今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年12月13日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は直近の高値であった82円84銭を上抜け、8ヵ月振りに
    83円台に乗せる。対ドルだけではなく、ユーロ円などクロス円での円売りも
    活発で円は全面安。
  • 株高などを背景に「リスク選好」が高まり、ユーロは対ドル、対円で続伸。
    1.30近辺でもみ合っていたユーロドルは、欧州市場で上昇に弾みがつき
    1.30台半ばまで上昇。その後も底堅く1.3098までユーロ高が進む。
  • 株式市場は小幅に反落。一時80ドルを超える上昇を見せていたものの、
    バーナンキ議長の会見とともに値を崩し、ダウは3ドル安。
  • 債券相場は資産購入拡大でインフレ警戒感が高まったことから下落。
    10年債利回りは約3週間ぶりに1.70%台まで上昇。
  • 金、原油は緩和策を拡大したことを好感し続伸。
  • 11月月次財政収支 → −1721億ドル


    ドル/円82.84 〜 83.30
    ユーロ/ドル1.3032 〜 1.3098
    ユーロ/円107.99 〜 109.03
    NYダウ−2.99→13,245.45ドル
    GOLD+8.30 →1,717.90ドル
    WTI+0.98 →86.77ドル
    米10年国債+0.052 →1.706%



    本日の注目イベント

    • 欧   EU首脳会議(ブリュッセル、11/14まで)
    • 欧   ユーロ圏財務相会合
    • 欧   ECB月例報告
    • 欧   ギリシャ7−9月失業率
    • 米   11月小売売上高
    • 米   11月生産者物価指数
    • 米   新規失業保険申請件数





    円が一段安の展開です。


    ドル円はこれまで2度試して上抜けできなかった82円84銭を抜けると、比較的短時間で83円台に乗せ、


    NY市場では83円30銭と、今年3月以来の円安ドル高水準を示現しました。





    株高を背景に「リスク許容度」が高まり、金利の低い円とドルが売られ、これまで売り込まれてきたユーロや


    相対的に金利の高い豪ドルなどが一段高となっています。


    ユーロなど主要通貨に対してはドル安が進んでいるものの、そのドルに対しても円が売られ、いわば「円の独歩安」


    の展開です。


    その結果、クロス円では大幅な円安が進み、ユーロ円はNY市場で一時109円03銭と4月4日以来、8ヵ月振りの


    水準を記録し、同時に豪ドル円も88円台に乗せ3月19日以来の水準です。





    少なくともユーロ円の水準を見る限り、欧州問題は払拭されたような感がありますが、市場の円売りにはやや


    過熱感さえあるように思えます。


    特にユーロ円では前日の106円台半ばから109円乗せを見せるなど、ユーロの下落を見込んでいた市場参加者の


    ストップ・ロスのユーロ買いも執行され上値を追ったものと推測されます。





    確かにこれまでも述べてきたように、欧州では「最悪の事態」は回避されたと考えられますが、景気後退の余震は


    来年2013年も継続されます。中国などの景気次第ではさらに景気が下押しされる可能性すらあると言えます。


    また、市場の楽観論が米「財政の崖」問題に象徴されています。


    ベイナー議長は昨日ワシントンで記者団に、オバマ大統領の提案に対して「大統領とわれわれの間には深刻な違いがある」


    と述べ、前日にはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事で両者の進展が報道されたばかりでしたが、


    依然両者の溝が深いことが判明した格好です。


    民主サイドも、上院のナンバー2であるダービン議員は「私がホワイトハウス関係者から聞いた報告によると、


    ベイナー氏と同氏のスタッフの姿勢は今週、協力的ではない」と話しています。


    この結果、ブルームバーグは「民主・共和両党はクリスマスの祝日前に財政協議の合意が成立する可能性は低くなった」


    と報じています。





    注目の米FOMCでは、今月末で終了する「ツイストオペ」に替えて、来年1月から長期国債を毎月450億ドル


    (約3兆7000億円)を購入することを決定しました。


    また、政策金利の見通しを失業率とインフレ率に関連付ける方針も初めて示しています。


    失業率が6.5%を上回り、「向こう1−2年」のインフレ率が2.5%以下に留まることが予想される限り、


    現行のゼロ金利政策を継続するというものです。





    政策決定後の記者会見の席でバーナンキ議長は、「物価安定という状況で経済活動を促進するのに必要なだけ、緩和的な


    政策を維持する」と発言しています。


    今回のFOMCの決定はほぼ市場予想通りの内容でサプライズはありませんでした。追加緩和があればドル安円高要因だ


    との見方もありましたが、為替市場では「リスク選好」が進んだことで、ドルが売られたものの、対円ではドル高に


    振れています。


    株式市場では、バーナンキ議長が会見で「財政の崖」による影響を金融当局では相殺できないと述べたことを嫌気して


    小幅ですが下落しています。





    ドル円はいよいよ83円台に乗せてきました。


    この上は、3月15日に記録した、今年のドルの最高値である84円18銭が目標です。


    このまますぐに高値を更新するとも思えませんが、時間をかけながらゆっくりと上値を追う展開が予想されます。


    「財政の崖」問題の決裂を市場は織り込んでいないため、ドルの急落も可能性としては否定できませんが、確率は


    低いと思われます。


    80円台はほぼ底固めし終えたと思われ、急落があっても81円までと予想します。


    83円台を維持し続けるのはやや難しそうですが、今回82円84銭を付けた後しばらくもみ合が続いた状況と同様に、


    82円台半ば前後で推移しているようであれば、再度上値を試し、上記水準にも達することになりそです。


    ただ、その時期は年明けと読んでいますが、どうでしょうか・・・・。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    12/3 ダドリー・NY連銀総裁 「失業率は依然として、受け入れがたいほど高水準だ」講演で。 -----
    12/5 オバマ大統領 「私以上にこの協議を終わらせたいと望んでいる者はいない。約1週間以内に解決することは可能だ」企業経営者との会合で。 NYダウ82ドル高、ドル高に。
    12/6 ドラギ・ECB総裁 「活動の弱さは来年になっても続くと予想される」政策金利据え置き決定後の記者会見で。 ユーロドル1.30台半ばから → 1.2950まで下落
    12/9 安倍・自民党総裁 「デフレ傾向がさらに強まっていくのであれば、これは上げることはできない」2014年4月の消費税率引き上げについて民放テレビ番組で。   ------  
    12/12 バーナンキ・FRB議長 「物価安定という状況で経済活動を促進するのに必要なだけ、緩和的な政政策を維持する」FOMC後の記者会見で。   ------  

    ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和