今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2013年1月10日(木)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はアジア市場の流れを引き継ぎ円売りが優勢の展開に。
    政府の経済財政諮問会議で日銀が追加緩和に踏み切るとの見方がさらに
    強まり、円売りが加速。ドル円は一時88円台に乗せた後、利益確定の
    売りに押され87円85銭近辺で取引を終える。
  • ユーロドルは1.30台半ばを中心にもみ合いが続く。本日ECB理事会
    を控えていることから積極的な取引は観られず、円に対してドル高が進んだことで
    上値が重い流れに。
  • 株式市場は3日ぶりに反発。前日好決算を発表したアルコア株が上昇したことも
    あり、今後の決算発表に対する楽観的な見方からダウは61ドル高。
  • 債券相場は4日続伸。10年債入札は振るわなかったものの買い需要が強く
    価格は上昇し、10年債利回りはわずかに低下。
  • 金は反落。原油は在庫が増えていたとの結果にも関わらず小幅な下落に留まる。


    ドル/円87.49〜 88.02
    ユーロ/ドル1.3037 〜 1.3080
    ユーロ/円114.15 〜 115.02
    NYダウ+61.66 〜 13,390.51ドル
    GOLD−6.70 →1,655.50ドル
    WTI−0.05→ 93.10ドル
    米10年国債−0.002 → 1.864%



    本日の注目イベント

    • 豪   豪11月住宅建設許可件数
    • 日   11月景気動向指数
    • 中   中国12月新規人民建て融資(15日までに発表)
    • 中   中国12月マネーサプライ(15日までに発表)
    • 中   中国12月貿易収支(13日までに発表)
    • 米   新規失業保険申請件数
    • 欧   ECB理事会
    • 欧   ドラギ・ECB総裁記者会見
    • 欧   ギリシャ10月失業率
    • 欧   アスムセン・ECB理事講演
    • 英   BOE政策金利発表
    • 米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
    • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
    • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
    • 加   カナダ11月住宅建設許可件数





    昨日もこの欄で「為替と株式の相関度が強まっている」、「キャッチボールをしながら円安と株高が進行している」


    などのコメントを書きましたが、昨日の東京市場から海外市場にかけての相場展開は、正にこの動きを象徴するように


    推移しました。


    早朝7時過ぎには87円を割り込み、86円83銭まで、調整の動きから円高ドル安が進みました。


    しかし、その後日経平均株価がマイナス100円程度から下げ幅を縮小して来ると87円台前半まで円が売られ、


    午後に入って株価指数がプラスに転じると87円台半ばまで円売りが加速しました。





    この流れは海外市場でも続き、NYでは底堅い株価の動きを見ながら一時88円台乗せを見せるなど、


    ドル円と株価の相関度が非常に強いことを示す動きに終始しています。


    為替のディーラーは株価を意識しながら売り買いをし、株式のディーラーは為替を睨みながら売り買いをしている


    ことが背景です。





    ドル円は前日のNYでも、また昨日の朝方のアジア市場でも86円90銭前後で下げ止まりました。


    「1時間足」の120線が完全に機能したものと思われます。


    この水準の下値には「4時間足」の86円70銭あたりのサポートもありましたが、ここはタッチせず


    反転しています。





    NY市場で一時的にも88円台に乗せたことで、今週に入って観られた「調整」はほぼ終了したと考えられます。


    ただそれでも、一気に88円台後半を試す動きとも思えません。


    明日発表の「緊急経済対策」の最終内容や、21日からの日銀決定会合の結果を意識しながらもみ合いになると


    思われ、同時に88円〜88円50銭の間で待ち受けているドル売りをこなすことができるかどうかも焦点になります。


    基調は、「円安材料には反応し易い状況」は変わらず、海外からのコメントでも「依然円売りバイアスがかかっている」


    といったコメントも聞かれます。





    安倍政権は昨日中断されていた「経済財政諮問会議」を再開し、白川日銀総裁もこの会議に参加しました。


    会議の中で安倍総理は日銀に、「物価上昇率目標2%を導入」するよう要請し、多くのメンバーも安倍総理の意見を


    後押しする発言を繰り返していました。


    甘利経済財政・再生相は日銀との物価目標の共有について「できると思うし、しなければならない」とまで発言し、


    決定会合に向けて「日銀包囲網」がさらに強化された印象でした。


    NY市場でドル円が88円台に乗せたのも、日銀の追加緩和姿勢が安倍政権の期待するものと足並みをそろえた、との


    見方が強まったことが主因でした。





    NYダウは前日の下げ幅を取り戻し61ドル高で引けたことから、円安の追い風もあり本日の日経平均株価も上昇


    が見込まれます。


    ひとまずドルの上値を試す展開かと思いますが、7日の東京市場の高値88円38銭から、4日のNY市場の高値


    88円41銭を抜けるかどうかが注目されます。


    88円台半ばを上抜けするにはもう一段の円売り材料が必要だと思われますが、安倍総理を始め、安倍内閣の閣僚からの


    発言にも注意が必要です。





    クロス円については、これまでと同様に「ドル円をどう読むか」と一緒です。


    ドル円がさらに上昇すると観れば、クロス円全般は上昇す、ドル円が88円台で一杯一杯とすれば、クロス円の下落に


    繋がりそうです。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    1/8 麻生財務相 「欧州の金融安定化が円を含む通貨の安定に資する観点から、外貨準備を活用して継続的にESM債を購入する予定だ」閣議後の会見で。 ユーロ円114円半ばから114円23銭まで急騰
    1/8 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金融政策が過度に実体経済活動を刺激しようとすれば、景気刺激どころかインフレ高進のリスクを冒しかねない」サウスカロライナ州の講演で。 ------
    1/9 安倍総理 「日銀にはこのことを十分踏まえて金融政策をお願いしたい」2%の物価目標に関し経済財政諮問会議で。 NY市場では円売りが進み87円台半ばから88円に

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    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

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    What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和