2013年6月6日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 昨日の昼ごろ安倍総理の成長戦略に関する講演をきっかけに
ドル円は急落。100円46銭を頭に下落し、株価の急落がさらに円買いを
加速。NY市場ではADP雇用者数の悪化や株価の大幅下落から「リスクオフ」の
円買いが進み、一時98円97銭までドル安が進行。 - 経済指標の悪化を理由にユーロ買いドル売りが進み、ユーロドルは1.30台
半ばから1.3118まで買われユーロ堅調地合いは継続。
対円では円の上昇に勢いがあり129円台半ばまで円高ユーロ安に振れる。 - 株式市場は大幅安。ADP雇用者数が予想を下回ったことを反映し、堅調だった
米株式市場も下落基調に。ダウは216ドル下落し1万5千ドルの大台を割り込む。 - 債券相場は反発。世界的な株安と米経済指標の悪化を背景に債券への見直し買いが
入る。10年債利回りは2.0%台まで低下。 - 金、原油はドル安を受け、ともに反発。
- 5月ADP雇用者数 → 13.5万人
- 5月ISM非製造業景況指数 → 53.7
ドル/円 98.97 〜 99.74 ユーロ/ドル 1.3060 〜 1.3118 ユーロ/円 129.60 〜 130.33 NYダウ −216.95 → 14,960.59ドル GOLD +1.30 → 1,398.50ドル WTI +0.43 → 93.74ドル 米10年国債 −0.059 → 2.091%
本日の注目イベント
- 豪 豪4月貿易収支
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 英 BOE政策金利発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
安倍政権の成長戦略に対して市場は「NO」を突きつけたようです。
昨日の昼過ぎ、安倍総理の講演が始まるとすぐに「ドル高円安」反応し、日経平均株価も120円程の上昇を
見せましたが、そこをピークに円買い、株安が急速に進み、結局講演の内容は「成長戦略には乏しい」との
印象を残しました。
その後も円買い、株安の勢いは止まらず、日経平均株価は、このところ頻繁に見られるように「引け際」に
かけて一気に値を下げ、日経平均は518円安、ドル円は99円40銭前後まで下落しました。
相変わらず、株価とドル円が同時に値動きを強める動きになっています。
日経平均株価は短期間でピークから約3000円程(約18%)下落していますが、NY株式市場はそれでも堅調な
地合いを保っていました。
しかしさすがに昨日は悪条件が重なったこともあり、ダウは216ドル安と急落しました。
日本株に比べるとまだ下げ幅が浅いだけに、今後さらにNY株が調整色を強めるようだとそのまま日本株にも
影響し、さらに日経平均株価の下落につながる懸念があります。
注目されたADP雇用者数は市場予想を下回る13.5万人で、これが直接株価の下落につながっています。
今週月曜日にはISM製造業景況指数が節目の「50」を割り込み、「49.0」だったことから、FRBによる
「金融緩和縮小が遠のく」との連想に株価は大幅な上昇を見せました。
しかし今回は同様に、経済指標は予想を下回ったものの、株価はそのままそれを「悪材料」と捉え、大きく下落しました。
市場の反応が「日替わりメニュー」のように日々変わる今の状況は、プロの人たちでも「出口」を巡って混乱している
ということです。
「出口」が近づくのか、遠のくのかが焦点になりますが、その判断基準はいまいち明確ではありません。
個人投資家にとっても非常に難しい相場展開が続くことになります。
ここは敢えて相場に参加する必要はなく、しばらく「様子見」を決め込むことも重要です。
「1000円の利益」を狙いに行って、「3000円を失う」、そんな相場展開では敢えてリスクを取る必要はありません。
連日500円以上の値幅を見せる株価が落ち着くまで、為替の大幅な変動も避けられない状況です。
ドル円は再び98円台を覗く展開になってきました。
「日足」チャートでは一目均衡表の「基準線」が上値のメドになりつつあります。
現在その水準は100円40銭です。まずここを抜けない限りドル円の上昇は見込みにくい状況になっています。
一方下値のメドは、先ずは月曜日のNY市場のドル最安値である98円86銭と、その下は「8時間足」の200日線
がある98円40銭辺りと見ています。
本日も日経平均株価は1万3千円の大台割れは間違いなさそうです。
株価の下落を見ながら、ドル円がどこまで売られるかを見極める展開になりそうです。
豪ドル円の下げもきついと思います。
95円を割り込み、94円台前半まで下落していますが、NYダウが大幅に下落したことや、資源価格が軟調なこと、
さらに再利下げ観測が払拭できないことなどが理由として挙げられますが、加えてドル円が円高傾向に推移してる
下落に拍車をかけています。
下値のメドを見つけにくいところですが、「日足」の200日線が91円54銭にあります。
さすがにこの水準は足元の相場から深すぎるとは思いますが、ドル円が再び円安トレンドに戻るまでは大幅な反転は
見込みにくいと考えられます。
多くの個人投資家がロングをキープしていることから、戻りも鈍い展開が予想されます。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 5/3 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。 | 5/6 | ドラギ・ECB総裁 | 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。 | 5/9 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。 | 5/16 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。 | 5/20 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。 | 5/22 | バーナンキ・FRB議長 | 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。 | 6/3 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



