今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年5月29日(水)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は米経済指標の改善を背景に買われ、一時102円台半ば
    まで上昇。とりわけ消費者信頼感指数が2008年以来となる高水準だった
    ことから、米長期金利の上昇にもつながり、ドル買い円売りを促した。
  • ドル高が進んだことからユーロドルは下落。1.29台半ばから
    1.28台半ばまで下落し、1.28〜1.30のレンジを抜けきれない
    展開が続く。
  • 住宅価格指数などの上昇を受け、ダウは大幅に上昇。日欧で株価が出直る
    動きを見せたこともあり、ダウは一時210ドルを超える場面もあったが、
    106ドル高の1万5409ドルで引ける。
  • 債券相場は大幅に下落。2年債入札が低調だったことや、株価の上昇を嫌気した
    売りものに押され、10年債利回りは1年1ヵ月振りとなる2.16%台まで上昇。
  • 金は続落し、原油は小幅に反発。
  • 3月ケースシラー住宅価格指数 → +10.87
  • 5月消費者者信頼感指数 → 76.2
  • 5月リッチモンド連銀製造業指数 → −2
    ドル/円101.87 〜 102.51
    ユーロ/ドル1.2850 〜 1.2943
    ユーロ/円131.27 〜 132.14
    NYダウ+106.29 → 15,409.39ドル
    GOLD−7.70 → 1,378.90ドル
    WTI+0.86 → 95.01ドル
    米10年国債+0.157 → 2.167%



    本日の注目イベント

  • 独   独5月雇用統計
  • 独   独5月消費者物価指数(速報値)
  • 欧   ユーロ圏4月M3
  • 加   カナダ中銀政策金利発表





昨日、日経平均株価が反発し、欧州でもその影響で株価が安定し、さらにNY市場では経済指標の結果が良かった


ことでダウは大幅高を見せ、ドル円は102円台半ばまで値を戻し、やや安心感が漂っています。





株式市場が落ち着きを取り戻したことで、「リスクオン」の動きも戻る気配を見せていますが、米長期金利の上昇が


最もドル円の上昇につながったと見られます。


米長期金利は、昨日行われた2年債入札が不調に終わったことで債券が売られ、約1年1ヵ月振りに2.16%台まで


上昇しました。2%台の壁がなかなか破れず、2%まで上昇すると買われた(金利は低下した)米長期債でしたが、


ここに来て先安観が広がって来ており、長期金利の上昇圧力になっています。





その背景は言うまでもなく、FRBによる「量的緩和」の縮小もしくは停止観測です。


昨日は特にコンファレンスボードが発表した5月の消費者信頼感指数が「76.2」と、2008年2月以来の


高水準で、市場予想を大きく上回ったことがFOMCでの「出口」を意識させたものと思われます。


米長期金利の上昇は基本的にはドル「買い円売り」に作用しますが、日本の長期金利も不安定な状態が続き


上昇傾向を示しています。


ただ、こちらは「出口」を意識したものではなく、「異次元の金融緩和」の影響による「需給」を反映しているものと


捉えられます。





ドル円はNY市場で102円51銭まで「ドル高円安」が進みましたが、これで「元の鞘」に戻ったと考えるのは


また早いと思います。


株式市場のボラティリティー(変動率)は依然と高水準で、これまでのように順調に株価の上昇が続くかどうか不透明です。


依然として株価の動向や金利の動きにも注意をする必要があろうかと思います。


一方で今回の「調整局面」でもドル円は底堅かったことから、100−105円のレンジが維持されていることは


確認できたと思います。





先週ドル円は103円74銭まで上昇した後、100円66銭まで下落したため、その下落幅は3円08銭でした。


下落分の半値戻しが102円20銭ですが、ここは既に超えています。


「61.8%戻し」が102円56銭であるため、昨日のNY市場ではここが意識されて上昇を抑えられた可能性も


あります。


本日の東京市場でこの水準を上抜けできるかどうかも見極めたいところです。





再々この欄でも述べているように現在のドル円は日米金融スタンスの差がベースになっています。br>

米経済指標の改善傾向はこのまま続くと予想されますが、それでもドル円がさらに一段と上昇するためには


株式市場の安定は不可欠です。


安倍政権の「第3の矢」である成長戦略が期待を裏切らないものであり、さらに米経済指標の好転が続けば


再び103−105円を目指す展開になるのではないかと予想していますが、それにはまだ時間も必要です。


昨年11月以来順調に、しかも、かなりのスピードを持って上昇し続けてきたドル円です。


この先当然、何度か調整局面があるものと予想できます。


それらをこなして100円台が維持できれば再び上昇に弾みがつき、105円突破もあるのではないかと思います。





テクニカルでは「4時足」にのみ、上方に抵抗帯があります。


一目均衡表の「雲の下限」は102円50銭のところにあり、ほぼ昨日のNYの高値と同じです。


ここを抜け切れて、103円台に入れば「雲抜け」も完成しますが、東京時間ではその可能性は少ないと思われます。


101−103円のレンジ内でしばらくもみ合いが続くと考えておくべきでしょうか・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/3 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。
5/6 ドラギ・ECB総裁 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。
5/9 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。
5/16 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。
5/20 エバンス・シカゴ連銀総裁 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。
5/22 バーナンキ・FRB議長 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。




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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和