今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2013年2月4日(月)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米1月の雇用統計では、失業率、非農業部門雇用者数はともに
    市場予想を下回ったものの、昨年の雇用者数が大幅に上方修正されたことで
    米雇用の増加傾向が定着したとの観測が広がり、ドル買い円安が加速。
    ドル円は一時2010年5月以来となる92円97銭まで上昇。
    米長期金利の上昇や、その他の経済指標も軒並み改善したことも
    円売りを加速させた。
  • ユーロドルも続伸。ユーロ円の上昇につれ、ユーロドルは1.3711まで
    ユーロ高が進む。ユーロ円は127円台目前まで買われ、ユーロ円の上昇が
    急ピッチで進む。
  • 株価は急騰。雇用を含む米経済指標がほぼ市場予想を上回ったことを好感し、
    ダウは149ドル高と、引け値でも1万4000ドル台を回復。
  • 債券相場は大幅下落。株高に加え、景気回復を示す指標が相次いだことから
    価格は下落し、10年債利回りは2.01%台で引ける。
  • 金、原油はともに反発。
  • 1月失業率 → 7.9%
  • 1月非農業部門雇用者数 → 15.7万人
  • 1月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) → 73.8
  • 1月ISM製造業業指数 → 53.1

    ドル/円91.79 〜 92.97
    ユーロ/ドル1.3586 〜 1.3711
    ユーロ/円124.83 〜 126.96
    NYダウ+149.21 → 14,009.79ドル
    GOLD+8.60 → 1,670.60ドル
    WTI+0.28 → 97.77ドル
    米10年国債+0.027 → 2.01%



    本日の注目イベント

    • 豪   豪12月住宅建設許可件数
    • 日   1月マネタリーベース
    • 欧   ユーロ圏12月生産者物価指数
    • 欧   スペイン1月雇用統計
    • 欧   メルケル首相、スペイン首相と会談
    • 英   英1月建設業PMI





