今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年5月16日(木)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は欧州市場に入ってから上昇傾向を強め、102円76銭までドル高が進む。
    NY市場では主要な経済指標が軒並み予想を下回ったことから下落に転じ、101円台
    後半まで円が買い戻される。その後は株価の上昇や、円に対する先安観に支えられ102円台
    前半で取引を終える。
  • ドイツやユーロ圏のGDPが市場予想を下回ったことで、ユ−ロドルは一段と下落。
    一時1.28台前半まで売られ、約1ヵ月半ぶりの安値を記録。ユーロ圏の景気回復の
    足どりは依然として重く、改めて景気回復の道のりは遠いとの印象が拡大。
  • 株価は続伸し、連日で高値を更新する。米経済指標悪化にも関わらずダウは60ドル高。
    経済指標の悪化が量的緩和縮小を遅らせる、との意見がでるなど、やや株式市場の過熱感を
    警戒する声も。
  • 債券相場は5日振りに反発。経済指標の悪化に素直に反応した格好となり、10年債利回りは
    やや低下して1.94%台に。
  • ドル高や株高から金への弱気の見方が広がり、金価格は5日続落し1400ドルの大台を
    割りこむ。原油は小幅に反発。
  • 5月NY連銀製造業景況指数 → −1.43
  • 4月生産者物価指数 → −0.7%
  • 4月鉱工業生産 → −0.5%
  • 4月設備稼働率 → 77.8%
  • 5月NAHB住宅市場指数 → 44
    ドル/円101.85 〜 102.76
    ユーロ/ドル1.2843 〜 1.2890
    ユーロ/円131.18 〜 132.10
    NYダウ+60.44 → 15,275.69ドル
    GOLD−28.30 → 1,396.20ドル
    WTI+0.09 → 94.30ドル
    米10年国債−0.042 → 1.940%



    本日の注目イベント

  • 日   1−3月GDP(速報値)
  • 日   3月鉱工業生産(確報値)
  • 欧   ユーロ圏4月消費者物価指数(改定値)
  • 欧   プラート・ECB理事講演
  • 欧   バローゾ・欧州委員長講演
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   4月消費者物価指数
  • 米   4月住宅着工件数
  • 米   4月建設許可件数
  • 米   5月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
  • 米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演





先週の木曜日のNY市場で「100円の壁」を突破して以来、ドル円は上昇速度を速め、昨日の海外では


102円76銭まで円売りが進みました。


海外勢を中心に円の先安観が根強いものの、さすがにその後のNY市場では米経済指標が軒並み市場予想


を下回ったことから下落に転じ、101円台後半まで利食いのドル売りが優勢となりました。





一本調子のドル上昇が一服した感じですが、それでもNYの引けでは102円台前半まで値を戻して取引を終えて


います。


このところのドル円の上昇については「RSI」などが過熱感を示していますが、それでも日米の株価の上昇が


「リスクオン」を加速させているため円売りの流れが優勢な展開になっています。





100−105円のレンジに入った可能性が高いと思われますが、ちょうどその中間の102台半ばを


一旦上抜けしたしたことで、「達成感」が出るのか、あるいは105円に向かってもう一段上昇するのかを


見極める段階にいますが、市場参加者の多くは円先安観に傾いていると認識せざるを得ません。


そのため「三歩前進しては一歩後退する」展開が続き、水準を着実に押し上げています。


個人的には「ドル高円安」の傾向は継続されるとの見方は当然継続しますが、やや過熱感が出ており、


ここからのさらなる上昇には警戒しているところです。


株価の上昇が続き、NYダウは連日過去最高値を更新しています。


日本の株価はさらにそれを上回り、小生の周りでも株式に関する「いさましい声」も多く出てきました。


このような状況は1980年代後半のあのバブル以来のことではないかと、ある意味「懐かしさ」を


味わっている今日この頃です。


「株式を持たないリスク」という言葉が堂々と語られていたあのバブルです。





株高の背景はもちろん急激な円高が修正され、円安が進行していることで自動車を中心に企業業績が押し上げられる


ことが主因ですが、それに加え異次元の金融緩和が相場を支えている構図です。


これに、これまで株には疎遠だった個人投資家が「久しぶりに株でも買ってみるか」という思いで株式市場に参入して


います。


1500兆円にも上る個人資産の一部がようやく株式市場に流れ込んで来てるわけです。





為替市場でもほぼ同様なことが起きていて、新規に参入する個人投資家が急増しています。


個人投資家は円売り姿勢を強めていますすが、一方でこれまで長く為替を見て来た「経験者」は、それほど円売りには


傾いておらず、ドル円の水準の割にはロングは積み上がっていないのが今回の円安局面での特徴です。


ある程度利益を確保してしまったこともあると思いますが、ポジションの偏りを見る限り「過熱感」はありません。





本日はNY時間に新規失業保険申請件数が発表されます。


先週はこの指標をきっかけにドル円が「100円の壁」を抜けたわけですが、今回も改善しているようだと円売りに


拍車がかかる可能性がある一方、昨日の経済指標のように梯子(はしご)を外されることもあるので注意が必要です。


市場予想は33万件です。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/3 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。
5/6 ドラギ・ECB総裁 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。
5/9 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和