2013年6月12日(水)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 日銀決定会合では特に新たな政策を取らないことが決められたことで、
失望のドル売り円買いが加速。NYでは一時95円59銭まで円買いが進む。 - ドル安の流れからユーロも上昇。ユーロドルは3日振りに1.33台に乗せる。
- 日欧の株価が大幅下落したことから、NY株式市場も大幅安。ダウは前日比
116ドル安で引ける。 - 債券相場は反発。日銀決定会合失望からの混乱で、安全資産の債券に資金が
流入。10年債利回りは2.18台%に低下。 - 金、原油は小幅ながら下落。
ドル/円 95.59 〜 97.30 ユーロ/ドル 1.3232 〜 1.3318 ユーロ/円 127.08 〜 128.95 NYダウ −116.57 → 15,122.02ドル GOLD −9.00 → 1,377.00ドル WTI −0.39 → 95.38ドル 米10年国債 −0.028 → 2.185%
本日の注目イベント
- 日 日銀金融経済月報
- 独 独5月消費者物価指数(確報値)
- 欧 ユーロ圏4月鉱工業生産
- 欧 クーレ・ECB理事講演
- 英 英5月失業率
「ドル高円安」への戻しはわずか1日でしぼんでしまいました。
日銀は昨日の決定会合で債券市場安定に向けた新たな施策は取らず、これまでの大規模な金融緩和を継続することで
一致したと発表。
この発表があった昨日の昼過ぎ、ドル円は99円近辺から97円台後半まで一気に円買いドル売りが進み、
日経平均株価も午後の寄りつきから200円も下げる展開で、市場は決定会合の結果に失望した「円買い、株売り」で
反応しました。
黒田総裁は午後の記者会見で、「市場は次第に落ち着きを取り戻している」と発言し、市場で予想されていたような、
金利安定に向けた固定金利オペの期間延長は現段階では必要ないとの認識を示しました。
その後の海外市場ではドル円はさらに下落し、NY市場では一時95円台半ばまで円買いが進み、NY株式市場も
大幅に下落し、本日の東京株式市場の大幅安は避けられない状況です。
昨日のコメントでも市場はまだ不安定であると書きましたが、「日銀動かず」といった情報だけでドル円が1日で
3円以上も下落する事態は、正に不安定です。
正直、そこまで値幅がぶれる情報ではないと思いますが、5月23日の日経平均株価1100円下落以来、市場は
一方方向に振れやすい地合いが続いています。
プロの為替ディーラーでさえ、どちらに振れるか解らないことから、「とにかく流れについて行く」ことしか
方法がない状況です。
そのため、「買いが買いを呼ぶ」、あるいは「売りが売りを呼ぶ」相場展開が続いており、相場の振幅を
拡大させています。
ドル円はNY市場で95円59銭まで下落したことで、先週末に記録した94円98銭が意識されます。
基本的には95円以下は売る方もリスクが高く、そこからさらに大幅な下落は考えにくいと思いますが、何が起きても
おかしくない状況であるため注意は必要です。
95円59銭を「二番底」として上昇に向かう可能性も十分あると考えますが、本日の日経平均株価が500円以上
下げるようだと、一旦は95円を目指す展開があるかもしれません。
米「出口」を巡る議論から始まった今回の混乱は、アベノミクスへの期待感や、黒田日銀の異次元の緩和に対しても
その実現に疑問符を投げかける状況になってきました。
東京株式市場の大幅下落が、海外市場にも影響を与えていますが、それでもまだNYダウは1万5千ドル台を維持しています。
NYダウが現在の水準を維持できなくなり、1日に300〜500ドル下げるような状況になると、収拾がつかなくなる
恐れがあります。
重要なことは、成長戦略を前倒しでやることと、できればさらに踏み込んだ規制改革にとり込むことです。
秋には成長戦略の第二弾が発表される見通しですが、それまで市場が待てるかどうかです。
今朝の新聞では、昨日の日銀発表後に為替や株式市場が大きく下落したのは「催促相場」だと説明しています。
今後さらに混乱が続くようだと、圧勝だと言われている7月の「参院選」で、想定外の結果がでないとも限りません。
「安倍ー黒田」コンビにとってはまさに正念場に差し掛かっていると言えます。
非常に先行きが読みにくい相場展開ですが、先週末の94円98銭は「日足」の120日線でしっかり止められています。
また昨日の95円台半ばも同じく「日足」の雲の下限を意識した水準で下げ止まっています。
現在、120日線は95円12銭、雲の下限(先行スパン2)は95円52銭に位置しています。
この水準を割り込まなければ反転のチャンスはあろうかと思いますが、割り込んだ場合には注意が必要です。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 5/3 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。 | 5/6 | ドラギ・ECB総裁 | 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。 | 5/9 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。 | 5/16 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。 | 5/20 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。 | 5/22 | バーナンキ・FRB議長 | 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。 | 6/3 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



