2013年1月25日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京市場で再び円安の流れが強まったことを受け、NYでも一段と円安が
進行。新規失業保険申請件数が約5年ぶりの改善を見せたことと、株価が引き続き
好調だったことを受け、ドル円は引け際に90円56銭までドル高円安が進む。 - ユーロドルも続伸。スペインの失業率が悪化したことを受け、1.32台後半
まで売られる場面もあったが、ユーロ円の上昇に引っ張られ、1.33台半ばまで
上昇。ユーロ円も一時121円台に乗せる。 - 株式市場は5日続伸。好調な決算発表や経済指標に加え、中国のPMIが事前予想を
上回ったことを好感。ダウは46ドル高の1万3800ドル台まで続伸。 - 債券相場は反落。株高と好調な経済指標に押され、売りが優勢な展開に。
- 金は反落。原油は小幅に反発。
- 新規失業保険申請件数 → 33.0万件
- 12月景気先行指標総合指数 → +0.5%
ドル/円 89.62〜 90.56 ユーロ/ドル 1.3326 〜 1.3393 ユーロ/円 119.42 〜 121.06 NYダウ +46.00 〜 13,825.33ドル GOLD −16.80 → 1,669.90ドル WTI +0.72 → 95.95ドル 米10年国債 +0.025 → 1.854%
本日の注目イベント
- 日 12月消費者物価指数
- 日 日銀金融政策決定会合議事録要旨(12/19、20日分)
- 独 独1月ifo景況感指数
- 英 英10−12月GDP(速報値)
- 米 12月新築住宅販売件数
- 米 ガイトナー財務長官退任
- 米 企業決算 → P&G
前日欧州市場で88円06銭まで円の買い戻しが進み、90円台が重いと考え、しばらく87−90円のレンジで
推移すると予想していましたが、予想を上回る円安にやや驚いています。
きっかけは昨日この欄でも指摘しましたが、お昼の時間帯でのドル急伸でした。
正に「ゴールデンアワー」になりつつあるお昼の時間帯に、中国の製造業PMIが発表され、約2年ぶりに
高水準だったことから、世界景気回復への期待から「リスクオン」が進み、ドルが買われ円が売られました。
さらに午後3時すぎには、西村内閣府副大臣が「100円まで円安が進んでも問題はない」とし、
浜田エール大学名誉教授が18日に発言した内容に(参照:下記What's going on )「私自身の認識も共通している」
と発言したことで一段と円が売られ、89円台半ばまでドル高円安が進みました。
相次ぐ円安誘導発言に加え、グローバルな景気回復期待、株価の上昇、さらには日本の貿易赤字の拡大傾向など、
円安要因がここぞとばかり噴出したこともありますが、それにしても市場が円安材料にはすぐに反応することから
「円の先安観」が根強いことを改めて感じさせられました。
ドル円はNY市場で失業保険申請件数が季節調整の影響があるとはいえ、前の週から5000件減少して33万件と
なり、5年ぶりの低水準でした。
これを受けNY株式市場は5日続伸し、ダウは引けで5年3ヵ月振りの高値を更新しています。
この結果「リスクオン」の流れが加速し、低金利の円が売られNYでは90円台に乗せ、90円台半ばまで円が売られ
この日の円最安値で取引を終えています。
その後オセアニア市場では一時90円70銭前後まで円安が進み、今週月曜日に記録した90円25銭の最安値を
更新しました。
一方で急激な円安に対する海外の批判も目立って来ています。
ドイツのメルケル首相はスイスのダボス会議での講演で、「為替操作は敏感な問題になりつつあり、日本に対する懸念が
出ている」と最近の円安に懸念を表しています。
今のところ米国からは、自動車産業の一部から円安に批判的な声は上がっていますが、オバマ政権内部からは目立った
批判はありません。
ただ、このまま円安が進み、100円まで円安が進むような事態になれば、米国からも円安を誘導しているといった批判が
出てくることは容易に想像できます。
その際に安倍政権の要人たちがどのような対応を見せるのか注目されます。
2008年9月のリーマンブラザーズが破たんした時は120円台だったことを考えれば、円安誘導との批判は的外れと
思いますが、米国の批判を「一蹴」できるかどうかにも安倍政権の将来がかかっていそうです。
一時的に90円台半ばまで上昇したドル円は現在「月足」の雲の中をかけ登っているところです。
一目均衡表の「遅行スパン」が好転を見せていることや、「転換線」が「基準線」を上回っていることなどから
「ドル高円安トレンド」に変化はありません。
あるとすれば、わずか2日で2円60銭もの円安が進んだその「スピード」です。
円安を好感して東京株式市場では再び高値を試す展開が予想されます。
焦点はこのまま円のじり安が進み「90円台定着」が果たせるのかどうかです。
90円台は先週木曜日から4営業日連続で定着を試み、失敗している重要な水準です。
「90円台定着」が実現するようだと、もう一段の円安が見込めると予想しますが、
短期的な上値のメドは90円80−90銭と予想しています。
下値は90円を維持できるかどうかが重要で、いつものように株価を睨みながらの展開になります。
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響 1/8 麻生財務相 「欧州の金融安定化が円を含む通貨の安定に資する観点から、外貨準備を活用して継続的にESM債を購入する予定だ」閣議後の会見で。 ユーロ円114円半ばから114円23銭まで急騰 1/8 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金融政策が過度に実体経済活動を刺激しようとすれば、景気刺激どころかインフレ高進のリスクを冒しかねない」サウスカロライナ州の講演で。 ------ 1/9 安倍総理 「日銀にはこのことを十分踏まえて金融政策をお願いしたい」2%の物価目標に関し経済財政諮問会議で。 NY市場では円売りが進み87円台半ばから88円に 1/10 ドラギ・ECB総裁 「金融市場の状況は大きく改善した」、ユーロ圏の景気についても「緩やかに景気回復が始まる」政策金利据え置き決定後の記者会見で。 ユーロドルは1.31台前半から→1.32台半ばへ。 1/14 バーナンキ・FRB議長 「現在のところ、ある程度の効果があるとみているが、まだ初期の過ぎない」追加緩和の影響について対談で。 ----- 1/18 浜田宏一・エール大学名誉教授 円相場の適切な水準について「100円くらいが良い水準ではないか。110円かそれ以上の円安は問題かもしれないが、95円、100円くらいなら心配はいらない」東京有楽町の外国特派員協会での講演で。 ドル円89円80銭レベルから → 90円21銭まで上昇。 1/22 白川・日銀総裁 「2%の目標達成には相当思い切った努力が必要」決定会合後の会見で。 ------ 1/22 ドラギ・ECB総裁 「ユーロ圏を覆っていた暗雲の雲は後退した。欧州の指導者らは、通貨同盟が金融同盟、財政同盟、真の経済同盟、そして最終的には政治同盟の進化によって補完される必要があることを認識した」フランクフルトでの講演で。 ----- 1/23 中尾・財務官 「あくまでもデフレからの早期脱却を目指したものであり、競争的切り下げという批判は当たらない。各国は自国の経済成長や価格安定を目指して金融政策を行っている」安倍政権の金融政策についてのインタビューに答えて。 ------
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What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)
What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)
What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)



