今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2012年12月21日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は日銀による「追加緩和」が予想通りだったこともあり、ドル売りが優勢。
    一時83円86銭まで下落したが、NY市場では好調な経済指標に支えられ反発。
    再び84円台半ばまで円売りが進む。
  • ユーロドルは前日の高騰から下落に転じたものの、1.32台後半まで値を戻したが
    上値の固さを確認する格好で再度1.32台前半まで押し戻される。
  • 株式市場は軟調な展開を見せていたが、ベイナー下院議長がオバマ大統領との協議を
    続けると述べたことを好感し引けにかけて値を戻す。ダウは59ドル高。
  • 債券相場は続伸。5年物インフレ連動債(TIPS)入札で、最高落札利回りが
    過去最低を記録したことを好感。
  • 金は大幅に続落し、約4ヵ月ぶりに1645ドル台まで売られる。
    対照的に金価格は5日続伸し、10月22日以来の90ドル台乗せ。
  • 7−9月GDP(確報値) → 3.1%
  • 新規失業保険申請件数 → 36.1万件
  • 12月フィラデルフィア連銀製造業指数 → 8.1
  • 11月景気先行指数 → −0.2
  • 11月中古住宅販売件数 → 504万件
  • 10月住宅価格指数 → +0.5%


    ドル/円84.21〜 84.62
    ユーロ/ドル1.3225 〜 1.3308
    ユーロ/円111.59 〜 112.50
    NYダウ−98.99→13,251.97ドル
    GOLD−3.00 →1,667.70ドル
    WTI+1.58 →89.51ドル
    米10年国債−0.019 →1.805%



    本日の注目イベント

    • 独   独1月GFK消費者信頼感調査
    • 欧   EU・ロシア首脳会議
    • 英   英7−9月GDP(改定値)
    • 米   11月耐久財受注
    • 米   11月個人所得
    • 米   11月個人支出
    • 米   11月PCEコア・デフレーター
    • 米   12月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値)
    • 加   カナダ10月GDP
    • 加   カナダ11月消費者物価指数





    大方の市場予想通り、日銀は昨日の決定会合で10兆円の「追加緩和」を決定しました。


    ただ、市場の反応は発表直後に84円38銭までドルが瞬間的に買われましたが、その後は急落し、84円を


    割り込む場面があったものの、その後は一進一退で、次の材料である白川総裁の会見を末ムードとなり、


    その会見でもやや政府寄りの発言があったものの相場を動かすほどではありませんでした。





    やや注目したいのは安倍自民党総裁と会談した際に要請されたと見られる、「2%に物価導入」について


    検討を行い、来年1月の決定会合までには結論を出したいと語ったことです。


    現在でも物価上昇率はマイナスから抜け出れない状況で、日銀がメドとする1%の場物価上昇さえ


    達成できない中、2%の目標は余りにもハードルが高すぎるとの印象は拭えません。


    ブルームバーグが伝える海外市場の反応の中にも、「白川総裁は予想以上のハト派だった」というコメント


    も見られます。





    NY市場では依然として「財政の崖」を巡る論争に振り回されています。


    前日ベイナー技議長が提案した、年収100万ドル(約8400万円)以上の富裕層の減税を止める


    「第2次案」を、下院共和党は認める方針を示しましたが、オバマ大統領は、歳出削減の原資が不足だとして


    受け入れる姿勢は見せていません。


    さらに、もし下院で可決されても拒否権を発動する構えさえ見せています。


    市場の楽観論をよそに、年内に「合意」に達しない可能性も出てきたと見られます。


    それでもNY時間午後には、ベイナー議長がオバマ大統領と財政協議を続けるとの見通しを示したことを好感し、


    協議の難航を嫌気して下落していたNY株式市場はプラスに転じて引けています。





    ドル円は相変わらず「調整らしい調整」が見られなく、「小な調整」に終始しています。


    19日のNY市場でのドル円高値である84円62銭からの下落は、83円86銭で下げ止まり、下げ幅は


    80銭以下と、これまでと同様1円を超える「調整」には至っていません。


    そして昨日のNYでは好調な米経済指標に素直に反応し、再び84円台半ばに押し上げられています。


    85円前後が「壁」だとの認識が市場に定着しつつある中、それでも上値を攻める状況になっているのは、


    これまで安倍総裁が発言してきた政策が徐々に実現されていることが大きな支えになっていると考えられます。





    しかし一方で、冷静に考えれば当面の円安材料は出尽くした感もあります。


    衆院選での自民党の圧勝、安倍総裁誕生、金融決定会合での追加緩和など円安要因を消化したとも言えます。


    今後は上述、2%物価目標やデフレからの脱却など、達成には長い時間が必要です。


    さらなる追加緩和の実施などと共に、経済成長を促し、いかに景気を浮揚させることができるかがカギを握ります。


    目的は2%の成長でも、デフレからの脱却でもありません。景気を浮揚させ、国民の所得を上げることです。





    昨日発表された11月の中古住宅販売件数が3年ぶりの高水準であったことや、フィラデルフィア連銀製造業指数が


    4月以来、8ヵ月振りに好不況の分かれ目の「ゼロ」を超えるなど、米経済指標の改善傾向がさらに強まっています。


    そのため、ドル円は本邦サイドの円安材料だけではなく、米国サイドのドル高材料ににも支えられています。


    しかし、それでもクリスマス前、年末前にポジションの巻き戻し、あるいは利益確定の動きは見られると思います。


    昨日は83円86銭まで円高に振れましたが、ここは「1時間足」の120日線でしっかりサポートされた格好になっています。


    下値は底堅いと見られますが、83円50銭を明確に割り込めばさらに円高に振れる可能性はあると思われます。


    この水準には「1時間足」の200日線があり、これを割り込めるかどうかポイントです。


    ドルロングを抱えている市場参加も、このレベルを切ったら利益確定に動くと見られる「ストップ」が入り易い


    水準でもあるからです。



    =================================================


    先週英フィナンシャル・タイムズ(FT)が日本売りを戦略の柱としたヘッジファンドが増えてきたことを


    紹介していました。


    これまでもこの種のファンドが設立されてきましたが全て失敗しています。しかし今回は違うとの内容でした。


    その根拠の一つが、日本では昨年大人用の「紙おむつ」の販売額が子供用の額を初めて上回ったことを


    挙げていました。


    少子高齢化がここまで進んでいるのか、と妙に納得してしまいました。


    良い週末を。そして、Merry Chiristmas!!












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    12/3 ダドリー・NY連銀総裁 「失業率は依然として、受け入れがたいほど高水準だ」講演で。 -----
    12/5 オバマ大統領 「私以上にこの協議を終わらせたいと望んでいる者はいない。約1週間以内に解決することは可能だ」企業経営者との会合で。 NYダウ82ドル高、ドル高に。
    12/6 ドラギ・ECB総裁 「活動の弱さは来年になっても続くと予想される」政策金利据え置き決定後の記者会見で。 ユーロドル1.30台半ばから → 1.2950まで下落
    12/9 安倍・自民党総裁 「デフレ傾向がさらに強まっていくのであれば、これは上げることはできない」2014年4月の消費税率引き上げについて民放テレビ番組で。   ------  
    12/12 バーナンキ・FRB議長 「物価安定という状況で経済活動を促進するのに必要なだけ、緩和的な政政策を維持する」FOMC後の記者会見で。   ------  

    ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和