    昨年12月の安倍政権誕生以来、「円高是正」を旗印に「大胆な金融緩和」、「大規模な財政出動」という


    「2本の矢」を放ち、今後の期待も込めて急激な「円安、株高」が進んできましたが、これらはいわば「円サイド」


    の要因で進行してきました。


    先週末のNY市場では、今度は「ドルサイド」、米国側の要因で大幅なドル高円安が進む結果になっています。





    1月の雇用統計は失業率、非農業部門雇用者数はともに市場予想を下回りました。


    その結果を受け、ドル円は92円台前半から91円台後半まで円を買う動きが加速しましたが、その後に発表された


    昨年の非農業部門雇用者数が大幅に上方修正されたことで一気に円売りに傾き、その後も株価の上昇やその他の指標の


    改善に、ドル円は93円目前の水準まで売られました。





    ドル円は結局ほぼ高値圏で引けていますが、米雇用の回復が鮮明になっており、この状況が続けばFRBが緩和政策を


    解除する時期は早まりそうな気配です。


    非農業部門雇用者数の上方修正は、昨年12月分が15万5千人から19万6千人に。


    同11月分に至っては、16万1千人から24万7千人まで増加しています。


    また、10月も13万8千人から16万人に修正され、昨年末3ヵ月だけをみれば平均で月20万人増加したことに


    なります。


    これはFRBがこれまで「ゼロ金利政策」解除のメドにしてきた「20万人以上の雇用増加」に合致したしたことに


    なります。





    ただそれでもFRBが先行き慎重な姿勢を崩さないのは、この傾向が継続されるかどうか不透明だからです。


    ちょうど1年前の2012年初めも同じように毎月20万人以上の雇用増加が続き、「FRBは年内にも緩和政策打ち止めか」


    といった観測が広がりました。


    実際にはその後夏場にかけて労働市場が急速に悪化し、「QE3」に繋がったことはご承知の通りです。


    少なくとも半年程度「20万人増加」が続けば、「出口戦略」が本格的に議論されることになりそうですが、


    これから春にかけて米労働市場は正念場を迎えることになりそうです。





    タカ派で知られるブラード・セントルイス連銀総裁はワシントンでのインタビューに答えて「過去3ヵ月の雇用者の伸びは


    米経済にとって明るい兆し。今年の経済成長が約3%に加速するとの自身の予想を支持するものだ」と語っています。





    ドル円はついに93円に迫る水準まで円安が進行してきました。


    昨年12月中ごろに2013年の相場見通しを固め、「78円〜92,3円」とのレンジを予想しましたが、


    その予想の上限に近付いてきました。


    正直、これほど早いタイミングで92円台まで円安が進むとは予想外でした。


    期待感が先行していることはこれまでも書いてきましたが、今回はそれに加え上記米国サイドで「ドル買い材料」が


    出てきたことで「リスク選好」が高まり、円売りが加速したようですが、ここからさらに95円を目指すのかどうか


    は不透明です。





    NYダウが史上最高値まであと150ドル余りに迫っていることや、調整が続いていた上海株式市場も急回復するなど


    世界的に株式市場に安心感が漂っていることから円は売られ易い状況にあると言えます。


    今週末にはEU首脳会議があり、ドイツのメルケル首相の言動が気になります。


    ここからさらに円が下落しても、様子を見ることをお勧めします。


    なかなかショートしても機能せず、ストップを取られますが様子を見て損出を被ることはありません。


    円に対してさらに弱気になるには、もうすこし円を取り巻く状況を精査する必要があると思ってます。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    1/8 麻生財務相 「欧州の金融安定化が円を含む通貨の安定に資する観点から、外貨準備を活用して継続的にESM債を購入する予定だ」閣議後の会見で。 ユーロ円114円半ばから114円23銭まで急騰
    1/8 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金融政策が過度に実体経済活動を刺激しようとすれば、景気刺激どころかインフレ高進のリスクを冒しかねない」サウスカロライナ州の講演で。 ------
    1/9 安倍総理 「日銀にはこのことを十分踏まえて金融政策をお願いしたい」2%の物価目標に関し経済財政諮問会議で。 NY市場では円売りが進み87円台半ばから88円に
    1/10 ドラギ・ECB総裁 「金融市場の状況は大きく改善した」、ユーロ圏の景気についても「緩やかに景気回復が始まる」政策金利据え置き決定後の記者会見で。 ユーロドルは1.31台前半から→1.32台半ばへ。
    1/14 バーナンキ・FRB議長 「現在のところ、ある程度の効果があるとみているが、まだ初期の過ぎない」追加緩和の影響について対談で。 -----
    1/18 浜田宏一・エール大学名誉教授 円相場の適切な水準について「100円くらいが良い水準ではないか。110円かそれ以上の円安は問題かもしれないが、95円、100円くらいなら心配はいらない」東京有楽町の外国特派員協会での講演で。 ドル円89円80銭レベルから → 90円21銭まで上昇。
    1/22 白川・日銀総裁 「2%の目標達成には相当思い切った努力が必要」決定会合後の会見で。  ------
    1/22 ドラギ・ECB総裁 「ユーロ圏を覆っていた暗雲の雲は後退した。欧州の指導者らは、通貨同盟が金融同盟、財政同盟、真の経済同盟、そして最終的には政治同盟の進化によって補完される必要があることを認識した」フランクフルトでの講演で。 -----
    1/23 中尾・財務官 「あくまでもデフレからの早期脱却を目指したものであり、競争的切り下げという批判は当たらない。各国は自国の経済成長や価格安定を目指して金融政策を行っている」安倍政権の金融政策についてのインタビューに答えて。  ------
    1/24 西村・内閣府副大臣 「浜田先生も100円でなんの問題もないと言われているが、私自身の認識も共通している。今の90円前後のレベルで円高修正は進んだとか言われると、まだ終わっていないとう認識だ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円89円→89円台半ばへ
    1/24 メルケル・独首相 「為替操作は敏感な問題になりつつあり、日本に対する懸念がでている。政治が中央銀行に圧力をかけるべきではない」ダボス会議での講演で。 -----

    ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和