今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年5月13日(月)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 100円の壁を上抜けしたドル円はさらに上昇に弾みがつき、101円98銭
    までドル高円安が進む。米長期金利の上昇もあり、G7でも円安批判は出ないとの観測が
    相場を押し上げる。
  • ドル高が進んでいることで、ユーロドルも1.30の台大台を約1ヵ月ぶりに
    割りこみ、ドル高ユーロ安が進む。ユーロは一時1.2935まで下落したが、対円では
    132円台前半に乗せるなど、円の独歩安が顕著に。
  • 株式市場は続伸。景気の改善や金融当局による景気刺激策が続くとの見方から
    ダウは35ドル高。S&P500は週間ベースで3週続伸。
  • 債券相場は大幅に続落。株高や景気の改善を受け長期金利は約1ヵ月半ぶりに1.90%
    台に乗せる。
  • 主要通貨に対してドル高が進んだことで金は大幅に続落し、1436ドル台に。原油も小幅
    に続落。
    ドル/円101.37 〜 101.98
    ユーロ/ドル1.2935 〜 1.3016
    ユーロ/円131.61 〜 132.24
    NYダウ+35.87 → 15,118.49ドル
    GOLD−32.00 → 1,436.60ドル
    WTI−0.35 → 96.04ドル
    米10年国債+0.088 → 1.90%



    本日の注目イベント

  • 日   4月マネーストック
  • 中   中国4月マネーサプライ
  • 中   中国4月工業生産
  • 中   中国4月小売売上高
  • 欧   ユーロ圏財務相会合
  • 米   4月小売売上高 <





「100円の壁」を抜けるとさすがに上昇のスピードに弾みがついて来ました。


ドル円は先週末のNYで102円に迫る水準まで上昇し、連日の「大台替え」を見せています。


週明けのオセアニア市場では102円台前半までさらに上昇しています。


先週末のNYでは特にドル買い材料はなく、米長期金利の上昇と株価の続伸を材料に「ドル全面高」と同時に


「円全面安」の展開が進んだことがきっかけでした。





ドル円はいよいよこれまでの95−100円のレンジを上方にシフトし、100−105円の新しいレンジ入りした


可能性が高くなったと思われます。


先週の新規失業保険申請件数の減少をきっかけにドル高が進み、100円の大台に乗せたドル円は、FRBが量的緩和


の縮小に動く可能性が早まってきたとの観測からドルが買われて来ましたが、確かに米雇用の改善は進んでいますが、


それでも失業率は7.5%と、FRBの目標値とは1%もの隔たりがあります。


FRBが金融緩和策の変更に動くのはまだ先のことと思われます。





それでもドル高が進んでいる背景は日米欧の中では、米国が相対的に「出口戦略」に最も近い位置にいることで、

景気回復についても、最も進んでいるとの見方があるからです。


さらに日銀の「異次元の金融緩和」は異論はあるものの概ね容認され、先週末の「G7」でもデフレからの脱却を


進める過程での円安であって、円安そのものが目的ではないことが理解されたと報道されています。


特に今回の「G7」では、これまでの100円以下の水準から101円台まで円安が進んだ中での会合であったため、


さすがに行き過ぎだとの批判も出るのではと、一部では予想されていました。


黒田日銀総裁も「理解がさらに深まった」とのコメントを発表していますが、カナダの財務相などは「円の水準を巡って


議論があった」と語っているようです。





日本に対しては「現在の円安には目をつぶるが、成長戦略を明確にし、世界経済に資すること」が課せられたことは間違いなく、


「G7」参加国は今後さらに、日本の政策や景気の動向に注目して来ます。


ショイブレ・独財務相は「G7では日本について特に集中した議論が行われた」との談話を発表しています。


(ブルームバーグ)


いずれにしても、今後の日本の成長戦略が腰折れするような事態になれば、円安批判が一気に出て来ることは十分に想定


できそうです。





さて、102円台前半まで円安が進んだわけですが、これで「月足」での「120日線」や「雲の上限」は


上抜けを完成させています。


こうなるとテクニカル上の上値のレジスタンスは限られて来ます。


最後の砦の「200日線」は108円に位置していますが、これはまだ足元の水準からは離れ過ぎています。


一目均衡表の「遅行スパン」が雲の中を上昇していることから、「雲の上限」が意識されます。


この水準が102円20銭にあることから、先ずはここがポイントになりそうです。


さらに、フィボナッチ・リトレースメントでは、2007年6月の124円13銭から、2011年10月の


75円32銭の値幅の「61.8%」戻しにあたるのが、105円48銭です





市場はやや米国金融政策変更に傾き過ぎている感じもしますが、円の先安観は変わりません。


特に海外勢の円売り意欲は強いようで、大台替えの多くは海外時間内で起きています。


102円台半ばを抜くようだと、100−105円のレンジが定着し、100円台を固める動きが加速する


と予想します。















What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/3 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。
5/6 ドラギ・ECB総裁 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。
5/9 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和