今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年6月7日(金)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は大幅に下落。一時96円を割り込み、95円90銭まで円買いが
    進む。ドラギECB総裁の発言で、ユーロドルが上昇し、ドルが売られたことを
    きっかけにドル円も下落し、節目の98円60銭など、重要なサポートを割り込んだ
    ことからポジション解消のドル売りが拡大した。
  • ECBは政策金利を据え置き、ドラギ総裁の記者会見が、一段の金融緩和には
    慎重だと受け止められユーロが急伸。ユーロドルは1.33台まで買われ、1.32台
    で引ける。
  • 株式市場は反発。雇用統計控えて思惑が交錯する中、ダウは80ドル上昇し
    1万5000ドル台を回復。
  • 債券相場は小幅ながら続伸。10年債利回りは2週間ぶりの低水準に。
  • ドル安が大幅に進んだことから、金、原油はともに続伸。
  • 新規失業保険申請件数 → 34.6万件
    ドル/円95.90 〜 99.38
    ユーロ/ドル1.3090 〜 1.3306
    ユーロ/円127.42 〜 130.72
    NYダウ+80.03 → 15,040.62ドル
    GOLD+17.30 → 1,415、80ドル
    WTI+1.02 → 94.76ドル
    米10年国債−0.012 → 2.079%



    本日の注目イベント

  • 日   4月景気動向指数
  • 独   独4月貿易収支
  • 独   独4月鉱工業生産
  • 米   5月雇用統計
  • 加   カナダ5月失業率





ドル円の乱高下が続き、昨日のNY市場では円がドルを含む主要通貨に対して大きく上昇しました。


それにしてもドル円が95円台まで下落したことは想定外の動きです。98円86銭、あるいは98円60銭などの


重要なサポート水準を次々に割り込んだことから、ストップロスのドル売りだけではなく、海外からの


コメントによると「ポジション解消」のドル売りも出て、一気に95円台まで円が買われたようです。





このところのドル円は株価の動きに歩調を合わせるように、非常に不安定な動きを見せているため95円台まで


下落するのは解らなくはありませんが、問題はその下落の理由です。


昨日の大幅な円高についてはそれを説明する正当な理由は見つかりません。


ECBの金融政策とその後のドラギ総裁の記者会見の内容がきっかけとも言われますが、なにか違和感を感じます。





ECBは政策金利据え置きを決めましたが、そもそも市場のコンセンサスは「据え置き」でした。


ドラギ総裁は、預金金利をマイナスにすることや、さらに流動性を供給することについて「われわれにはさまざまな


手段がある」と「準備が整っている」との印象を与えたものの、先月の政策決定会合以降に得られたデータは


「直ちに行動することを正当化するには不十分だった」とも述べています。





市場はこの発言で一段の金融緩和には踏み切らないと受け止め、ユーロ買いドル売りを進め、その結果ユーロドルは


これまでの1.29−1.31のレンジを大きく上抜け、2月25日以来となる1.33台までユーロ高が進みました。


ドル円もその影響から、円買いドル売りが進み95円台まで円高が進んだと見られますが、結果的には円の方が


ユーロよりもはるかに大きく買われています。


ポジション調整と、昨年来大きく積み上がった円売りの反動と説明されています。





金融市場を巡る不安さやボラティリティーの急拡大は、全て米国の「出口」を巡る思惑が引き起こしているようです。


過去に例のない金融政策から、正常な金融政策へ移行するいわば「痛み」のようなものですが、過剰流動性が進んで


いただけに、その「痛み」を大きく、「激痛」として市場参加者を襲っています。





ドル円は96円台を割り込んだことで、これまで一貫して上昇トレンドを形成してきた「日足」の一目均衡表にも


ついに変化が表れました。


「転換線」が「基準線」を上から下に抜け「逆転」を見せています。


これは昨年10月に、78円台前半で「好転」を見せて以来初めてのことになり、セオリー通りにいけば


「長い間続いたドル高トレンド」が終わったことを意味します。





昨日の大幅下落で103円74銭の高値から約7円下落したことになります。昨年からのドル上昇局面では


あの「イタリアショック」や、「キプロスショック」を上回る大幅な下落幅です。


仮に今後ドルが反転するとしてもかなり長い「調整期間」が必要となります。


株価の反転と同様、ドル円の反転もポジションが大きく整理されないと本格的な上昇にはつながりにくいと


考えられます。


押し目を拾いたいと思う投資家もいると思いますが、ここは慎重に見極める必要があります。


行動ファイナンスでは、相場の反転は市場参加者のほとんどが「弱気になった時」である、と教えていることを


最後に記しておきたいと思います。





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相場の混乱が続いています。


多くの金融市場では金融工学が進み、ITが相場をけん引しているのでは


ないかと思われます。


「HFT]や「CTA」といわれる投機筋です。


ヘッジファンドは、その数も数百といわれ、運用資金も200兆円を超えている


模様です。


通常彼らはレバレッジをかけることから、その資金はさらに膨らみます。


足元では株式、為替ともに「円」への関与を強めているのではないでしょうか。


良い週末を・・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/3 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。
5/6 ドラギ・ECB総裁 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。
5/9 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。
5/16 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。
5/20 エバンス・シカゴ連銀総裁 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。
5/22 バーナンキ・FRB議長 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。
6/3 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。




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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和