2013年5月30日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 前日東京市場で102円台半ば超えまで上昇したドル円は、欧州市場で
101円台まで反落し、さらにNY市場では100円台後半まで下落。
OECDの経済見通しや、欧米の株価の下落が円買いにつながった。NYでは
101円台まで値を戻して取引を終える。 - ユーロドルは急反発。欧州委員会がフランスやポルトガルに対して、
財政再建の達成期限を延長するなど、これまでの緊縮財政から景気浮揚へと
政策転換したことが好感された。ユーロドルは1.29台前半から1.30目前まで
上昇。ドル安の流れもユーロ高を後押し。 - 株式市場は大幅に反落。量的緩和縮小への観測が根強いことに加え、欧州の株式
市場が軒並み下落したことでダウは前日比106ドル安。 - 債券価格は反発。軟調な株価を手掛かりに買い物を集めたが上昇幅は限定的だった。
10年債利回りは低下したが2.1%台を維持。 - 金は3日振りに反発。原油は大幅に下落し93ドル台に。
ドル/円 100.71 〜 101.38 ユーロ/ドル 1.2919 〜 1.2970 ユーロ/円 130.38 〜 131.13 NYダウ −106.59 → 15,302.80ドル GOLD +12.40 → 1,391.30ドル WTI −1.88 → 93.13ドル 米10年国債 −0.048 → 2.119%
本日の注目イベント
- 豪 豪第1四半期民間設備投資
- 豪 豪4月住宅建設許可件数
- 欧 ユーロ圏5月景況指数
- 欧 スペイン1−3月期GDP(改定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 1−3月期GDP(改定値)
- 米 4月中古住宅販売成約指数
ドル円は「行って来い」の展開となり、昨日102円台半ばまで上昇した分をそっくり吐き出す結果になりました。
昨日この欄で述べたように、今回のドル円高値(103円74銭)から、先週金曜日の安値(100円66銭)の
下落幅である3円08銭の「61.8%」が102円56銭であるため、この水準を上抜けできるかどうかが
重要でした。
昨日の朝方は株高に引っ張られ、勢いよくドルは上昇しましたが、102円53銭で頭打ちとなり、その後は
ドルが徐々に売られる展開でした。
株価の動向を睨みながらの展開が続いていますが、昨日の大引け間際に日経平均株価が大きく下げると、ドル円も
102円割れを試す動きとなり、さらに欧州市場では102円台をあっさりを割り込み、その後は一方的に下げる展開
でした。
すぐに103円台回復は難しいのではないかとも述べましたが、たった1日で100円台まで押し戻されるとも
予想していませんでした。
ドル円はなかなか先が読みにくい展開になってきたと感じます。
昨年10月から始まった異次元の円高修正局面では、ドルだけではなく他の主要通貨に対しても、とにかく円を
売っておけば利益が取れる相場展開でしたが、足元の動きは異なってきました。
日米の長期金利の動き、あるいは株価の動きが大きく為替に影響を与えており、テクニカルも含めて総合的な
判断力が試される展開になっています。
力強い円安トレンドに乗り、「調整」なども気にすることはなく、たとえ一時的に反対に動いたとしても
「時が解決してくれる相場」でした。
いわば「ご一統さん」みなさんが恩恵を得ることのできた相場でしたが、足元の相場つきは「先着何名様限定」の
展開に変わってきたとも言えます。
基本はドル高円安トレンドですが、相場の流れからすると「100円割れ」を狙っているような動きにも見えます。
やはりここはポジションンを軽めにし、大きな利益を狙わず対処するしかありません。
また、株式市場の動きにも注意し、東京時間では円債の動きも重要です。
さらに、「見るも相場」という言葉があるように、読みにくい相場には手を出さないことも必要です。
バーナンキ・FRBは先の議会証言で、今後も経済指標の好転が続けば「量的緩和」の縮小に動く可能性があることを
示唆しました。
6月のFOMCではその可能性は少ないと思われますが、来週発表される5月の雇用統計を含め、数カ月の雇用を
見極めた上で決定されるものと思います。
今のところ9月のFOMCがその最有力候補になっていますが、あくまでも順調な雇用の拡大が続くことが条件のはずです。
従って来週の雇用統計が市場予想を上回っているようだと、市場は再び「出口」を意識しドル高に振れることも考えられます。
それまでの1週間で「100円割れ」があるかないかが注目されますが、本日は新規失業保険申請件数が発表されます。
この経済指標も、これまで以上に注目度が高まっています。
5月2日に「100円の壁」を超えるきっかけを作ったのもこの指標だったからです。
事前の予想では34万件と予想されていますが、36万件以上だとドル売りが加速することも考えられます。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 5/3 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。 | 5/6 | ドラギ・ECB総裁 | 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。 | 5/9 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。 | 5/16 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。 | 5/20 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。 | 5/22 | バーナンキ・FRB議長 | 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



