今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2013年1月17日(木)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京市場での円高株安の流れを受け、欧州市場でも円を
    買い戻す動きが優勢だったものの、NY市場では88円台を維持。
    米企業の決算発表が好調だったこともあり、ドルが小反発して引ける。
  • ユーロドルは堅調に推移。欧州市場ではユーロ円の下落につれて
    ユーロ売りが優勢の場面があったものの、ノボトニーECB理事が
    「為替の短期の動きを重視すべきでないと」と発言したこともあり、
    再び1.33台へ。
  • 株価はまちまち。ダウは6日振りに小反落。一方ナスダックは
    6ドル高。
  • 債券相場は3日続伸。債務上限問題が徐々に意識されるなか、債券へ
    資金が流入。10年債利回りは1.81%台に低下。
  • 金価格は反落。原油は反発し再び94ドル台に。
  • 12月消費者物価指数 → 0.0%
  • 12月鉱工業生産 → +0.3%
  • 12月設備稼働率 → 78.8
  • 1月NAHB住宅市場指 → 47


    ドル/円88.00〜 88.67
    ユーロ/ドル1.3257 〜 1.3311
    ユーロ/円116.66 〜 118.02
    NYダウ−23.66 〜 13,511.23ドル
    GOLD−0.70 →1,683.20ドル
    WTI+0.96→ 94.24ドル
    米10年国債−0.011 → 1.820%



    本日の注目イベント

    • 豪   豪12月雇用統計
    • 欧   ECB月例報告
    • 米   新規失業保険申請件数
    • 米   12月住宅着工件数
    • 米   12月建設許可件数
    • 米   1月フィラデルフィア連銀景況指数
    • 米   企業決算 → ブラックロック、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、インテル
    • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演





    ドル円は東京市場でこれまでのポジションの巻き戻しに、急激な円買いが加速しました。


    円高傾向が進んだことで株価も急落し、前日と同様の展開となりました。


    ただ、NY市場ではむしろドル買いが優勢となるなど、ドルが買い戻されて引ける動きも前日と同じような展開です。


    基本的にはドル高円安傾向が根底にある中、政府の要人発言で相場が目まぐるしく変わる、不安定な状況が


    続いています。





    ドル円は昨日88円の半ばで推移し上値の重い展開でしたが、自民党の石破幹事長が、円安が進むと


    困る産業もある、といった発言をしたことが伝わると円の買い戻しが進み、一時88円を割り込みました。


    前日にも甘利大臣が同様の趣旨の発言をし、急激に円高に振れたこともあり、市場は安倍内閣の閣僚からの


    発言に振り回されており、やや神経質な状況です。





    そもそも今回の円高傾向の是正は、安倍総理自身の「口先介入」がきっかけで急速に円が売られてきただけに、


    安倍総理が任命した要人から、足元の流れを止める様な発言が出たことに市場は困惑したのではないかと思います。


    ただ発言の趣旨は、「過度な円安は困る」といったことで、現在の水準が「円安」に値するかどうかには触れていません。


    甘利大臣の発言に対しても経団連の会長は足元の水準は「過度の円安」ではないと苦言を呈しています。


    ブルームバーグによれば、来週開催される日銀決定会合には甘利大臣自らが、会合に出席する予定だそうです。


    自ら会合に出席し、金融緩和拡大に「にらみを利かす」姿勢を見せることを考えると、先の発言は一般論を述べたに


    過ぎないと理解できます。


    90円目前という水準だったことが、円買いを早めたのではないかと思われます。


    昨年10月後半から続いていた急激な円安は、やはりそのスピートが早すぎたということで、この欄でも「スピード違反」


    という言葉を使いましたが、安倍政権に対する「過度の期待」が円安へのスピードコントロールを誤ったと言えそうです。


    同時に、今回の展開で90円という水準は大きな節目であることが確認されました。





    NYでは88円台半ばまでドルが小反発しましたが、今朝の東京市場ではややドル高傾向で取引が始まっています。


    昨日急落した株価も安心感から反発することが予想されますが、一気に89円台を回復するには至らないと


    予想しています。


    89円台では利益確定のドル売りチャンスを逃した市場参加者の売りが控えていることや、90円を試すには再度


    ドルの下値が堅いことが確認される必要があると思われます。


    来週の日銀決定会合までは87円台半ばー89円台前半のレンジで収まると見ていますが、日経平均株価がどこまで


    反発するかも重要で、目配りが必要です。


    ユーロ円などクロス円もドル円が主導しているため、クロス円の行方もドル円次第という状況です。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    1/8 麻生財務相 「欧州の金融安定化が円を含む通貨の安定に資する観点から、外貨準備を活用して継続的にESM債を購入する予定だ」閣議後の会見で。 ユーロ円114円半ばから114円23銭まで急騰
    1/8 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金融政策が過度に実体経済活動を刺激しようとすれば、景気刺激どころかインフレ高進のリスクを冒しかねない」サウスカロライナ州の講演で。 ------
    1/9 安倍総理 「日銀にはこのことを十分踏まえて金融政策をお願いしたい」2%の物価目標に関し経済財政諮問会議で。 NY市場では円売りが進み87円台半ばから88円に
    1/10 ドラギ・ECB総裁 「金融市場の状況は大きく改善した」、ユーロ圏の景気についても「緩やかに景気回復が始まる」政策金利据え置き決定後の記者会見で。 ユーロドルは1.31台前半から→1.32台半ばへ。
    1/14 バーナンキ・FRB議長 「現在のところ、ある程度の効果があるとみているが、まだ初期の過ぎない」追加緩和の影響について対談で。 -----
    1/15 ユンケル・ユーロ圏議長 ユーロの為替レートは「危険なほど高い」ルクセンブルクでの行事で。 ユーロドル1.33台半ばから → 1.32台半ばへ。

    ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和