今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2013年3月4日(月)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は底堅く推移。米歳出強制削減が発動されるとの懸念材料があった
    ものの、多くの米経済指標が概ね好調だったことこに反応。さらに株価が
    堅調だったこともあり、ドル円は93円台半ばまで上昇。
  • ユーロドルは下落。ECBに利下げ余地があるとの観測が広がり、
    ユーロドルは一時、約3ヵ月振りのとなる1.2966まで売られ
    安値圏で引ける。
  • 株価は反発。消費者マインドや製造業景況指数が予想を上回ったことで、
    歳出強制削減問題を吸収した格好に。ダウは35ドル高と、史上最高値に60ドル
    弱と迫る。
  • 一方、債券相場は歳出強制削減への懸念から安全資産として見直され続伸。
    10年債利回りは1.84%台まで低下。
  • 金が小幅に反発。原油は続落し2ヵ月振りの90ドル台に。
  • 1月個人支出 → +0.2%
  • 1月個人所得 → −3.6%
  • 1月PCEコアデフレーター → +1.2%
  • 2月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 77.6
  • 2月ISM製造業景況指数 → 54.2

    ドル/円92.61 〜 93.68
    ユーロ/ドル1.2966 〜 1.3043
    ユーロ/円120.35 〜 122.15
    NYダウ+35.17 → 14,089.66ドル
    GOLD+5.80 → 1,572.30ドル
    WTI−1.37 → 90.68ドル
    米10年国債−0.044 → 1.840%



    本日の注目イベント

    • 日   2月マネタリーベース
    • 日   黒田次期日銀総裁衆院で所信聴取
    • 日   岩田次期日銀副総裁講演
    • 欧   ユーロ圏財務相会合
    • 欧   ユーロ圏1月生産者物価指数
    • 欧   スペイン2月失業率
    • 米   イエレン・FRB副議長講演
    • 米   パウエル・FRB理事講演
    • 米   ボルカー・元FRB議長講演





    先週この欄で、ドル円は92−93円でもみ合うのではないかと書きましたが、先週末のNYで93円を上抜けし


    93円台半ばまでドル高が進みました。


    イタリアの政局不安に加え、米歳出強制削減問題ではオバマ大統領と共和党との間に依然隔たりがあり、歳出削減が


    発動されるリスクを考えたら、ドル円が下落することも十分予想できたからです。





    先週末の期限がきたことでオバマ大統領は1日、2021年度までに総額1兆2千億ドル(約145兆8000億円)


    削減する大統領令に署名しました。


    市場は、昨年12月の「財政の崖」問題でも結局結論が先送りされたこともあり、影響は限定的だとし、冷静に対処


    したことで混乱はありませんでした。


    さらに、この日発表された製造業景況指数などの経済指標が市場予想を上回ったことを好感しドル買いで反応しました。


    ドル円ではドル高円安が進み、対ユーロでもドル高ユーロ安が進んでいます。





    米財政問題が好調な経済指標に吸収された格好でしたが、ドル円は日本の金融緩和期待にも反応を見せたようです。


    本日午前中に、次期日銀総裁候補の黒田氏が衆議院で「所信聴取」を行い、明日岩田次期副総裁候補も同じように


    聴取を行う予定です。


    正副総裁候補には積極的な緩和期待が強く、国会でどのような所信を表明するかに関心が集まっています。


    黒田氏は「日銀がやれることは山ほどある」と発言し、岩田氏は「2年以内にデフレから脱却できる」と発言して来ました。


    正副日銀総裁候補が衆参両院で承認されても、実際の行動の場は4月3−4日の政策決定会合になりますが、


    これまでの物言いから、期待感がかなり高まっていると見られます。





    ただ、期待感が高まっているだけに、今日明日の「所信聴取」でこれまでの発言を繰り返すだけでは失望感に繋がる


    可能性もあります。


    そうなるとドル円は再び92円台に押し戻されることにもなり、場合によってはさらに下落し、乱高下することも


    考えられます。


    94円台半ばは3度試して、全て押し戻されているため94円40銭−95円が非常に重く、壁になっています。


    正副総裁候補のさらなる積極的な緩和発言でドル円が上昇することもあり得ますが、その際上記水準が抜けるか


    どうかが最大のポイントと言えます。


    上記水準を明確に上抜けできれば、ドル円は「新しいレンジ入り」したと考えられるからです。





    ユーロ円などクロス円は先週までは上値の重い展開で、戻りを売るスタンスでした。


    ドル円が93円台半ばまで円安に振れたことで、ユーロ円なども急激に値を戻しています。


    ドルが主要通貨に対して強含み、特に円に対して大幅に上昇した結果クロス円が大幅に反発したものと思われます。


    基本的な「ドル高円安トレンドは変わっていない」、と先週何度か書きましたが、円が売られ易い状況と、円売り材料には


    反応し易い状況から、トレンドが変わっていないことが確認できたと思います。





    本日は上記「所信聴取」での発言が為替相場に大きな影響を与えると思われます。金融緩和をさらに進め、その


    具体的な手法にまで言及するようだと、株式市場でも株高が進み、円安に振れることになります。


    上値のメドは94円20銭辺りで、下値も92円50銭程度予想してみました。


    荒っぽい展開が予想されます。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    2/1 ブラード・セントルイス連銀総裁 「過去3ヵ月の雇用者の伸びは米経済にとって明るい兆し。今年の経済成長が約3%に加速するとの自身の予想を支持するものだ」ワシントンでインタビューに答えて。。 ------
    2/6 ストゥルナラス・ギリシャ財務相 「私はユーロ相場が高い水準にあることを懸念している」ブルームバーグとのインタビューに答えで。 ------
    2/7 ドラギ・ECB総裁 「為替相場は政策の目標となるものではないが、成長と物価にとって重要だ」政策金利据え置きを決め後の記者会見で。 ユーロドル1.35台半ばから→ 1.33台に。
    2/7 ドラギ・ECB総裁 「為替相場に対してG20の総意を反映しないような結果をもたらすならば、われわれはそれについて話し合う必要がある」記者会見で。 ユーロ円127円から→125円台に
    2/9 甘利・経済再生担当相 「期末までには、1万3千円を目指して頑張るぞという気概を示すことは大事だ」株価の見通しについて。 ----
    2/9 黒田・アジア開銀総裁 「日銀が年内に追加緩和を行うことは正当化できる」。 ----
    2/9 ブレイナード・米財務次官 「デフレ克服と経済成長の活発化に向けた努力を支持する」 ドル円93円台前半から → 94円台に
    2/13 ルー・米財務長官 「民主党および共和党が政権を取ったいずれの時代も、財務省は米国の成長と生産性、競争力を促す上で強いドルがもっとも国益にかなうとの姿勢を長期にわたって貫いてきた」「長官就任が承認された後も私はこの方針を変更しないつもりだ」米議会公聴会で。 ----
    2/14 岩田一政・前日銀副総裁 「1ドル90円から100円程度までは均衡への回帰である」「ファンダメンタルズに近いようなレートではないか」記者団に語る。 ドル円93円25銭レベルから → 93円64銭まで上昇
    2/18 ドラギ・ECB総裁 「ユーロの実効相場と名目相場を見ると、おおむね長期的な平均に近い」議会証言で。 -----
    2/21 IMF 円安は「通貨競争へに懸念に拍車を掛けたが、幅広い視野でみると、こうした懸念は行き過ぎのようだ」世界景気見通しの報告書で。 -----

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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和