今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年12月19日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は84円台が重くなり、ドル売りが勝る展開ながら、
    83円台後半では底堅い動きが続く。本日から始まる日銀決定会合の
    結果を見極めたいとのムードから値動きは鈍い。
    NYでは好調な経済指標と長期金利の上昇を手掛かりに84円27銭まで
    ドル高が進み、高値圏で引ける。
  • ユーロドルではドル安ユーロ高が継続。米財政交渉の合意が近いとの見方
    もあり、リスク選好が進みユーロドルは1.3239まで上昇し、約7ヵ月振りの
    高値を記録。その結果、ユーロでも111円台半ばまでユーロ高円安が進行。
  • 財政協議合意観測を背景に株価は続伸。ダウは115ドル高と大幅に上昇し、
    引け値でも1万3300ドル台を回復。
  • 債券相場は続落。「財政の崖」回避に向けて前進したとの見方や、株価の大幅高
    から10年債利回りは、10月25日以来となる1.82%台まで上昇。
  • 金は対ユーロでドル安が進んだことから大幅に下落し1670ドル台に。
    原油価格は小幅ながら3日続伸。
  • 7−9月経常収支 → −1075億ドル
  • 12月NAHB住宅市場指数 → 47


    ドル/円83.86〜 84.27
    ユーロ/ドル1.3172 〜 1.3238
    ユーロ/円110.48 〜 111.46
    NYダウ+115.57→13,350.96ドル
    GOLD−27.50 →1,670.70ドル
    WTI+0.73 →87.93ドル
    米10年国債+0.054 →1.824%



    本日の注目イベント

    • 日   11月貿易収支
    • 日   10月景気動向指数(改定値)
    • 韓   韓国大統領選
    • 独   独12月ifo景況感指数
    • 欧   ユーロ圏10月経常収支
    • 英   BOE議事録
    • 米   11月住宅着工件数
    • 米   11月建設許可件数





    米「財政の崖」問題ではオバマ大統領と下院共和党との協議が大詰めを迎えている様です。


    ベイナー下院議長はオバマ大統領との協議を継続しながら、年収100万ドル(約8400万円)


    を超える世帯への増税を含む「第2案」を提案し、「できる限り多くの納税者を守ることは重要で


    この「第2案」は年収が100万ドル以下の納税者を守るものだ」と国民に訴えていました。





    これに対してホワイトハウスのカーニー報道官は、この案はバランスを欠いており、民主党が過半数を占める


    上院を通過することはできないとの認識を示し、「大統領は残る対立点が解消され、解決策に至ることは


    可能だと期待している」と説明しました。


    われわれ市場関係者にとっては、「まだ駆け引きを続けている」との印象しか残りません。


    オバマ大統領もベイナー議長も最後は自分の方から歩み寄れば「一気に解決する問題」との認識があり、


    そのためギリギリまで相手が下りてくるまで妥協しない姿勢を見せていると思われます。


    万が一、崖へ転落してしまえば世界経済は大混乱に陥ることは必至です。


    非常に大きなリスクを抱えながら交渉を有利に進めようとする米国型「ドタバタ劇」ですが、観衆の多くは


    その幕引きを予想できているようです。





    オバマ大統領がベイナー提案を拒否したにも関わらず、今朝のニュースの見出しは「財政協議の合意観測から崖回避へ」


    といった楽観的な文字が占めています。


    NYダウが115ドルの大幅高を見せ、引け値では11月のオバマ大統領再選以前の水準まで上昇したことを


    見ても、「財政の崖」回避が近いことを物語っていると言うしかありません。
    米経済指標の改善傾向は鮮明で、「財政の崖」問題さえ回避できれば、2013年は世界景気が欧州危機を克服して


    回復する第1歩になるとの見通しも可能です。


    そのため「リスクオン」の高まりから、ユーロなどこれまで売り込まれてきた通貨に資金が流れ、逆に実態以上に


    買われてきた円が売り浴びせられている状況が、足元の動きと解釈できます。





    来週にも発足する安倍「次期総理」の元へ、日銀総裁をはじめ、霞が関の省庁の幹部が挨拶に回っていると、昨日の


    夜のニュースで報じていました。


    白川日銀総裁との会談では安倍総裁は2%の物価目標を要請したと報じられています。


    本日から始まる日銀決定会合の政策判断にこの会談が影響を与えるとは思えませんが、日銀にとっては既に「外堀」は


    埋められており、「追加緩和」に踏み切るとの見方が優勢です。


    個人的は6対4の割合で「追加緩和」が実施されると見ていますが、4割程度の確率で「見送り」もあるのではないかと


    考えています。


    9月と10月に続けて緩和に踏み切ったこともあり、今回はその効果を見極めるとの決定もありそうです。


    円安、株高が急速に進んでいることも、政策が限られている中で敢えてこの段階でカードを切ることはないとの考えも


    ありそうです。


    ただ、それでも来年1月には「追加緩和」には踏み来る可能性は高いでしょう。


    安倍自民党の圧勝が「民意」であったことを盾に「追加緩和」を迫ることもありえそうです。





    本日9時前に11月の貿易収支が発表されます。


    市場の予想は「1兆円の貿易赤字」が見込まれていますが、この数字を大きく超えれば、月曜日の早朝に付けた


    84円48銭を試す展開も予想されます。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    12/3 ダドリー・NY連銀総裁 「失業率は依然として、受け入れがたいほど高水準だ」講演で。 -----
    12/5 オバマ大統領 「私以上にこの協議を終わらせたいと望んでいる者はいない。約1週間以内に解決することは可能だ」企業経営者との会合で。 NYダウ82ドル高、ドル高に。
    12/6 ドラギ・ECB総裁 「活動の弱さは来年になっても続くと予想される」政策金利据え置き決定後の記者会見で。 ユーロドル1.30台半ばから → 1.2950まで下落
    12/9 安倍・自民党総裁 「デフレ傾向がさらに強まっていくのであれば、これは上げることはできない」2014年4月の消費税率引き上げについて民放テレビ番組で。   ------  
    12/12 バーナンキ・FRB議長 「物価安定という状況で経済活動を促進するのに必要なだけ、緩和的な政政策を維持する」FOMC後の記者会見で。   ------  

    ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和