今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2013年4月10日(水)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 100円の大台を前に反落したドル円はNY市場で98円58銭まで下落。
    それでも堅調な株価と、日銀の大規模な金融緩和による円先安観に支えられ、
    99円35銭まで反発し99円前後で引ける。
  • ユーロドルは5日連続で上昇。EFSFが発行した債券に力強い需要があったと
    発表されたことを手掛かりに、1.31台までユーロ高が進む。ユーロは対円でも
    130円台と、約3年3カ月ぶりの水準まで上昇。
  • 株式市場は続伸。前日好決算を発表したアルコア株が好感され、ダウは60ドル高。
    引け値では先週2日に記録した過去最高値を更新。
  • 債券相場は小幅ながら続落。3年債入札が低調だったことに加え株高から需要が減少。
  • 金、原油はともに上昇。
    ドル/円98.58 〜 99.35
    ユーロ/ドル1.3028 〜 1.3103
    ユーロ/円128.85〜 130.07
    NYダウ+59.98 → 14,673.46ドル
    GOLD+14.20 → 1,586.70ドル
    WTI+0.84 → 94.20ドル
    米10年国債+0.007→ 1.752%



    本日の注目イベント

  • 豪   豪4月ウエストパック消費者信頼感
  • 中   中国3月貿易収支
  • 中   中国3月マネーサプライ
  • 米   2014年度予算教書
  • 米   FOMC議事録(3/19、20日分)
  • 米   3月財政収支
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演





ドル円は大台で心理的な節目でもある100円を前に、やや上昇にブレイキがかかり反落しています。


昨日この欄で述べた通り、2007年6月の124円台から、2011年10月の75円台の「半値戻し」


にあたる、99円72銭前後が意識されたものと思われます。





昨日朝方は日本の株価が堅調だったこともあり、一時99円67銭まで「ドル高円安」が進みましたが、


その後は一進一退を繰り返し、最後は株価が軟調に推移したことにも影響され99円台を割り込んでいます。


NY市場でも一旦は下値を試しに行きましたが、それでも98円半ばを割り込むことなく99円台前半まで


押し戻されました。


このあたりの動きが現在の円安の流れを象徴しているようで、一気に円高が進むリスクは低いと見られます。





レートがこれまで長く続いた「二ケタ」から「三ケタ」に戻るわけですから、ここはかなり強い抵抗が予想されます。


繰り返しになりますが、100円20−30銭には重要な移動平均線があり、さらに「雲の上限」にもあたる


ことから、99円半ばから100円30銭あたりまでは「抵抗帯」と見ることができます。


多くの市場参加者はこのことを認識しているため、これまでに買ってきたドルを一旦は利益を確保するため売却


しようとする動きも出易いと考えられます。





通常このような「大台超え」は一度では突破できず、何度も繰り返すうちに抜けるものです。


そして一旦抜けてしまえばその後の上昇は加速し、次々に大台替え(101円、102円)をして行くことは


過去の相場展開が示す通りです。


それは、大台を目前にして一旦は上昇が止まりますが「心理的な節目」というだけで、トレンドは変わっていないからです。


ただし今回の水準は上でも述べているように、「心理的な節目」に加え、「テクニカル的な節目」でもあるため、


今後3度4度突破を試みて押し戻されるようだと、3−4円程度の「深めの調整」があるかもしれません。


先週日銀が「異次元の金融緩和」を決めたことを考えると、「異次元の相場展開」もあり得るということです。


100円突破の可能性は高いと、個人的には考えております。





EFSF(欧州金融安定ファシリティー)が80億ユーロ(約1兆4000億円)の5年債を発行し、


旺盛な需要が見られたとでユーロが買われました。


ブルームバーグによると、この債券の表面利率は0.875%で、買い手の3割はアジアからのものだそうです。


今年2月に40億ユーロ発行された際にアジアからのシェアーは5%だったことと比較すると、今回は日本の


機関投資家からの需要が相当増えたと思われます。


今朝の経済紙も触れていましたが、大規模な金融緩和決定を受けて日本国債の利回りが急低下しています。


生命保険会社など長期運用を行う機関投資にとって、20年債、30年債が1%を割り込む金利水準では「逆ざや」


が発生してしまうため投資対象としての魅力は無くなってしまいます。





そのためこのような状況が続くと、多少為替リスクをとっても、より金利の高い「外もの」(そともの)に向かって行く


傾向があります。


昨年7月に94円台を記録したユーロ円は、気が付けば130円まで戻っています。


フランス、ベルギーなど比較的利回りの高い国債を求めて海外に出て行く投資行動も解るような気がします。


このまま円安傾向が続けば十分「為替益」も見込めるため、今後は機関投資家の動きも注視する必要があります。


「異次元の金融緩和」は機関投資家の投資行動へも影響を与えています。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
4/2 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「資産購入を縮小する決断は先行きを予測しながら下していく必要がある。その時期は個人的な見解では年内後半か来年初めになる可能性がある」アラバマ州の講演で。
4/2 タルーロ・FRB理事 「予想値を上回る経済統計が多く見られるが、このような状況は過去にもあったことを忘れてはいけない」CNBCのインタヴューで。
4/4 黒田・日銀総裁 「現時点で必要な政策は全て講じた」政策決定会合後の記者会見で。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和