今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2013年1月11日(金)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は88円台前半でもみ合いに終始したが、今朝方、一気に上昇に
    向かい、88円台半ばを抜け89円台に。先週記録した円最安値を更新。
  • 注目のECB理事会では政策金利据え置きを決定。ドラギ総裁が
    その後の記者会見で、ユーロ圏の景気は緩やかに回復するとの見方を示したため
    ユーロドルは急伸。1.31台前半から1.32台半ばまで買われる。
    スペインの長期債が約10ヵ月振りに5%を下回ったこともユーロ買いに
    拍車かけた。
  • 株式市場は続伸。中国の輸出が伸びたことを好感しダウは80ドル高と
    1万3400ドル台を回復。
  • 債券相場は5日振りに反落。欧州景気の回復観測と、中国の輸出の伸びを
    受け売り物が優勢に。10年債利回りは1.9%近辺まで上昇。
  • 金は大幅に反発し1678ドルに。原油価格も小幅に反発。
  • 新規失業保険申請件数 → 37.1万件


    ドル/円87.98〜 88.80
    ユーロ/ドル1.3099 〜 1.3274
    ユーロ/円115.37 〜 117.83
    NYダウ+80.71 〜 13,471.22ドル
    GOLD+22.50 →1,678.00ドル
    WTI+0.072→ 93.82ドル
    米10年国債+0.034 → 1.898%



    本日の注目イベント

    • 日   11月国際収支
    • 日   12月景気ウォッチャー調査
    • 中   中国12月消費者物価指数
    • 中   中国12月生産者物価指数
    • 英   英11月鉱工業生産
    • 米   11月貿易収支
    • 米   12月財政収支
    • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演





    ECBは市場予想通り政策金利の据え置きを決めましたが、その後のドラギ総裁の記者会見は予想外の展開でした。


    市場の一部には「今後の利下げの可能性について言及するのではないか」との観測があった中、「金融市場の状況は


    大きく改善した」と語り、ユーロ圏の景気についても「緩やかに景気回復が始まる」との見通しを示しました。


    この発言にユーロは急伸し、対ドルでは1.31台前半から一気に1.32台に乗せ。1.3260まで


    上昇。


    また、対円でも116円台後半まで上昇し、2011年6月以来の円安水準を記録しました。





    これまで方向感の見えなかったユーロドルでしたが、今回の上昇でモメンタムが上向きになったと思われます。


    「週足」では一目均衡表の雲の下限が1.3295にあるため、このレベルを目前にして足踏みしそうな気配も


    ありますが、一方で「遅行スパン」は既に好転していることを考えると、もみ合いながらも1.33を目指すと


    予想します。





    ドラギ総裁の会見もややサプライズでしたが、今朝の経済紙の一面にも驚かされました。


    安倍総理へのインタビューの内容がトップで掲載され、そのすぐ横にも「物価目標2%明記」の文字も


    並んでいます。


    さらに3面でも安倍総理へのインタビューの詳細に紙面を割いており、これを読んだ投資家は、すぐにでも


    円を売りたい衝動に駆られそうです。





    インタビューでは日銀の役割について「実体経済にも責任を持ってほしい。雇用を最大化することも頭に入れて


    もらいたい」と、日銀に対してこれまで以上にプレッシャーを与えている印象を受けました。


    また、日銀の独立性を尊重する姿勢を見せながらも「2%の物価目標」は譲らず、政府・日銀の共同文書には


    「物価上昇率目標は2%」を明記することがほぼ決定的だとの論調です。





    昨年来本欄でも指摘してきたように、安倍総理は7月の参院選までは何としてもこれまで自分が口にして来たことを


    実現しようと最大限の努力をすると予想しましたが、メディアも巻き込んで強い意志を示しています。


    今後も手を緩めることなく、円高是正に向かって総力戦で臨んでくるものと思われます。


    ドル円は東京時間今朝の5時半頃までは88円台前半で小動きでしたが、その後に一気に89円に乗せています。


    恐らく、上記新聞の記事を読んだ「早起き鳥」たちが、先回りをしてドルを買い上げたものと思われます。





    一時的にも89円台に乗せたことで、いよいよ90円が視野に入ってきました。


    ただ、ここからの上昇スピードはこれまでよりは緩やかになると思います。


    長期のトレンドを示す「月足」では89円22銭から上方にかなり厚めの「雲」が横たわっています。


    5年の長きにわたり「円高ドル安」が続いてきた「置き土産」のようなものですが、この「雲」を完全に


    上抜けするには102円台に乗せる必要がありますが、この水準は現実的ではないことから、ここからの上昇は


    勢いをそがれると予想できます。


    注意したいのは「雲」がいくら厚いからといっても、「抜けない」という意味ではないということです。


    ユーロドルと同じように「遅行スパン」が好転を見せていることから、上昇し「雲」に入って行く可能性が高い


    と予想しています。


    さらに「転換線」が「基準線」を下から上抜けており、これは2007年8月の「パリバショック」以来の


    現象で、ドルの上昇し示唆しています。


    そしてやや長期的な見通しでは、「遅行スパン」が「基準線」に迫る90円95銭−91円辺りが当面の目標と予想しています。





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    今朝の経済紙は「安倍一色」でした。


    昨年から俄然存在感を増してきた安倍総理は、自信の表れか言動にも余裕が



    感じられます。



    ただ、その物言いが誰かに似てきたと考えていましたが、



    小泉元総理に似てきたと感じています。



    安倍総理は良い意味でも、悪い意味でも個性を前面に出していた小泉元総理時代の


    官房長官でした。


    当然といえば当然です。


    麻生副総理が小さく見えます。


    良い週末を・・・・。
















    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    1/8 麻生財務相 「欧州の金融安定化が円を含む通貨の安定に資する観点から、外貨準備を活用して継続的にESM債を購入する予定だ」閣議後の会見で。 ユーロ円114円半ばから114円23銭まで急騰
    1/8 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金融政策が過度に実体経済活動を刺激しようとすれば、景気刺激どころかインフレ高進のリスクを冒しかねない」サウスカロライナ州の講演で。 ------
    1/9 安倍総理 「日銀にはこのことを十分踏まえて金融政策をお願いしたい」2%の物価目標に関し経済財政諮問会議で。 NY市場では円売りが進み87円台半ばから88円に

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    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和