今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年5月15日(水)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米中小企業の楽観度指数の改善など、景気回復が強まったとする
    見方から、ドル円は再び102円台を回復。株高、米長期金利の上昇を
    手掛かりに102円44銭まで円安が進み、直近のドル最高値を更新。
  • ユーロドルは1.30台が徐々に重くなり、この日は独ZEW景況指数が
    市場予想に届かなかったことからユーロが下落。一時1.29割れ目前の水準
    までユーロ安が進む。対円では円の下落が勝り、132円77−80銭まで
    ユーロが強含む。
  • 株式市場は大幅に反発。米景況感の改善に加え、ギリシャの格上げなどを
    好感しダウは123ドル高と、史上最高値を大幅に更新。
  • 債券相場は下落。株価が最高値を更新するなど、米景気に対する見方が改善
    していることから下落のスピードを早める。10年債利回りは約2ヵ月振りに
    1.98%台まで上昇し、ドル高を加速させる要因に。
  • ドル高が進んでいることから、金、原油価格は続落。
    ドル/円101.58 〜 102.44
    ユーロ/ドル1.2911 〜 1.2995
    ユーロ/円131.72 〜 132.76
    NYダウ+123.57 → 15,215.25ドル
    GOLD−9.80 → 1,424.50ドル
    WTI−0.96 → 94.24ドル
    米10年国債+0.065 → 1.982%



    本日の注目イベント

  • 日   3月マネタリーサーベイ
  • 独   独1−3月GDP
  • 仏   仏1−3月GDP
  • 伊   伊1−3月GDP
  • ギリシャ ギリシャ1−3月GDP
  • 欧   ユーロ圏1−3月GDP
  • 英   英4月雇用統計
  • 英   BOE四半期物価報告
  • 米   5月NY連銀製造業景況指数
  • 米   4月生産者物価指数
  • 米   4月鉱工業生産
  • 米   4月設備稼働率
  • 米   5月NAHB住宅市場指数





ドル円が再び102円台を回復し、今週月曜日に記録した102円15銭を上回る102円44銭まで


「ドル高円安」が進みました。


これまで何度も繰り返されてきたように、東京時間ではドル売りが優勢でも、海外市場では円の先安観が根強く


円が一段と売られる展開になっています。





昨日の東京市場では株価の上昇も一服だったこともあり、ドルの上値が重い展開が続き一時101円26銭まで


円が買い戻される展開でした。


しかし欧州市場が入るとドルが徐々に上昇し、NY市場では直近高値を更新する水準まで円安が進んでいます。


米株式市場が大幅高を演じ、「リスク」が取り易い状況になっていることが主因ですが、同時に安全資産の債券が


売られ、米10年債利回りは約2ヵ月振りに1.98%台まで上昇(価格は下落)していることもドル買いを


助長しています。





株価の上昇で含み益を抱えていることから、多くの投資家は高いリターンを求め、よりリスクの高い物へと投資を進める


姿勢を強めていることが「円売り」に繋がっています。


また、この欄でも再三述べているように、日米通貨当局の「緩和姿勢の差」がそのままレートへ反映されている状況も


続いています。


タカ派の代表的な人物でもある、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は、早ければ次回6月18−19日の


FOMCで債券購入の縮小に乗り出すべきだとの見解を改めて示しています。





ドル円は目先注目される102円台半ばまで上昇してきましたが、まだ半ばを明確に上抜けはしていません。


「月足」の一目均衡表では「遅行スパン」が「雲の下限」で頭を抑えられているのが確認できます。


この「遅行スパン」が「雲」を完全に上抜けするには105円台半ばを超える必要があります。


今後「雲」の中を上昇して行くものと見られますが、この雲は「抵抗帯」として機能するため、そのスピードは


緩やかなものになる可能性があります。





102円台半ばを明確に上抜けするようなら、ドル円は105円に向かって徐々に値を切り上げて行くものと予想しますが、


先週から市場のセンチメントが急速に米国の「量的緩和の縮小」観測に傾いているのが気になります。


今月はFOMCが開催されないため、上述の6月18−19日の会合では「資産購入の縮小」が議題の中心になり、


活発に議論されるのではという見方です。


恐らく議論は活発にされ、「タカ派」の勢いが増すことは十分考えられますが、それでも実際に「縮小」に動くには


まだ時期尚早と考えています。





「タカ派」の意見は意見として聞きながらも、行動を起こすには雇用に関するデータが少なくとも半年以上改善傾向


を示すことが必要ではないかと考えます。


FOMC声明文で、金融緩和の規模を「縮小」だけではなく、「拡大」することもあり得るとしたのは、まだ先月の


ことです。


それ以降米経済指標が劇的に改善した兆候は見られていません。





注目されるのは米長期金利の行方と、株価の動向です。


米10年債利回りは4月上旬の1.7%台から急速に上昇して来ました。


株価が堅調に推移していることから、資金が債券市場から株式市場に流れ込んでいるもので、市場では楽観論が


横行しています。


今後さらに株価が上昇し、米長期金利が2%台を安定的に上回るようだとドル円のサポートになるため


こちらにも関心を寄せる必要があります。





しばらくは米経済指標の結果に注意しつつ、株価と金利をじっくりと見極める必要があります。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/3 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。
5/6 ドラギ・ECB総裁 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。
5/9 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和