今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2013年1月24日(木)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は前日からの円買い戻しの流れが優勢となり、欧州市場では
    88円割れ目前まで円高が進む。NY市場では連邦債務上限問題がひとまず
    払拭されたことや、好調な株式市場に支えられドルは小幅に上昇。
    88円60ー65銭レベルで取引を終える。
  • ユーロドルは前日とほぼ同様な展開となり、1.32台半ばではサポートされ
    ユーロ円の上昇に伴って1.33台半ばまで反発。
  • 株式市場は4日続伸し、連日リーマンショック後の高値を更新。
    グーグルやIBMなどハイテク株が全体の株価上昇を牽引。
  • 債券相場は小動き。10年債利回りも前日から若干低下したものの、
    動意薄。
  • 金、原油はともに反落。原油価格は在庫が増えていたこともあり
    5日振りに下落。
  • 11月住宅価格指数 → +0.6%


    ドル/円88.40〜 88.73
    ユーロ/ドル1.3264 〜 1.3348
    ユーロ/円117.53 〜 118.28
    NYダウ+67.12 〜 13,779.33ドル
    GOLDー6.50 → 1,686.70ドル
    WTI−1.01 → 95.23ドル
    米10年国債−0.007 → 1.829%



    本日の注目イベント

    • 日   12月貿易統計
    • 中   中国 1月HSBC製造業PMI
    • 独   独1月製造業PMI(速報値)
    • 独   独1月サービス業PMI(速報値)
    • 欧   ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)
    • 欧   ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)
    • 米   新規失業保険申請件数
    • 米   12月景気先行指標総合指数
    • 米   企業決算 → AT&T、マイクロソフト





    ドル円は前日の日銀決定会合を経て利益確定の円買いが活発となり、昨日もアジア市場から欧州市場にかけては


    終始円買いの流れが優勢の展開でした。


    ドル円は欧州市場で一時88円割れ目前まで円高ドル安が進み、NY市場の反応が注目されましたが、NYでは


    株価が堅調に推移したこともあり、ドルが底堅い動きを見せやや反発して引けています。


    ダウ平均株価は66ドル上昇し、連日リーマンショック後の最高値を更新しています。


    株高は機関投資家のリスク許容度を高めるため、金利の低い円とドルが売られ易く、ドル円ではドル買いに


    つながる傾向があります。





    またこの日は米下院で、連邦政府の借入上限を一時的に無効にする法案が可決し、16兆4000億ドルの


    政府借入上限を5月19日まで延長されたことで、連邦債務上限問題への懸念が払拭され、これがドル高、株高


    につながっています。


    オバマ大統領は「これはワシントンに真の財政責任をもたらすための取り組みの最初の一歩だ」と歓迎の意を


    表しています。





    さて、ドル円は昨日の欧州で88円06銭まで下落したことで、直近のドル高水準から2円20銭程度の「調整」が


    行われたことになります。


    昨年10月の後半からの円安局面では「最も下落幅の大きい調整」でした。


    これで今回の材料出尽くしによる調整が終わったかどうかは分かりませんが、今後は次の材料を探しながらの


    展開になりそうです。





    87円台への反落は避けられたことで、ドルの底堅さはやや確認されたと思いますが、90円をテストするには


    また新たな材料も必要です。


    先週木曜日に初めて90円台を記録したドル円は、それから22日まで4日連続で90円台に乗せ定着を試みましたが、


    ことごとく押し戻されています。


    やはり90円という水準は重要な節目であることが確認された格好です。


    正副日銀総裁人事などが固まるまでは、87−90円のレンジ内でもみ合う可能性が高いのではないかと思われます。





    財務省の中尾財務官は昨日ブルームバーグとのインタビューで、安倍政権の金融政策は「通貨安競争」につながるとの


    批判には当たらないと語っています。


    このところの海外からの一部円安誘導批判に対して、政府・日銀の連携強化の下での日本の金融政策は「あくまでも


    デフレからの早期脱却を目指したものであり、競争的切り下げという批判は当たらない。各国は自国の経済成長や


    価格安定を目指して金融政策を行っている」と強調してます。


    現在の為替水準に対する円安誘導批判は、昨日から行われている「ダボス会議」でも出て来る可能性があり、中尾財務官の


    発言は、これを意識している側面もありそうです。





    昨年11月あたりからドル円のボラティリテー(変動率)が急速に高まっていますが、その変化もこれまでの


    動きとはやや異なって来ています。


    早朝から東京市場での値動きが急速に活発になり、その反面NY市場でのボラは低下しています。


    そもそもドルと円の取引であることから、マザー・マーケットである東京市場がその主役であってもおかしくはありませんが、


    残念ながら実体は異なり、大きな値動きはNY市場でもたらされることが多いのです。


    しかし、安倍政権誕生前後からは、東京市場が俄然主役に躍り出た格好です。


    その中でも特に早朝から10時ごろまでの時間帯と、昼休みの時間帯に値が大きく動き、その流れが相場のトレンドを


    決定するケースが増えてきています。


    上記時間帯には特に注意が必要かと思います。





    本日は朝方8時50分に昨年12月の日本の貿易収支が発表されます。


    5200億円程の「貿易赤字」との予想ですが、赤字幅が拡大しているようだと円安につながり易いと思われますが、


    いつものように日本の株式市場の行方にも目配りが必要です。


    ドル円の「調整」と同様に、株価も「調整」モードに入っていることから、株価の上昇が再び円安へのきっかけに


    なりかねません。


    東京時間ではやや材料に欠ける展開になりそうです。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    1/8 麻生財務相 「欧州の金融安定化が円を含む通貨の安定に資する観点から、外貨準備を活用して継続的にESM債を購入する予定だ」閣議後の会見で。 ユーロ円114円半ばから114円23銭まで急騰
    1/8 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金融政策が過度に実体経済活動を刺激しようとすれば、景気刺激どころかインフレ高進のリスクを冒しかねない」サウスカロライナ州の講演で。 ------
    1/9 安倍総理 「日銀にはこのことを十分踏まえて金融政策をお願いしたい」2%の物価目標に関し経済財政諮問会議で。 NY市場では円売りが進み87円台半ばから88円に
    1/10 ドラギ・ECB総裁 「金融市場の状況は大きく改善した」、ユーロ圏の景気についても「緩やかに景気回復が始まる」政策金利据え置き決定後の記者会見で。 ユーロドルは1.31台前半から→1.32台半ばへ。
    1/14 バーナンキ・FRB議長 「現在のところ、ある程度の効果があるとみているが、まだ初期の過ぎない」追加緩和の影響について対談で。 -----
    1/18 浜田宏一・エール大学名誉教授 円相場の適切な水準について「100円くらいが良い水準ではないか。110円かそれ以上の円安は問題かもしれないが、95円、100円くらいなら心配はいらない」東京有楽町の外国特派員協会での講演で。 ドル円89円80銭レベルから → 90円21銭まで上昇。
    1/22 白川・日銀総裁 「2%の目標達成には相当思い切った努力が必要」決定会合後の会見で。  ------
    1/22 ドラギ・ECB総裁 「ユーロ圏を覆っていた暗雲の雲は後退した。欧州の指導者らは、通貨同盟が金融同盟、財政同盟、真の経済同盟、そして最終的には政治同盟の進化によって補完される必要があることを認識した」フランクフルトでの講演で。 -----
    1/23 中尾・財務官 「あくまでもデフレからの早期脱却を目指したものであり、競争的切り下げという批判は当たらない。各国は自国の経済成長や価格安定を目指して金融政策を行っている」安倍政権の金融政策についてのインタビューに答えて。  ------

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    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和