2013年6月3日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は経済指標の内容が良かったことで101円台に乗せたが、
午後株価が急落したことで円買いが強まり、100円22銭まで下落し、
その後100円台半ばまで反発して越週。 - ユーロドルは相変わらず1.3台が重く、ユーロ円の下落に伴い1.29台
半ばまでユーロ安が進む。ユーロ圏の失業率が過去最悪だったこともユーロ売りに
つながった。 - 株価は大幅下落。経済指標が良好だったことで、緩和政策が縮小されるとの観測が高まり
ダウは前日比208ドル安の1万5100ドル台まで売られる。 - 一方債券相場も下落。出口に関する議論が高まり、金融引き締めへの警戒感から売り物が
優勢となり、10年債利回りは上昇。結局長期金利は1週間を通じて2%台に留まる。 - 金、原油はともに下落。原油価格は約1ヵ月振りに91ドル台まで下げる。
- 4月個人所得 → ±0.0%
- 4月個人支出 → −0.2%
- 4月PCEコアデフレーター → +1.1%
- 5月シカゴ購買部協会景気指数 → 58.7
- 5月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値) → 84.5
ドル/円 100.22 〜 101.17 ユーロ/ドル 1.2944 〜 1.3016 ユーロ/円 130.38 〜 131.10 NYダウ −208.96 → 15,115.57ドル GOLD −19.00 → 1,393.00ドル WTI −1.64 → 91.97ドル 米10年国債 +0.011 → 2.130%
本日の注目イベント
- 豪 豪4月小売売上高
- 中 中国5月非製造業PMI
- 中 中国5月HSBC製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏5月製造業景気指数(改定値)
- 英 英5月製造業PMI
- 米 5月ISM製造業景況指数
- 米 イエレン・FRB副議長講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
101円台が徐々に重くなり100円台半ばを試しているドル円は、先週末のNY市場では100円22銭まで
円買いが進み、100円割れテストは回避されたものの、依然としてその可能性を残した展開でした。
NY株式市場の急落が円買いドル売りをけん引しており、その株価の動きは良好な経済指標がきっかけでした。
シカゴ購買部協会景気指数などが市場予想を超えたことで、「量的緩和縮小が早まる」との観測が高まり株価が下落しています。
本来良好な経済指標は株価の上昇材料です。
景気回復は企業収益の増大に結びつくからです。
ところがこのところの市場は全く正反対の反応をします。
それは、市場のメインテーマが「出口戦略」に集中しているからです。
NY株式市場だけではなく、主要国の株式市場は軒並み「最高値」を更新してきましたが、これは大規模な金融緩和
が長い間続き、いわば「カネ余り」がもたらした株高でした。
その金融緩和がいよいよ「終焉」を迎えることで、株式市場にとってはマイナスに働くというのがその理由です。
しかし、金融緩和政策を徐々に解除するということは「景気が回復」していることに他ならず、経済成長は
企業収益にとってもプラスです。
また「金融緩和政策」の変更は、すぐさま「金融引き締め」に転換するわけではありません。
考えられる政策変更は、先ず現在毎月850億ドルの資産購入を行っている規模の縮小だと思います。
その効果を見極めつつ、その後は資産購入の停止、さらに時間を置いて金融の引き締めに移行するというのが
メインシナリオです。
その時期は早くとも2014年後半、遅ければ2015年半ばを過ぎる可能性もあります。
これは昨年のFOMC声明文でも公にしており、今後経済環境がさらに急激に改善しない限りこのタイミングが
早まることはないのではないかと予想しています。
市場の関心が「出口戦略」に集中しているため、「出口」が早まれば株価は下落、遅くなるようだと株価の上昇
という展開が続いていますが、金融引き締めそのものはドル円にとっては「ドル買い材料」です。
ところが足元の為替相場は株価の影響を強く受けているため、株価の下落→リスクオフ→ドル売り円買い、といった
流れが定着しています。
今週の最大の焦点は100円割れがあるのか、あるいは100円台を維持して再び103円に向かうのかどうかです。
そして、そのカギを握るのがやはり「株価」です。
今週は週末の米雇用統計を始め、重要経済指標が相次ぎます。
特に雇用統計で米労働市場の一段の改善が確認されるようだと、「出口」観測が高まり株価の下落、円買いドル売りが進む
ことが考えられますが、市場が「良好な経済指標は株価にとって必ずしもマイナスだけではない」との意識に、どれほど
傾いてくれるのかがポイントになりそうです。
先週末のNY株式市場は大幅に下落していることで、今日の日本株も軟調に始まりそうです。
今週、日経平均株価が1万3000円を割り込むようだと100円割れが避けられないように思いますが、
1万4500円台を回復するようなら102円台もありそうです。
また、日本の長期金利の安定も望まれます。
米長期金利が上昇傾向を見せているだけに、日本の長期金利が低下傾向を見せれば「日米金利差拡大」から
ドル買いに進む可能性があります。
予想レンジには100円〜101円50銭と見ています。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 5/3 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。 | 5/6 | ドラギ・ECB総裁 | 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。 | 5/9 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。 | 5/16 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。 | 5/20 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。 | 5/22 | バーナンキ・FRB議長 | 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



