今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年5月23日(木)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • バーナンキ議長の議会証言前から上昇傾向を強めていたドル円は
    議長の証言を受け103円74銭まで上昇、今年のドル最高値を更新。
    その後議長が「時期尚早の引き締めは景気回復をリスクにさらす」と発言した
    ことでドルは急落。102円69銭まで円が買い戻された後103円台に乗せて引ける。
  • ユーロドルも議長証言を受けてユーロ売りが進んだものの、その後は1.30近辺まで
    戻すなど大相場に。ユーロ円は133円80線近辺まで上昇し、約3年4ヵ月ぶりのユーロ高
    を記録。
  • 株式市場も上下に大きく振れる。当面緩和政策が継続されるとの見方からダウは一時
    前日比150ドルを超える上昇を見せた後急落し、結局80ドル安で引ける。
  • 債券相場は大幅安。バーナンキ議長が資産購入縮小の可能性に言及したことから
    価格が下落し、10年債利回りは約2ヵ月ぶりに2%の大台に乗せる。
  • 金、原油はともに下落。
  • 4月中古住宅販売件数 → 497万件
    ドル/円102.69 〜 103.74
    ユーロ/ドル1.2834 〜 1.2998
    ユーロ/円131.95 〜 133.80
    NYダウ−80.41 → 15,307.17ドル
    GOLD −10.20 → 1,367.40ドル
    WTI−1.88 → 94.28ドル
    米10年国債+0.107 → 2.037%



    本日の注目イベント

  • 中   中国5月HSBC製造業PMI
  • 独   独5月製業PMI(速報値)
  • 独   独5月サービス業PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏5月サービス業PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏5月製業PMI(速報値)
  • 欧   5月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
  • 欧   ドラギ・ECB総裁講演(ロンドン)
  • 英   英4月小売売上高
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   4月新築住宅販売件数
  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演 <





為替相場も株式市場も乱高下しました。


バーナンキ議長の議会証言での発言はある程度予想された通り、米景気回復の手ごたえはあるものの、金融引き締めには


まだ時期尚早というものでした。


発言内容は決して想定外のものではなかったものの、市場が大きく上下した背景はドル円も、株式市場も加熱気味である


ことが挙げられます。


ポジションの偏りが相場の振幅を拡大させたと言えそうです。





ドル円は欧州市場でじりじりと値を上げ、約1週間振りに103円台に乗せ、NY市場でもバーナンキ議長の


議会証言をきっかけに、これまでのドル高値であった103円32銭を抜き、103円74銭まで「ドル高円安」が


進みました。


議長は「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や


腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」と述べ、その上で、金融政策は「多大な恩恵」を


もたらしていると付け加えています。





この発言で米株式市場は大幅な上昇を見せましたが、議長はさらに「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、


今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」とも発言したことから株価の急落につながりました。


今後はFOMCで議論を重ね、さらにその間の経済指標を確認したうえで資産購入の縮小もあり得るとの考えです。





資産購入ペースの減速に言及したことで、ドルは主要通貨に対して一段と上昇しましたが、市場は「出口戦略」を徐々に


織り込み始めていることで、既にドルロングが出来上がっていました。そのため、緩和政策は当面継続されるとの見方が拡大すると


ドル急落につながったわけですが、議長の発言から想定されることは来月のFOMCではなく、9月のFOMCで資産購入ペースを


変更する可能性が高くなったと考えられます。


もちろん、それまで足元の経済指標が順調に改善傾向を示すことが条件になりますが、9月のFOMCまでには、あと4回


雇用統計の数字を確認することができます。


それらが概ね順調であれば、いよいよ5年にわたって続けられた緩和政策も終焉も迎えることなります。




ドル円は103円台後半まで上昇した後、102円台半ばを付け、再び103円台前半で推移しています。


FRBが「出口」に向かって歩き始めていることは事実で、いずれ金融引き締めに政策転換を行います。


そのため、基本的には今後もドル高基調が続くと考えておくべきでしょう。


昨日は米長期金利が約2ヵ月ぶりに2%台を回復し、今月初めの1.6%台から大きく上昇していることもドル高を


サポートしています。


もちろん為替は金利だけで動いているものではありませんが、金利が為替水準を決める上で重要なファクターであることも事実です。


今後金融引き締めを嫌って株価が大きく下落し、「リスクオフ」が続くような状況になれば、円買いが戻ってくる可能性もありますが、


そのあたりをバーナンキ議長も懸念していると思われ、今後も議長の手腕が注目されます。





昨日この欄でもユーロ円の上値のメドについて、132円台半ばを抜けると上昇に弾みがつく可能性について触れましたが、


NY市場では一気に133円80銭を超える水準を記録しました。


この水準では「一目均衡表」の「遅行スパン」(月足)が頭を抑えられた格好になり、一旦は下落に転じています。


ユーロ円は現在「雲の」中を上昇中ですが、この「雲」を抜けるには137円台後半までユーロ高が進む必要があります。


足元の水準からはかなり離れてはいますが、チャート全体を見る限りユーロ高は続きそうな気配です。


円が急速に買い戻される状況が起きない限り、ユーロ円の大幅下落は見込みにくいと言えそうです。





「ユーロが強い」のではなく、「円がそれ以上に弱い」のだという考え方に、発想を変える必要があるかもしれません。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/3 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。
5/6 ドラギ・ECB総裁 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。
5/9 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。
5/16 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。
5/20 エバンス・シカゴ連銀総裁 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。
5/22 バーナンキ・FRB議長 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。




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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和