今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2013年1月23日(水)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 日銀は決定会合で無期限の追加緩和を決定し、2%の物価上昇率目標を導入
    することを決めたが、市場は「材料出尽くし」と、より積極的な緩和策を期待して
    いたこともあり、ドル売り円買いが加速。欧州市場では一時88円36銭まで
    円高が進んだが、NYでは88円台半ばから後半で推移。
  • 決定会合の発表直後からユーロ円の売りもかさんだためユーロドルも下落。
    1.33台半ばから1.32台半ばまで急落し、その後はもみ合い。ユーロ円は
    1週間ぶりに117円台半ばまで円高が進む。
  • 株式市場は続伸。中古住宅販売件数は予想を下回ったものの、好決算発表が
    続きダウは62ドル高。ダウ平均は引け値で2007年12月以来となる
    1万3700ドル台を回復。
  • 金、原油はともに続伸。原油は約4ヵ月振りに96ドル台乗せ。
  • 12月中古住宅販売件数 → 494万件
  • 1月リッチモンド連銀製造業指数 → −12


    ドル/円88.51〜 88.99
    ユーロ/ドル1.3278 〜 1.3327
    ユーロ/円117.60 〜 118.50
    NYダウ+62.51 〜 13,712.13ドル
    GOLD+6.20 → 1,693.20ドル
    WTI+0.68 → 96.24ドル
    米10年国債−0.004 → 1.836%



    本日の注目イベント

    • 豪   豪10ー12月消費者物価指数
    • 中   中国12月景気先行指数
    • 欧   ダボス会議(1/27日まで)
    • 欧   ユーロ圏1月消費者信頼感(速報値)
    • 英   英12月失業率
    • 英   BOE議事録
    • 米   IMF 世界見経済見通し(改定版)
    • 米   11月住宅価格指数
    • 米   企業決算 → アップル、マクドナルド
    • 加   カナダ政策金利発表





    日銀金融政策決定会合を受け、ドル円やクロス円は乱高下しました。


    ドル円は結果発表前から神経質な動きを繰り返し、結果発表直後は90円台に乗せる場面もありましたが、その後は


    急落し、欧州市場では88円36銭まで円が強含む場面もありました。


    ドル円の売りだけではなく、ユーロ円などのクロス円の売りも大量に出て、利益確定に追い込まれた格好になっています。





    決定会合では「2%物価上昇率目標」を導入し、2014年からオープンエンド(無期限)の金融緩和を行うことも


    決めましたが、決定内容が事前予想に沿ったもので、特にポジティブサプライズもなかったことで、これも事前予想通り


    「利益確定のドル売り円買い」に押され、ドル円は88円台前半まで円高に振れました。


    金融緩和については「無期限」との文言が挿入されたことで政府・日銀のデフレからの脱却を目指す「強い意志」は


    伺えましたが、「2014年から」という時期に失望したと受け止められます。





    また、「2%物価上昇率目標」についても、2人の審議委員が反対したことも伝えられています。2%という数字が


    現実的ではないことや、将来の金融政策の信用にマイナスとの理由で反対した様です。


    白川日銀総裁も「2%の目標達成には相当思い切った努力が必要」との認識を示しています。


    ドル円は「失望感」と「材料出尽く」から大きく売られましたが、これまでとは異なる政府と日銀の共同歩調は評価できるのでは


    ないかと思います。


    これまでは日銀が単独で金融政策を取り仕切り、過去20年にわたるデフレ経済からの脱却が失敗に終わったことには


    何ら「おとがめ」はありませんでした。





    これからはデフレから脱却目標に対して日銀総裁自らが説明責任を負い、経済財政諮問会議ではその進捗状況が報告される


    ことになりました。


    日銀130年の歴史の中では画期的なことと言えます。


    同時に、金融政策だけではインフレを引き起こすことは難しく、上述の白川総裁のコメントにあるように、政府による


    財政の出動や、規制緩和の推進など「成長に向けた取り組み」が極めて重要になってきます。


    安倍総理は白川総裁に説明責任を求めるとしていますが、政府自身が国民に対して説明責任があることも明白です。





    ドル円は急落しましたが、円安基調は変わらないと見ています。


    長期のトレンドを示す「週足」や「月足」では、転換線が基準線を下から上抜けする「好転」が実現していることと


    「1時間足」では欧州市場で88円36銭を記録した後88円70−80銭水準まで戻していることで、MACDが


    ゴールデンクロスを示現しています。


    ただこのMACDは「反応」が早いだけに、「だまし」もあることに注意が必要です。





    ポイントとしては89円台を回復できるかどうかが上値のメドになりそうです。


    また、下値では欧州市場の円の最高値である88円36銭を割り込むかどうかが重要です。


    この水準を割り込み87円台を覗くような展開になると、もう一段の利益確定のドル売りも持ち込まれそうな気配も


    あります。


    88円台を維持できる展開が続けば、今回の日銀決定会合は単に利益確定の引き金を引く機会を与えてくれただけで、


    再び円安基調に戻るのではないかと予想しております。


    もっとも、予想に反して87円台まで円高が進むとその後は長い調整が続き、しばらくもみ合いになることも意識する


    必要があるかもしれません。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    1/8 麻生財務相 「欧州の金融安定化が円を含む通貨の安定に資する観点から、外貨準備を活用して継続的にESM債を購入する予定だ」閣議後の会見で。 ユーロ円114円半ばから114円23銭まで急騰
    1/8 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金融政策が過度に実体経済活動を刺激しようとすれば、景気刺激どころかインフレ高進のリスクを冒しかねない」サウスカロライナ州の講演で。 ------
    1/9 安倍総理 「日銀にはこのことを十分踏まえて金融政策をお願いしたい」2%の物価目標に関し経済財政諮問会議で。 NY市場では円売りが進み87円台半ばから88円に
    1/10 ドラギ・ECB総裁 「金融市場の状況は大きく改善した」、ユーロ圏の景気についても「緩やかに景気回復が始まる」政策金利据え置き決定後の記者会見で。 ユーロドルは1.31台前半から→1.32台半ばへ。
    1/14 バーナンキ・FRB議長 「現在のところ、ある程度の効果があるとみているが、まだ初期の過ぎない」追加緩和の影響について対談で。 -----
    1/18 浜田宏一・エール大学名誉教授 円相場の適切な水準について「100円くらいが良い水準ではないか。110円かそれ以上の円安は問題かもしれないが、95円、100円くらいなら心配はいらない」東京有楽町の外国特派員協会での講演で。 ドル円89円80銭レベルから → 90円21銭まで上昇。
    1/22 白川・日銀総裁 「2%の目標達成には相当思い切った努力が必要」決定会合後の会見で。  ------

    ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

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    What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和