今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2013年4月8日(月)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は3月雇用統計の悪化にも関わらず上昇。96円割れから97円84銭まで
    円安ドル高が進む。日銀の大規模な金融緩和を受け円先安観が勝った展開に。
  • ユーロドルもユーロ円の上昇に引っ張られ、1.29台前半から1.30台半ばへ。
    1.30台回復は約2週間振りのユーロ高水準。
  • 3月の非農業部門雇用者数が事前予想を大きく下回ったことから株価は軟調。
    ダウは40ドル安と上昇傾向も一服。
  • 債券相場は続伸。労働市場の急激な落ち込みを受け、債券市場に資金が流入。
    10年債利回りは1.71%台と、昨年12月以来の低水準まで低下。
  • 金は急反発し1570ドル台を回復。原油格は4日続落し92ドル台に。
  • 3月失業率 → 7.6%
  • 3月非農業部門雇用者数 → +8.8万人
  • 3月貿易収支 → −430億ドル
  • 3月消費者信用残高 → 181.4億ドル
    ドル/円95.75 〜 97.84
    ユーロ/ドル1.2930 〜 1.3040
    ユーロ/円124.25 〜 127.28
    NYダウ−40.86 → 14,565.25ドル
    GOLD+23.50 → 1,575.90ドル
    WTI−0.56 → 92.70ドル
    米10年国債−0.056→ 1.710%



    本日の注目イベント

  • 日   2月国際収支
  • 日   3月景気ウォッチャー調査
  • 独   独2月鉱工業生産
  • 米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米   バーナンキ・FRB議長講演





「異次元の金融緩和」は金融市場に大きなインパクトを与えました。

為替市場で円は、主要通貨に対して大きく値下がりし、ドル円は92円台後半から週末のNY市場では

97円84銭まで「ドル高円安」が進み、対ユーロでは127円台前半。さらに対豪ドルでは101円台後半まで

円が売られました。


週明けのオセアニア市場ではさらに円安が進んでいます。




株式市場でも決定会合直後から日経平均株価の上昇は800円を超え、一時1万3000円台を超える場面も

ありました。


債権市場ではさらに「量的、質的な大胆な金融緩和」が実施されることを反映し、長期金利は一時0.315%

と、2003年6月の過去最低金利を大きく下回る記録的な金利水準を示現しています。


債券相場はその後急速に高値警戒感が出、価格が急落(金利は上昇)したため、取引を一時中断する


「サーキットブレイカー」が2度発動されるなど乱高下しましたが、金利の先安感は変わっていません。




今回の大規模な金融緩和を受け、市場のセンチメントは「円安、株高、債券高」に大きく傾いています。


特に海外の方がより、黒田日銀総裁の大胆な決定内容を「サプライズ」と受け止めているように思えます。


ただ足元では急激に円安が進んでいますが、その流れに水を差す可能性あるとすれば米景気の腰折れと考えられます。

先週末の米雇用統計の結果は非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回る8万8千人でした。


この増加数は昨年6月以来の低水準でした。




米雇用者数はここ数年春先から夏場にかけて失速する傾向があります。


昨年も3月までは順調に月20万人ペースで増加していたものが、4月からは6万から8万人に激減し、この結果


FRBが「QE3」に踏み切った経緯があります。


もし今年も昨年と同様な道を歩むのであれば、つい先日まで台頭していた「出口戦略」の時期の議論は急速に後退し、


早ければ2013年末にも「量的緩和の縮小」があるではないかといった見方は正当化できないことになります。





それでも、今回は日本の圧倒的な緩和姿勢が米経済指標の悪さを上回った格好ですが、このまま米労働市場の先行きに


暗雲が立ち込めるようだと無条件に円安が進むと見込むわけにはいきません。


米景気の回復はさらにドル高円安に働きそうですが、今後は今まで以上に米景気の行方にも目配りが必要です。


日銀の「これまでに例を見ない金融緩和」姿勢は今後も継続されると予想されます。


「2年以内に2%の物価上昇目標を達成する」ことをコミットしていることを考慮すれば、今後もデフレからの脱却に


向け、様々な手を打って来る可能性があります。



黒田総裁自身、「デフレ脱却に向けて、できることは山ほどある」とも語っています。


今後も「円安、株高、債券高」の流れは変わらないと予想しますが、市場の眼が米景気の変化を本格的に捉える状況が


来ると流れが一変することの考えられます。


ドル円はこれまでの92−96円のレンジを上抜けして、新しいレンジである95円ー100円に入った可能性が高い


と思います。













What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
4/2 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「資産購入を縮小する決断は先行きを予測しながら下していく必要がある。その時期は個人的な見解では年内後半か来年初めになる可能性がある」アラバマ州の講演で。
4/2 タルーロ・FRB理事 「予想値を上回る経済統計が多く見られるが、このような状況は過去にもあったことを忘れてはいけない」CNBCのインタヴューで。
4/4 黒田・日銀総裁 「現時点で必要な政策は全て講じた」政策決定会合後の記者会見で。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和