカゴ購買部協会指数 → 50.4



ドル/円82.36 〜 82.71
ユーロ/ドル1.2968 〜 1.3023
ユーロ/円107.03 〜 107.67
NYダウ+3.76→13,025.58ドル
GOLD−16.80 →1,712.70ドル
WTI+0.84 →88.91ドル
米10年国債−0.001 →1.610%



本日の注目イベント

  • 豪   豪10月小売売上高
  • 中   中国11月非製造業PMI
  • 中   中国HSBC11月製造業PMI(改定値)
  • 欧   ユーロ圏11月製造業PMI(改定値)
  • 欧   イタリア11月財政収支
  • 欧   ユーロ圏財務相会合
  • 欧   クーレ・ECB理事講演
  • 英   英11月製造業PMI
  • 米   11月ISM製造業景況指数
  • 米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演





ドル円は11月14日の解散発言以来円安傾向が強まり、82円台を維持しています。


先週末の欧州市場では一時82円75銭までドル高円安が進み、これで82円台半ばを超えるのは3度目です。


ただ、それでも83円には届かず、上値を抑えられた格好になっています。


米「財政の崖」問題が依然不透明で、崖は回避できるという楽観的な見通しがあるものの、オバマ大統領と


共和党との溝は埋まっていません。





昨日もガイトナー財務長官が各メディアを通じて「ボールは共和党側にある」、「税率引き上げ抜きの合意は


ないだろう」と発言しています。


一方ベイナー下院議長は、ホワイトハウスは時間を浪費していると指摘し、FOXテレビとのインタビューで


「財政の崖を回避するための合意が間に合わない可能性があるのは明白だ」と語っています。


また、オバマ大統領は世論を味方につけ事態打開に向け共和党に譲歩を求めていますが、交渉は行き詰まっている


ようです。





それでも日本の衆院選での自民党政権への期待や、日銀に対する緩和圧力が強まるとの見方から円の下落傾向は


止まっていません。


円安傾向を好感して日経平均株価も上昇を続け、11月では主要国の株価上昇率で世界でトップだったと報じられています。


株価が上昇すれば「リスクオン」の流れとなり、ドル買い円売りが進み、それがさらに株価を押し上げるという「好循環」が


続いていると言えます。





日銀に対する追加緩和期待は、債券市場でも高まっており、日本の10年債利回りは先週一時、0.695%まで低下


(価格は上昇)し、2003年6月以来9年5カ月振りの水準を記録しています。


高値警戒感がある一方で金融機関の融資は伸びず、これが債券買いへと繋がっているのが背景です。


しかし、追加緩和期待がいくら強いといっても、このまま株高と債券高が続くという構図は考えられません。





先週、英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、日本の債券売りをメインとするヘッジファンドが増えていると


報じています。


円安、債券安、株安の「トリプル安」を狙った、いわゆる「日本売り」のファンドで、「トリプル安」が実現すれば


大きな利益が得られるというものです。


FT紙は同時に、この種のファンドは過去にいくつもあったが、ことごとく失敗しているとも報じていますが、


「少子高齢化」が進み、「財政赤字」が先進国中最悪の日本を挙げ、今回は違うかもしれないと結んでいました。





これまで米「財政の崖」問題や、日本の政権交代を材料に円安が進み、どちらかと言えば米国の「ファンダメンタルズ」は


無視された格好でした。


今週は、さすがに米「ファンダメンタルズ」の行方が注目されると思います。


ISM製造業景況指数や、ADP雇用者数、さらには11月の雇用統計が発表されるからです。


これらの経済指標が市場予想を下回るようなら、再び米国の追加緩和観測が高まり、ドル売り円買いが想起される


ことになります。


ハト派を代表するコチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁は、1日にシカゴ大学で開かれたパネル討論会で


「金融政策はどちらかと言えば引き締め気味だ」と発言し、同じ席でエバンス・シカゴ連銀総裁も「追加緩和は


より良い経済的効果につながろう」と語っており、米景気の先行きの対する慎重姿勢を崩していません。





米重要経済指標に加え、「財政の崖」を巡る要人発言、さらには衆議院選挙が公示されることから、一層トーンが


高まるのではないかと予想される「円高阻止発言」などに注意して行きたいと思います。


「1時間足」では短期的な下落傾向を示すドル円ですが、中長期的には依然上昇を示唆しています。


「週足」では3週連続で「陽線」が出現しています。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/1 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「FRBは失業率が7.25%に低下するまでMBS購入を継続し、失業率が6.5%に下がるまでFF金利の誘導目標をゼロ近くに維持すべきだ」講演で。 -----
11/5 レーン・欧州委員 「12日にブリュッセルで開催されるユーロ圏財務相会合でギリシャに関する決定を行う必要がある」G20後の記者会見で。 -----
11/6 ラホイ・スペイン首相 「支援要請でスペイン国債の利回りがどれだけ下がるか知る必要がある」スペインのラジオ局で。 -----
11/7 ドラギ・ECB総裁 「最新のデータは他国での展開がドイツ経済に影響し始めていることを示唆している」フランクフルトの会議で。 ユーロドル1.28台前半から→1.27台半ばに
11/8 ドラギ・ECB総裁 「決定は完全にスペインとスペイン政府次第だ。ECBは事前にいかなる保証もできない」スペインの支援要請に関して。  ----- 
11/12 サマラス・ギリシャ首相 「われわれは一層の団結力を発揮し、決定的な2歩目を記した。これからわれわれが目にするのは回復と成長だ」2013年予想案を可決して。  ----- 
11/12 ユンケル・ユーロ圏議長 「ギリシャは行うべき事柄の多くを実行し、実現した野心的な改革プログラムと、2013年予算は印象的だ」ブリュッセルで記者団に。  ----- 
11/13 オランド・仏・大統領 「(ユーロ圏やIMFは)支援を加速すべきだ」ギリシャ支援について記者会見で。  ----- 
11/13 イエレン・FRB副議長 「ゼロ金利政策を2016年初めまで継続する可能性もある」カリフォルニア州バークリーでの講演で。  ----- 
11/19 白川・日銀総裁 建設国債を日銀が買い取る案に対して「IMFが発展途上国に助言をする際に、やってはいけないことのリストの最上位だ」記者会見で。  ----- 
11/27 ユンケル・ユーロ圏議長 「きょう決定された全ての措置により、ギリシャの公的債務が持続可能な道筋に乗るは明らかだ。これは非常に難しい合意だった」ブリュッセルで記者団に。  ----- 
11/27 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「無制限の量的緩和などありえない。MBS購入の第一弾には支持したが、今はもう十分だ」フランクフルトの講演で。  ----- 

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和